夕暮れのコーヒータイム
日暮れの空に染まりゆく
オレンジと紫の残映
一服につつまれながら
まどろみの世界を旅する
蒸気からほのかな甘み浮かぶ
豊潤なコクが口中に広がり
ゆったりとした時間のゆらぎの中で
五感が研ぎ澄まされる
耳を澄ますとカップの
律動を奏でるメロディー
染み入る夕焼けの余韻と
コーヒーの芳香が渾然一体
一瞬でありながら永遠を宿す
至福のひととき
穏やかな余裕に包まれて
心に希望の灯がともる
この世のあらゆる偉大なるものは
こうした小さな瞬間から紡がれる
人生の糸車を手繰り
静かに明日を紡ぐのだ