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舞台でギャラがもらえるようになるには
最近、私が教えているスクールの生徒の舞台出演がかなり増えています。
レッスン時間にできることなんか本当に限られているので、
舞台の現場で学ぶことはいいことだと思います。
まあ、学ぶことを第一目的で現場に来ているキャストとか大嫌いなんですが。仕事なので学ぶことが目的じゃプロじゃないです。
というのは置いといて
現場によっては経験の浅い俳優、
特に若手なんかは超絶安いギャラでこき使われたりします。
私の場合、舞台でまともにギャラがもらえるようになったのは35歳くらいです。(もちろん才能の問題もあります泣)
それまではとにかくノルマをこなすのに精一杯で
舞台に立つことは仕事(稼ぐ)にはなっていなかった。
それがあるきっかけを境にガラッと変わったのです。
ある時、超いろんな偶然が重なって、
博品館劇場という中規模劇場でやる、時代劇のアンサンブルをやらないか
という話をいただきました。
殺陣ができるからということで声がかかったんです。
それまで多くてもキャパ100人程度の小劇場にしか出たことがなかったので
400人弱の劇場で有名どころの俳優が出演する舞台ならば、
アンサンブルでも経験してみたいと思ってその話を受けました。
それで顔合わせで主催プロダクションの社長に会いに行ったところ、
私の顔を見た瞬間「来た」と思ったらしいんですね。
何が来たかというと、主役の相棒の役が決まってなくて困っていたところ、
ピッタリの男がきたと。
初対面で、私がどんな芝居をするのかも知らないのに
なぜか準主役に抜擢されたんです。
もちろんその後、演出家と会って面談と軽く読み合わせみたいなことはしましたが。
ビッグチャンスでした。
ここでコケたら一生これより上には這い上がれない
そんな覚悟で、自分の持てる力と情熱を全て注ぎ込んで稽古に臨みました
脚本の読み込み、徹底した役作り、役に合わせた体作り。
結果的にその役は私のハマり役と言われるほどのものになり、
初めて“ワンステージにつき〇〇円”という形態の出演料の支払いを受けました。
その時は、その主催プロダクションとの仕事が初めてだったので、
集客数によって変動する形で、ワンステージ8千円ほどだったと思います。
すると、たまたまその舞台を観た演出家から声がかかり、
次の舞台はギャラが倍になりました。
さらにその舞台をみたプロデューサーから声がかかり、次の舞台は
ワンステージ4万円になりました。
嘘みたいなホントの話です。
たまたま、謎に、博品館劇場の準主役に抜擢されたことをきっかけに
自分自身の基準値が上がり、周囲が私を見る目も変わりました。
あなたがもし、やってることずーっと変わらないなあと思っているのなら、
環境を変えてください。
今いるところよりもレベルが高い環境に身を置いて、
超絶頑張ってみること。
そうしないとなかなか現状を打破していくことは難しいかもしれません。
舞台でも、映像でもそうですが、自分のギャラの基準を決めてしまうのも一つの手です。
例えば舞台ならワンステージ最低2万円。それ以下は出演しない。と決めたら
なぜかそういう案件が増えてくるものです。
価格を高くするには、もちろん自分の価値を高めておくこと必須ですよ。