トリガーポイント治療について

いろんなトリガーポイント治療

「トリガーポイント」という名称を使用した治療方法が非常に増えています。病院やクリニック、鍼灸院、接骨院、ストレッチ・リラクゼーション系、そしてセルフケア用品などなど。
広く認知されるのはありがたいのですが、我々が行っている「トリガーポイント歯科鍼灸」「トリガーポイント鍼治療」とは大きく異なる考え方で治療が行われていることも多いです。
今回は、その違いにフォーカスして解説していきます。

トリガーポイント注射

まずはトリガーポイント注射。
「注射」ですので、病院やクリニックにて医師が行う治療方法であり、当然、鍼灸師には行うことができない治療方法です。

トリガーポイント注射では、患者さんが訴える痛みのエリアに対して「麻酔」などの薬剤を注射する治療方法です。
麻酔ですので、注射直後から痛みを感じなくなりますが、あくまで一時的な処置ですので、麻酔が切れると痛みが戻ってきます。また、注射針は鍼灸で使用している鍼よりも太いので、痛みや侵襲が大きく、何回も連続で行うものではありません。

トリガーポイントローラー

フォームローラーやボールによるトリガーポイントへのアプローチも非常に増えています。
トリガーポイントが形成されると、皮膚の緊張も増すため、ローラーやボールを使って皮膚表面を緩めることは、症状の緩和に有効な手段と言えます。セルフリカバリー、セルフケアの1つとして、日々のセルフメンテナンスとしてストレッチなどと並行して行う人も増えています。

しかし、強く刺激を与えすぎてしまうと、反射により筋肉が硬くなってしまい、症状をこじらせてしまいます。
また、トリガーポイントは「異構造接合部」に形成される特徴があります。つまり、骨と筋肉の際に形成されるので、皮膚表面から力いっぱい刺激したところで、十分な効果は期待できません。
マッサージガンも同様です。

トリガーポイント風

トリガーポイントに関する書籍や動画などもたくさん出ています。
書籍や動画などでは「肩コリにはこの筋肉のここにトリガーポイントが形成されやすい」「慢性腰痛であればココ！」というように、ある特定のトリガーポイントが紹介されています。
しかしそれはあくまでトリガーポイントの一例です。

人それぞれ、ストレスがかかる部位が異なり、同じ筋肉であったとしても、トリガーポイントが形成される部位も微妙に変わってきます。
きちんと理論を理解し、それを練習、習得して、実際の患者さんに使っていくことではじめて効果的な治療を提供することが可能となります。

AcuDentで実践しているトリガーポイント歯科鍼灸の紹介

AcuDentで実践しているトリガーポイント歯科鍼灸の特徴についてご紹介します。
ポイントは次の2つ。

• 認知覚

• 響き

認知覚という「あ～それ！」「そこそこ！！」という感覚です。

本当に患者さんが訴えている部位が原因部位なのでしょうか？
トリガーポイントが形成されると「関連痛」という痛みを脳が自覚します。「関連痛」は原因となっている部位から離れたところに自覚されます。そのため、本人が自覚しているエリアを治療しても十分な効果が得られないのです。

そこで私たちは、触察法という手技を用いてトリガーポイントを検索していきます。トリガーポイントの検索さえできてしまえば、あとは刺鍼して響きを出していきます。

響きは、「ずーん」という鍼独特の感覚ですが、トリガーポイントで得られる響きは少し異なります。何より、一般的な経絡・経穴治療では、鍼を5mm、深くても1cm程度しか刺入しませんが、トリガーポイント歯科鍼灸では殿部など筋層が厚い部位では、2寸の鍼を根元付近まで刺入するので、より大きな響きが感じられます。また、認知覚、つまり普段感じている症状
（関連痛）に近い響き感覚が得られます。

まとめ

同じトリガーポイントという名称ですが、このように、目的や手法が大きく異なります。

実際にトリガーポイント鍼治療という手法を使って施術を行っていますが、はじめてトリガーポイント鍼治療を受けた方々からは、
・いままで受けた鍼治療と違う
・そこだよ。そこを治療して欲しかったんだよ
という言葉を頂きます。

特に運動器の症状に対しては、直接痛みや制限を出している部位にアプローチしているため、その効果は大きいです。

現在、トリガーポイント鍼治療に関する練習会も開催しています。
こちらでは、触察、そして刺鍼に重点を置いて、ひたすら手技の練習をしていきます。
2～3名よりお申込みいただく、少人数制で行っているので、進捗状況そして希望に応じて練習することが可能です。

トリガーポイント歯科鍼灸の勉強会参加希望の方は、申込フォームよりご連絡ください。

トリガーポイント歯科鍼灸の勉強会参加希望の方は、申込フォームよりご連絡ください。

トリガーポイント鍼治療練習会参加申込フォーム（Tokyo TP）