横山拓也さんWS(アクターズホーム内)開催後感想①

早いもので2024年も12月に入りましたね。
アクターズホームが開講してから本当にあっという間の毎日です。

10月末と11月の頭の2日間に渡り、演劇ユニットiakuの横山拓也さんにアクターズホームの受講者の方に向けてワークショップを開催していただきました。
アクターズホームを開講することを決めた時から、クリエイターの方を招いてワークショップを絶対にやろうと考えていました。

単純に理由は3つ。一つは、素晴らしいクリエイターの方と受講者の方が出逢って欲しいから。二つ目は、そこからチャンスに繋げていって欲しいから。そして三つ目は、コーチ以外のクリエイターの価値観に触れて欲しいからです。

誰にお声がけするのかを考えた時に、まず浮かんだのが横山さんでした。

私は数年前に2度iakuに参加させていただいたのですが、その時の創作過程が俳優冥利に尽きる豊かな時間だったんですね。素晴らしい作品でしたし、もちろん共演者もスタッフの皆様も全てなのですが、やっぱりリーダーである横山さんの人となりが大好きで。そしてもちろん横山さんの描く世界も、一つ一つの台詞も。あと、普段の私服のオシャレさも。笑
そこでアクターズホーム内ワークショップの第一弾として横山さんにオファーをさせていただき開催する運びとなりました。

予想通り、アクターズホーム内での応募者が殺到して結果的に2日間のWSに。
WSでは事前に横山さんから4つの台本を用意していただき、当日はその中から2つ台本に取り組みました。
1つは3行の台詞を2人組で。もう一つはA4用紙1ページ分の台本を二人組で。
参加者の方が同時に同じ台本に取り組むというのは、普段のアクターズホームのクラスでは中々無いことなので、私自身見学をさせていただいて、非常に面白かったですし、ちょっと距離を置いて、受講者の方と横山さんとのやり取りを客観的に見させていただき、とても学びの多い時間でした。

そこで、私の感想をだらだらとここで書くよりも、実際にWSに参加された受講者の方の感想を掲載した方がWSの雰囲気が伝わるのかなぁなんて思いまして、こちらのnoteに掲載したいと思います。
12月に外部の方に向けて行う横山さんのWSでは、横山さんの過去の上演作品からシーンを抜粋して取り組んでいくので、また全然違ったWSになるとは思うのですが、何かしらの参考になったら幸いです♡

「求心力」という言葉が印象に残っています。

観ている人に興味を持ち続けてもらうこと
飽きさせない、先読みさせない。

その為の効果的な間の使い方
目線の使い方...etc

他の受講者のお芝居の変化を目の前で拝見して、
工夫次第で見る側の意識を変えられることを学びました。

横山さんは、正解を教えてくださるのではなく、
観客・視聴者をどうヒリヒリさせるか
自分で考える余白を与えてくださいます。

いや、難しかった!笑
でも、不慣れなことに挑戦できる機会と
雰囲気をつくってくださったので、
失敗を恐れずに飛び込むことができました。

また、今回のWSでは、
2つのキャラクターを演じました。

自分がどんなキャラクターに見えるのか、
キャスティング目線でのお言葉もいただけて、
自分の知らない自分を発見できました。

私は、初めて自分のお芝居をみてくださった方からの印象を
大切にしたいと常に思っています。
役どころの引き出しが1つ増え、とても嬉しかったです。
今後の糧にします。

そして、改めて感じたことは、
日頃のトレーニングの大切さです。

私は今年の2月からACTORS HOMEでトレーニングをしています。

カリキュラムの中で、
できるようになったこと、より良くできることを見極め、
1人1人にあった指導で導いてくれる
コーチに出逢えたことは私の役者人生の財産です。

お2人に出逢えたことでお芝居をしている自分が好きになりました。

横山さんがくださった求心力のあるお芝居に近づくヒントを
今後のトレーニングで
千葉先生、川村先生のお力を借りながら、
そして楽しみながら鍛錬して行きたいです!
(30代女性)

たった3行のセリフのやり取りでこんなにも遊べるなんて。やっぱりお芝居は楽しい、面白いと実感した最高の時間でした。

限られた時間の中、一人ひとりのお芝居をとても丁寧にみてくださり、呼吸や視線、そのひとつひとつの僅かな表現がどう見えているのかを分かりやすく伝えてくださいました。

また演出という観点から、そのお芝居が観ている人にどの様な影響を与えるのか。そして、それは脚本の意図に沿っているのか。俳優に寄り添ってお話してくださいました。横山さんの愛とユーモア溢れる沢山のお言葉が、とても心に残っています。

そして今回のWSは、普段のクラスレッスンでの学びが力になっていることや、今の自分の課題を再認識できる良いきっかけになりました。

俳優が持てる沢山の可能性と遊び心を教えてくださった横山さん、そしてこの様な貴重な機会をくださった大将さん、紗也さんに感謝です。ありがとうございました!
(20代女性)

芝居のワークショップで大事なことの一つ、それはある程度の緊張感だと思っています。
横山さんはその空気感の調節が絶妙でした。参加者に寄り添い質問を投げかける。考える時間をきちんと設ける。流れや勢いで台詞を消費させない。共に考えながらの演出はわたしにとって多くの学びとなりました。
また機会があれば受けたいです!
(30代女性)

今回のワークショップでiakuの横山さんの舞台を知りました。関西弁の会話劇という斬新さが舞台で繰り広げられているということが初めは未知でしたが、今回のワークショップを受けて様々なことを学ぶことができました。
目線、呼吸1つで色んな意味を含んでいる、体の状態、距離感などによっても見ている人には伝わるものが変わってくるという面白さも発見がありました。
ワークショップは参加した方々と円になり、行いました。皆さんのお芝居を見て皆さんと一緒に「こういう場合はこういう方法もあるのか…」など沢山の発見があり楽しく、有意義な時間を過ごすことができました。同じセリフでも人それぞれの個性も溢れていて素敵だなと実感する時間でもありました。
貴重な機会で学んだことを吸収して、これからも頑張ろうと改めて感じました。
ありがとうございました!
(10代女性)

iakuの作品が大好きで、念願叶っての参加でした。テキストに書いてあることやそこで演じるひとのようすを丁寧に紡いで立ち上げていく。心の安全が保たれている空間で臆さずチャレンジできる。それらを楽しみあえる充実した時間でした。
視線を相手に向けるかどうか、手を差し伸べて相手に近づくか止まったままかで物語の主役が変わる、細やかな動きひとつひとつに意味がありそれらを丁寧に検証していく、本当に楽しく多くを学びました。ああいった丁寧な稽古を積み重ねることであの素敵な作品たちがあるんだろうなと感じました。またWSがあればぜひ参加したいと強く思いました。
(30代女性)

アクターズホームでのWS は申し込み人数が多く、前半組と後半組に別れて実施しました。私は後半組でしたが、前半組のクラスメイトから「楽しかった!」「面白かった!」と話を聞き、とても楽しみにしていました。当日は円座で床に座り、なごやかな雰囲気でした。ひとりひとり、公平に機会を与えられ、演技や俳優自体に対して否定的なフィードバックもなく、安心して演技に没頭できる時間だったと思います。
内容は、どのように演じたら、脚本に書かれていることを表現できるかに全員で取り組みました。ある役が、「そうしようと予め決めているパターン」と、「そうしようかどうか迷っているパターン」などを試し、どのパターンが脚本を表せるかを探りました。横山さんは、俳優らが、どのようなパターンで演じようとしているかを瞬時に汲み取り、活かしていきました。一度の出会いでも、これほどそれぞれの俳優の演技を理解してくださるのだと、嬉しく思った記憶があります。
演出家の中にある正解を探るのではなく、一緒により最適な形を探っていく創造の場は、自然と全員が能動的になれる場でもありました。演出家と俳優の相互の交流の中で、シーンが立ちあがる瞬間を見た喜び、俳優が何をしようとしているのかを的確に理解し、フィードバックしてもらえる安心感を体験できたことで、今回、「演じる」ことだけではなく、「作品を作る」ことの楽しさに触れられた気がします。
また、「このように演技をすると、演出家にはこう見えるのだ」と知れたことも、大きな収穫でした。横山さんのWS に参加したことで、自身の演技の見え方について考えることができ、今後の課題(修正点)が明確になりました。
また参加したいです。
(40代女性)


俳優の演技には人間が表れるとよく言われますが、演出家の演出にも人間が表れるのだと思いました。

例えば

『その台詞を言う前に、相手を見続けたまま言うのではなく、目線を外してから言った方が言いやすいと思います。あ、これは演出家も気をつけないといけないところですね。演出をする時に、真意を伝えずについ形だけを言ってしまう事があります。そうすると俳優は意図が分からずその形をやってしまう。私も気をつけないといけないですが、形しか言わない演出家も沢山います。なので俳優も、真意を汲み取る力をつけておいた方が良いかも知れないですね。』

という様なひとコマがありました。

決して一方的ではなく、自分自身を省みつつ俳優の力になる事を言ってくださる。

クラス中ずっと全てを面白がり興味深く見られていて、俳優と共に沢山の発見を楽しんでらっしゃるその姿に、横山拓也という演出家の底知れない器を感じました。

これがiaku作品がこんなに観る人の心を打つ所以なのだと思いました。

そりゃ横山さんと一緒に作品創りがしたいと皆んな思います。

とても貴重な時間でした。
(40代女性)

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