【声劇】悩み騒談〜ミス〜(2人用)
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男女不問=2
約15分~30分
上演の際は作者名とリンクの記載をお願いします。
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悩み事を解決するには、誰かに話す事が一番の早道……かな?
でも相談する相手を間違える事もある……と思う。
そんな凄く遠回りな、面倒くさい話。
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【配役表】
カオル :男女不問。男性推奨。 とにかくノリと勢いだけで生きている。 だから友達はほぼいない。
ツバサ :男女不問。男性推奨。 悩み多き社会人。カオルの唯一(?)の友人。
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カオル:「──『スパイクとグローブ』って答えたんだ!! お前っ何を投げる気だよってな!! 腸が捩れて絡まって熱が帯びてくるだろ!!」
ツバサ:「あぁ……そうだな……」
カオル:「まぁ〜たっツバサが暗い顔してるぅ!! 暗過ぎて黒いガングロ、ヤマンバの松崎!! を通り越して『新しい進路を再検索します♪』目的地は周辺ですかぁ!!」
ツバサ:「迷子だよ」
カオル:「人生のカーナビゲーションシステム! このカオルがモヤッと解決!! 頼りになる曖昧で有耶無耶な回答に定評がある俺に任せとけ!!」
ツバサ:「頼れる要素が無いんだけど」
カオル:「ほらほらほらほらほら言ってみろ!! 言えよっ!! 言ってみろよ!! 心と心、目と目で通じ合う確かに、うん色っぽいと書いて親友!! とは読まない!! ツバサの気持ちのこもった言葉は、俺が全て全力で聞き流してやる!! 友を頼れ!!」
ツバサ:「聞き流すなよ……いや、カオルには無理か」
カオル:「諦めたらそこでアレなんだぞ!! アレをコレしてこうして木工用ボンドのカピカピになった所を組み合わせて剥がしてバラバラに分解!! そして生まれたのが──俺だ!! 税込1980円!! お問い合わせは気合いで!!
ほら話してみろ!! 人の不幸はキスの味!! 前にも言ったろ? 最後のキスはタバコのフレーバーの味がするから相談無料!!!」
ツバサ:「……まぁ、話さないよりマシか──」
カオル:「──それはそうと昨日のドラマ見た? あれマジ神アニメ中の噛みマミメ! 噛んだ!! 違うっ髪まみれ中の神まみれ!! よしっ!!
映画過ぎて意味わかんねぇから見ずに寝た!! 録画してたら音声だけくれたら良いって話は無しとして、どうした!? 早く言えよ!!」
ツバサ:「……やっぱやめとく──」
カオル:「──諦めるなよ!! パエリアかよ!! あっこれ大切な伏線な? あとでガッツリ回収するから♪
──強く生きろ!! 負けるなっ!!! ツバサには自由という名の大きな翼が生え……て……あ、あれ? 家に置いてきた? 安心しろ!! そんなものは妄想幻想綿棒ランボーうぅ〜〜──マンボっ♪ 言えよ!!!」
ツバサ:「マンボ……」
カオル:「そっちじゃねぇ〜よ!! ツバサにマンボと言わせて、俺は何が楽しいんだ? もっと『マ』に力を込めて──『ヤ』ン坊!! 天気予報!!! 僕の名前はヤン坊♪ カオルだよ!! 忘れんなっ!! 唯一の友達の名前を忘れるな!! 忘れないでくれ!! 絶対に、絶対にアッチに行っても手紙書くからなぁ〜! 絶対……絶対だぞぉぉ!!! ……俺、翌日に忘れてる自信があるわ……だから、何に悩んでんだ? 言ってみろ……」
ツバサ:「はぁ……」
カオル:「ほら……俺が黙っている今がチャンスだぞ? ほら……」
ツバサ:「……仕事の話なんだけどな? 大切なデータを消してしまったんだ」
カオル:「おう! 『それは相手が悪いな!! 相手がツバサの気持ちを全く考えてない!!』」
ツバサ:「それ、万能じゃないからな?」
カオル:「……俺も今思った。ビックリだ。今までこれ一本でやって来たのに、まさかここに来て覆されるとはなっ!! 貴様っ何者だ!! 俺の知ってツバサは、どんな奴だ!! 教えろ!! なんで捨てた!!!」
ツバサ:「勝手には捨ててねぇよ? ちゃんと確認はしたんだけど『俺は聞いてない』って」
カオル:「俺っ、そいつと気が合う気がしまっス♪ 『俺は聞いていない』分っかるぅ〜その気持ち♪ 人の話を聞かないで、常に自分のオンステージ! ずっと俺のタン!! ネギ乗ってる奴は全て全て全て俺のタン!! カルビはあげる、ロースは半分こ!! ハラミも半分──でもそれは俺のタン!!!」
ツバサ:「あぁ〜だからイラッと来るんだ……」
カオル:「良かった、悩みが解決出来て本当に良かった。俺でも人の為になれるんだ!! 見たかっ!! これが俺の実力!! しかしまだ変身を何回か残してるつもり!! だから半分も力を出しちゃいない気がする!! でも俺は思うね!!!! 思っちゃうね!!!! 思っちゃうんだよ!!!!! ……まだ事件は解決していない」
ツバサ:「うん、分かっていてくれて良かった。
まぁ『今後は気を付けろ』って事で、とりあえずは落ち着いんだけど……それでもなんか、モヤモヤしててな?」
カオル:「馬鹿かぁ〜? 馬鹿なのかぁ〜? 馬鹿なんだよなぁ〜? ……俺」
ツバサ:「知ってる」
カオル:「博識なツバサに質問だ!! いや問題だ!! いやアレだ!!! どれだ?」
ツバサ:「知らないよ」
カオル:「そぉぉぉお!!!! 知らないの!! 知る訳がねぇ〜の!!」
ツバサ:「ん?」
カオル:「『捨てて良いですかぁ〜』『良いよぉ〜』って、だぁれも知らねぇの!! 知ってんのはツバサだけ!! そしてその俺の理解者だけ!! 二人だけ!! それで答えなんたぁ〜出るわきゃ〜無ぇ!! そんなんで分かる答えなんてもんは『宇宙の真理』と『愛』と『死後の世界』くらいなもんだ!! 『昨日の晩御飯何食ったか』すら分からねぇ!! 俺はサンマの塩焼きだったけどな!!」
ツバサ:「バツ」
カオル:「ピンポンピンポンピンポンパンポ〜ン♪ 迷子のお知らせです!! スケスケのネグリジェを着た五歳の正っ解!! 答えは覚えてない。そもそも食ったのかすら曖昧だ♪ 正解者の中から抽選で話の続きをプレゼント!! 当選者は発送をもって返させて頂きます♪ お届け物でぇ〜す!!」
ツバサ:「仕事が早いのか遅いのか」
カオル:「注文が来たら即発送!! 配送ミスはお手の物!! 不信と疑念のっ……ぅん──カオル急便!!」
ツバサ:「今、リアルな業者を言いかけたよな? 飲み込んだところ、凄い真面目だと思う」
カオル:「うん……今、ちょっとマジで焦った……かなり危なかった」
ツバサ:「で……つまり?」
カオル:「焦り過ぎて、聞いた話全部吹っ飛んだ……今、上空7mくらいにいるから待って。すぐ落ちてくると思うから」
ツバサ:「分かった」
カオル:「……」
ツバサ:「……」
カオル:「……あれ?」
ツバサ:「落ちてきた?」
カオル:「いや……シータ並にゆっくり落ちてきてる。
ちょっと急がす『40秒で準備しな!! 3分だけ待ってやる!!』」
ツバサ:「優しいな──」
カオル:「──二人だけの秘密♡ 事を!! そりゃまた『物的証拠はあるんだろうな!』と煽られたら金田一君もドヤ顔出来ねぇし!! 蘭ねぇちゃんの角も『シンイチィ〜!!』って叫ぶってなもんだ!!」
ツバサ:「急いだなぁ……」
カオル:「出番なのに、来ない蘭……『来ん、らん』……『こんらん』……『混乱』!! 『蘭さぁ〜ん! 出番ッス〜!! あれれぇ〜楽屋にもいなかったのに〜どこに行っちゃったかなぁ? スタッフのみなさんっ、すいません!! 蘭さん入るまで、少し待ってくださぁ〜い!! らっ、ららっらぁぁぁぁぁん!!!』 ってのを思い付いたけど、これは誰にも言わないで墓まで持ってく!!」
ツバサ:「あぁそれが良いと思う」
カオル:「つまりはだ!! 『来ない蘭』と『混乱』をかけたダジャレであってだな!!」
ツバサ:「持ち歩くなよ。墓まで大切にしまっておいて」
カオル:「そういう場合は第三者か、文面に残して証拠を用意しておくべきなんだ!! 分かるか?」
ツバサ:「あぁ、本題に戻ったのか……うん」
カオル:「本題かどうかなんて関係無いんだ!!! 良いか!! 良く聞けっ!! 聞けっっつってんだろ!! 聞いてくれよっ!! 俺は誰の為に話してるんと思ってんだ!! 誰だよ!! 誰なんだよ!! 馬鹿か!! 馬鹿か俺は♪」
ツバサ:「馬鹿だよ、分かったから続けて──」
カオル:「──あ、今落ちてきた」
ツバサ:「まだ落ちてなかったのか!?」
カオル:「『大切』か『大切じゃないか』なんて人によって動物によって物によって酒に酔って泥酔してアル中でベロベロになって違うのよ!! それを口約束みてぇ〜ないい加減な──違うっ間違えた!! それを俺みてぇ〜ないい加減な事で確定する事が間違ってんだ!! 俺の生き方並に間違ってんだ!! 俺は間違ってるのか? マジか!? 本気か!! 本気で言ってんのか!! それだったらそれで良しっ!! それは誰よりも俺が分かってる!!」
ツバサ:「たまにそれっぽい事を言うよな……」
カオル:「誰が海鮮チャーハンだよ!!!」
ツバサ:「言ってないよ! え……もしかしてさっきの伏線回収?」
カオル:「俺の友人が言った!! 嘘っ知り合い! 知人!! 見栄張った!! 俺に友達はいない!!! 向こうは俺を友達と思いたくないって言ってたよ!! 『しんどい』ってさ!! だから知り合い!! いやぁ〜泣いたね! あの日な泣いた。昭和の映画俳優並に背中で泣いた!! 泣き過ぎでベッドが── (区切らず以下に続けて)」
ツバサ:「(台詞をかぶせて) 背中から出る水は汗だぞ」
カオル:「涙でビッショビ──えっ? 汗なんだ……アンモニアの匂いがしたけど」
ツバサ:「それはおもらしだな」
カオル:「どっちだよ!!! ちょっと黄色かったけど、どっちだよ!! 久し振りに親に『うっぜ』って言われたけどどっちだよ!!!」
ツバサ:「……ちょっと引いてる」
カオル:「……あぁ〜……こればっかしは、ちょっと言い過ぎたと思ってる。ごめん……ごめんついでに続けるけど……そいつ、野球馬鹿なんだけどな? その……馬鹿と言っても、アレだ……阿呆の方じゃなく、マヌケ的なやつでもなく……」
ツバサ:「分かるから……続けて」
カオル:「そいつに酒の力を借りて、ドキドキワクワクウキウキにウォッチングしながら! 意を決して!! 覚悟を決めて!! ふんどしを締め直しながら聞いたんだ! 丁度ふんどしがくい込んでてさ!! 気持ち悪いったらありゃしなかったから!! そればかりはごめん!! ちょっと直させて!! って」
ツバサ:「……」
カオル:「ち、違うっ! 違うぞっ!!ふんどしっていっても赤いやつな!! やっぱここ一番の時は気合い入れないとダメだろ!! あっでも今日は青!! 見る? 見っせなぁ〜い♪ 想像してんじゃねぇ〜よっこの助平!!! 『野球に最低限必要な物って何?』だから誕生日にピンクのふんどしをプレゼントしたんだよ!! すると『スパイクとグローブ』って答えたんだ!! そしたらお前と友達になれないって!! 『お前っ何を投げる気だよ』ってな!! 腸が捩れて絡まって熱が帯びてくるだろ!! 」
ツバサ:「ちょっ、ちょっとマジで訳が分からかい……色々と混ぜるなよ」
カオル:「はいここぉ!!! せぇ〜のっ!!! ……あれ? 俺何を『伏線』って言った?」
ツバサ:「パエリアだよ!!」
カオル:「はいハズレぇ!! 炊き込みご飯でしたぁぁぁ!!!! うぇぇ〜〜い外してやんのぉ〜っほっほぉ〜♪ ……あれ? なんか違う気がする……なんだ?」
ツバサ:「パエリアだって……メモっとけよ」
カオル:「……答えが、出た様だな……そう、それだ」
ツバサ:「あ? あぁ〜そういう事か……何かある事にメモを取って、それを証拠として持っておく……」
カオル:「あぁ、つまりはだ! 海鮮ピザだったんだよ!! 昨日の晩御飯!!!!」
ツバサ:「そっか……自分の話すら覚えてない奴も、いるんだよな……」