Pic up! ミュージシャンと役者のクロスオーバー企画「音劇演楽場-ミュージャム-」の主催者インタビュー

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役者とイベントの企画運営で活動中の大間知 賢哉さんに活動について取材させていただきました。

大間知:大間知です。埼玉県出身で俳優をやっております。
主に舞台公演への出演を中心にしながら、芝居をメインに歌、身体表現、殺陣など舞台作品だけではなく、幅広い表現方法で精力的に活動を進めています。

インタビュアー:俳優以外にはどんな活動をされていますか?

大間知:そうですね、基本的には役者がメインで企画演出の活動を近年始めるようになりました。
オリジナルな所ですと、ライブハウス周りでの活動を始めたということがあります。
演劇の場所っていうのは劇場だけに限らないと考えていまして、ライブハウスが今僕の結構メインフィールドにはなっていますけど、今までの活動の中でも住居スペースみたいなところでインスタレーションを行ったり、商業施設のエリアのガイドみたいなものを芝居と絡めながらやるなどですね。
電車の中でのパフォーマンスをやった事もあるのですが、劇場にとらわれない空間を自由に、そしてお客さんとの関係もインタラクティブな形で作り手として企画に取り組んでいきたいと考えています。

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インタビュアー:自分で企画運営とかをやってみようと思ったきっかけはなんですか?

大間知:そうですね、20代前半当初は自分がプレイヤーとしてやるということに一番の喜びや意義を見出していました。
勿論その現場において自分の役割を全うするということはとてもやり甲斐のあることなのですが、誰かの作品に参加するという事だけでなく、自分がデザインするという事に興味を持ったのが20後半ぐらいになってからでした。
演劇というもののフレーム自体にとても魅力を感じるようになってきて、必然的にそちらへ向いていきました。
俳優は自分ではない誰かの物語を借りてやるということが特徴ではありますが、ミュージシャンは自分自身で表現したい価値観や内容を模索し自分の体、自分の声を通して表現しているという事に力強さと覚悟を感じて、そういった方たちとの出会いが自分も一アーティストとしてセルフプロデュース企画や演出への関心を高めていきました。

インタビュアー:大間知さんの企画運営されている「音劇演楽場-ミュージャム-」とはどういう企画か伺えますか

大間知:音楽をやっている人、音楽界隈に携わっている人たち、あとファンの方と、演劇人、演劇界隈に携わっている人たち、それぞれがクロスオーバーして共に創作をする企画で、それをコンテンツとして進めていくプロジェクトです。
今はまだ数が一つしかないのですが、コンテンツとして前回”音問ototoi”というものを10月30日に下北沢のRéGというライブハウスで上演しました。
これがどういったパフォーマンスだったかというと、ミュージシャンのライブと俳優のリーディングのパフォーマンスでして、プロセスとしてまず出演してくださる歌い手の方から、とっておきの一曲を選んでいただいて脚本家に渡します。
次に脚本家はその楽曲からインスピレーションを受けた新しい物語を書き下ろします。
そして書き下ろした物語を俳優がそれを声に出してライブハウスのお客さまにお届けする。
という楽曲から始まってお客さんに届くまでのこの音の旅、アーティストの思考とか感覚に触れて通っていく音の旅みたいなものをコンセプトにした企画です。

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インタビュアー:私も現地で拝見させていただきました。短編映画を画面ではなく生で観ているような感覚がありとても斬新でした。今後の展望についてもお聞かせください。

大間知:まず僕自身は俳優であるということが大きな軸なので、これは継続して進めていきたいですし、フィールドは舞台映像を問わずますます広げていきたいと思っています。
そして水平的な広がりだけじゃなく、もっと良い現場を俳優として積んでいく上への広がりのある活動も行っていきたいと考えています。
それともう一つは、自主企画の「音劇演楽場-ミュージャム-」を発展させていきたいと考えていまして、こちらは音楽人と演劇人の出会いや創作の機会を提供するということもやり甲斐の一つですね。
現実社会において誰かと誰かが出会うことでドラマが生まれるように、創作の世界においても同じことが言えるので、演劇というものの魅力だと感じます。
プロデュースや演出というポジションからそういった新しいドラマを発展させていきたい、この想いで「音劇演楽場-ミュージャム-」を進めていきたいと考えています。
この二本の軸をベースに進めていきつつ、その先は社会的な部分にも貢献したいと思うので、若い世代の育成にも携わっていきたいと思っています。
あと演劇は教育分野・コミュニティ・街づくりとの相性が非常にいいと思いますので、今後の活動として関わっていきたいと考えています。

インタビュアー:今後大間知さんがコラボしていきたいのはどんな人ですか

大間知:共同で制作をしてくださる方とご一緒していきたいという事がまず大きくあって、業界やシーンといった分野領域に固定化されない柔軟な方とお会いしたいです。
演者さんでも凄いアイデアをお持ちだったり、クリエイティブな方もいらっしゃるので、自分はこうだみたいなことを投げかけてくれる方が良いですね。
トップダウンの形よりも水平な関係でやっていける環境を望んでいます。
例えるなら台本があって、これをどう演じるかという事があるように、ゼロから何かを作るというよりもhowの部分の創意工夫が僕は向いていると思います。
だからこそ、どういう風に見せたい、どう見せたらいいだろうかという事を考えていらっしゃる方とか、見せ方に困っている方にもアイデアを提供できるのだと思います。
何かやりたいと思っていて、くすぶっている方がいらっしゃれば、ぜひ何か投げ掛けて頂ければと思います。

インタビュアー:何か他の演者さんやパフォーマーさんに向けたメッセージはありますか?

大間知:さっきプロジェクトというワードを使っていましたが、一日限りの公演で終わらない関わり方を作っていきたいですね。
この間10月30日にやったパフォーマンスもあの日だけではなく、参加して下さったミュージシャンと俳優たちとは僕はまだ続けていきたいと思っていることがありまして、あそこで生まれた物語を今度は映像作品や音声コンテンツにすることや、三次元のライブパフォーマンスだったものを二次元化するなど、二次創作・三次創作というクリエイションはまだまだ続くので、違うコラボレーションの形もそのメンバーの中でできると思います。
公演のためだけに集まって終わりという契約的な関係ではなく、蓄積して何年か先に生まれたものが花開くみたいなことが絶対あると思っています。
今はYouTubeや配信などアウトプットの窓口はいくつもあるので、付き合いを一回で終わらせてしまうのではなく、長いプロジェクトとして組んでいくということを意識しています。
まずは、僕の企画とか作品を見ていただけたら嬉しいです。
その上で一度お話させていただければ、文章だけでは伝わらない、熱量や人柄みたいな部分も含めてお伝えしていきたいと思います。

インタビュアー:ありがとうございました。今後の活躍を期待しています。

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大間知さんの主催企画
「音劇演楽場-ミュージャム-」
音楽人と演劇人がクロスオーバーし、プロジェクトとして進めていくライブ。
歌い手が選ぶとっておきの一曲をもらい、その一曲からインスピレーションを受けて、
脚本家がリーディングストーリーを作りだす。
楽曲とリーディングで物語がライブされていくため、
まるで短編映画の世界に入り込んだような錯覚をライブハウスで体感できるのは斬新。

舞台の始まりは前説でストーリーの背景を紹介。
1つのプログラムは4つの構成で作られている。
1歌い手の自己紹介となる楽曲
2歌い手のとっておきの曲
3俳優による演劇
4演劇のプロローグのような、テーマとなる一曲
こうしたプログラムをいくつか集めた短編集のようなライブとなっている。
博物館(ミュージアム)の展示のように1つ1つにストーリーがあることが面白い。

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