ワークショップに行きすぎた俳優が陥る罠とは
東京ではあっちこっちでワークショップが開催されています。
監督やプロデューサーが講師を務めるワークショップの場合、勘違いしてはいけないことがあります。
それは
演技力向上を求めないこと。
「は?芝居が上手くなるためにワークショップ行くんですけど」という方は気を付けて。
監督やプロデューサーは演技指導のプロではありません。
演技は訓練を積んできた俳優や、演技講師の指導を受けるのがいちばん。
では何を目的にワークショップに行けばいいのか?
一つは現場を知ること。
実際にその監督の演出を受けながらシーンを作っていく体験を、現場じゃなくワークショップでやる。
もちろん実際の撮影現場ではレッスンスタジオよりも複雑な要素がありますが、監督の演出に対してあなたという俳優がどう応えるのかという疑似体験はできます。
もう一つは出会いの場にすること。ワークショップに出ることで監督やプロデューサーに知ってもらうことができます。
そこから仕事につながることも当然あります。私もそうやってキャスティングしてもらったことが何度もあります。
ワークショプは演技レッスンとは違うものである。ということは覚えておいてください。
さて、ワークショップに行きまくっている俳優が陥ってしまう落とし穴があります。
・ワークショップで芝居することに慣れちゃって、一回で出し切ることができない(現場で使えない)
・自分の演技を分析して反省することばかり上手くなって、パフォーマンスとして成長がない(現場で使えない)
・ワークショップでよく会う俳優を友達だと思ってしまう。(仲良くなるのが悪いというわけではない。現場で会おう!)
といった感じの俳優をたまに見かけます。
せっかく時間とお金を使っているのに、
ワークショップに参加することが目的になってしまって、勿体無いなあと思います。
シーンを演じるにも、オーディションを受けるのでも同じです。
本当の目的を忘れないこと。
それを忘れると、うまくいかないし、時には自己満足だけで終わることになります。意識してくださいね。