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【声劇】ぱんつ泥棒協会 2st(6人用)

利用規約:https://note.com/actors_off/n/n759c2c3b1f08
♂:♀=2:4
約90分~120分
上演の際は作者名とリンクの記載をお願いします。
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「パンツ泥棒」を生業としている影の組織の日常を描いた声劇。
兼任兼任で6人として配役をまとめております。下記の登場人物表で、兼任をご確認ください。
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【登場人物】
♂オシメ所長:ぱんつ泥棒協会、関東支部の所長。
うだつの上がらない頼りない。
♀リカ:パンツが三度の飯より大好きな女の子。口癖は「パンツ」
♀ミキ:パンツ泥棒に憧れる女の子。「ぱんつ」と言いたくない方にお勧め。
♀エリト:パンツ泥棒のエリート。パンツ泥棒会長の秘書をしている。
♀ノン:(ショタ・ロリボ推奨) パンツ泥棒協会会長をしている男の子(?)。
♂マトバ:元下着泥棒アソシエーションの人事部。 パンツ泥棒協会の本部で期待の新人。
♀スワロー:(エリトと兼任)シーフオブアンダーウエア―カンパニーのボス。
♂モブA:(ファスト・ヒガ・友達・先生・オシメと兼任)
♀モブB:(母親・エリト・スワロー兼任)
♂モブC:(警備員・サトル・マトバ兼任)
♀???:(リカと兼任)
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【パンツ泥棒協会 セカンド 一枚目】

モブC:(警備員)「第六金庫廊下前、異常なぁ〜っし! っと♪
さて、あとは金庫の中をチャチャっと確認して、部屋でトランクスをつまみに、ボクサーパンツを──ん? なんだこの布キレ……金庫まで続いて──
っ!? う、うわぁぁぁぁぁあ!!!!!!!」

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モブA:(ヒガ)「──ま、また君、俺のパンツを──」

ミキ:「あ、ははっ……どうも……」

リカ:「ミキ、逃げるよ!!」

ミキ:「うん!! リカっ、パス!!」

リカ:「パンツっキャッチ!!」

モブA:(ヒガ)「ま、待って!!! パンツを買い過ぎて、電気代払えて無いんだよぉ!!!
お願いだから──もうっ許してくれぇぇぇぇぇえ〜!!!」

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ミキ:「はぁ〜リカ、今日は大量だね!」

リカ:「うん! しばらくは、食事には困らないね♪」

ミキ:「うん、そうだね! ……え、なんで?」

リカ:「いっぱい盗んだら、リカお腹空いちゃった……ミキ、ヒガ イシヤのパンツ、一枚頂戴♪」

ミキ:「えっ? さっき逃げる時に、リカに渡したよ?」

リカ:「え……あれ? あ、ホントだ……ミキにパスしてもらって……あれ?」

ミキ:「どこに落として来たの?」

リカ:「パンツッえっ!? リカがパンツを落とす訳がないよ!!!」

ミキ:「だよ、ね……どこに行ったんだろ??」

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(協会内)

オシメ所長:「すいません、このダンボールを、そっちに持っていきますので、そこのスペースを空けてもらえますか?
よっ……とっと……」

(勢い良く扉が開く)

リカ:「おむつぅぅうう!!!!」

オシメ所長:「あぁリカ君、おかえりなさ──い"っ
(襟首を掴まれてダンボールを落とす)
っだぁたったった!!! 足にっ足に荷物が──」

リカ:「──ゴルァァおむつぅっ!!! 吐け!!!! リカのパンツを何処に隠した!!!! 吐けっ!!!!」

オシメ所長:「な、なんですか!? 何が──」

リカ:「うるさい!!! 言い訳はあの世でパンツ被った閻魔様えんまさまのパンツに言え!!!! リカのパンツの場所を吐けぇぇえ!!!!」

オシメ所長:「ちょ、ちょっと待ってください!! 私には何の事だかさっぱり──」

ミキ:「──リカっ落ち着いて!! 所長はきっと関係無いよ!!!」

オシメ所長:「あ、ミキ君──た、助けてくださぁ〜い!!!」

リカ:「吐けぇぇええ!!!!!」

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オシメ所長:「はぁ……はぁ……亡き祖母が、川の向こうで手を振っていました……」

リカ:ふぅ〜っ! ふぅ〜っ!! リカの、パンツゥ……」

ミキ:「でも、本当にどこにいったんだろう」

オシメ所長:「あぁミキ君、その事ですが──」

ノン:「所長さん、続きはノンが話します♪」

ミキ:「ふぇっ!? ノンく──会長!!?」

ノン:「はい、ノンですぅ〜♪
ミキさん、会長はやめてください♪ ノンは『ノン』ですので♪」

ミキ:「あ、そっか……ごめんなさい」

ノン:「ふふふっ、よろしくお願いしますね♪」

ミキ:「それで、『その事』っていうのは?」

ノン:「はい♪ 最近──」

リカ:「──パンツッなんだって!!!?」

ミキ:「うんっリカ、まだ何も言ってないから、落ち着いて」

ノン:「……盗んだはずのパンツが、いつの間にか消える事例が、多発しているんです」

リカ:「──パンツッなんだって!!!」

ミキ:「それって、私とリカが盗んだパン──」

リカ:「──パンツゥゥウおるぁっ!!! (殴る)」

オシメ所長:「──だっふん!? な、なんで私が殴られて──」

リカ:「返せぇぇえ!!!! リカの──リカのパンツ!!!!!」

オシメ所長:「わ、わわ、私じゃ、ありませんって! 私はずっと、本部に送るパンツを、ダンボールに詰めていたんですからぁ!!
そ、そそそれにっ、犯人のおおよその目星は付いているんですよぉぉ!!!」

ミキ:「えっ、犯人ってどういう──あ、まさか泥棒した人から泥棒する人がいるっていう事ですか!?」

ノン:「はい♪ ミキさん大正解です♪」

ミキ:「そんな……どうしてそんな事を……」

オシメ所長:「ふぅ……あぁ〜それは──」

ノン:「──ノンのせいですね♪」

ミキ:「え!?」

リカ:「パンツッえっ!?」

ノン:「前に、下着泥棒アソシエーションで、ファストさんのふんどしをノンが盗んじゃったでしょ?
それが『とある組織』にバレてしまったみたいなんです♪」

ミキ:「とある組織……」

リカ:「変な名前……」

オシメ所長:「そこのボスは、昔からノン会長に物凄く執着しゅうちゃくしているらしく……それでこのパンツ泥棒協会に『ちょっかい』をかけてきている──と、そういう訳みたいなんですよ」

リカ:「うぅぅぅうっ許せない──とある組織!!!! リカが行って、パンツを取り返してくる!!!」

ノン:「──いえ、リカさんとミキさんは今まで通り、楽しくパンツを盗んでいて下さい♪ これはノンが撒いたパンツですから♪」

オシメ所長:「そういう事ですので、パンツを盗んだ後も気を抜かず、しっかりとした管理の元、ここまで持ち帰って……あ、あれ?
ミキ君、リカ君はどこに……」

ミキ:「……自分の台詞を言い終わると同時に、出て行っちゃいました」

ノン:「あららぁ〜……ふふっ♪」

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モブB:(母親)「あらららっ! 派手に転んじゃって……何をやってるの!!
もう、立ちながら履こうとするからでしょ!! パンツはちゃんと座りながら履きなさい!!!」

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(次回予告)

エリト:「次回予告。
パンツ泥棒協会 会長秘書の『エリト ミチ』です。
セカンドに入って早々、パンツ泥棒協会に襲いかかる謎の敵。
一体何が目的でこの様な事を……
次回『許されざる重罪』。
聞かないと、あなたのパンツを頂きます」

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【パンツ泥棒協会 セカンド 二枚目】

エリト:「この住宅街でパンツを盗んでいる時に『盗んだパンツが消失した』という報告が多数寄せられております」

マトバ:「ん〜……という事は、ここから半径2キロ圏内にアジトがある可能性が、実に高いね♪」

リカ:「(走る) パンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツゥゥウウ!!!!」

マトバ:「ん?」

エリト:「あれ? あの子はオシダ先輩の部下の……
リカさ〜ん! どこへ行くのですか! リカさ〜ん!!」

リカ:「(走る) パンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツゥゥウウ!!!!」

エリト:「リカさぁ〜ん!!!
……全く聞こえていませんね……
(ため息) あっ、パンツが落ちている」

リカ:「──パンツッ!? どこに!!? 男性用!!? 女性用!!? どんな形!!!? 使用済み!!!!?」

エリト:「リカさん」

リカ:「あ、エリトさん! パンツ!! どこに落ちてるの!!!! ねぇっ!! パンツどこっ!!!!?」

エリト:「はぁ……」

マトバ:「はっはっはっはっ♪」

リカ:「ふぇ? ……あっアンタはサソリのマトモ!!」

マトバ:「やぁ、久し振りだね♪ でも残念──『元』下着泥棒アソシエーションの『マトバ』だ♪」

エリト:「お知り合いだったのですか?」

リカ:「リカにパンツをくれた嫌な奴!!!」

エリト:「えっ……パンツをくれたのに、嫌な人ですか?」

マトバ:「はっはっはっはっ♪ 言い得て妙な表現だね♪」

エリト:「それで──リカさんは、そんなに急いでどこに行くつもりだったのですか?」

リカ:「ふぇ? あっそうだ!!
『とある組織』ってのがリカのパンツを盗んだんだ!! だからそれを探して、リカのパンツを取り返す!!!」

エリト:「とある組織……なるほど、リカさんもやられましたか。
実を言うと私も──と言いますか、パンツ泥棒協会本部も、そのとある組織のアジトを探している所なんですよ」

リカ:「リカのパンツを取り戻す為に本部が──」

エリト:「──違います」

リカ:「あぅ……」

エリト:「本部に保管されておりましたパンツも、多大な被害を受けておりまして──それで、普段は会長付きである私も、その捜査に駆り出されてしまっている、という訳なんですよ」

リカ:「……ふ〜ん……?」

ミキ:「リカ〜、待ってぇ〜!」

マトバ:「おや? あの子も──」

ミキ:「はぁ……はぁ……やっと追い付いた……はぁ〜……」

エリト:「ミキさんも、お久しぶりです」

ミキ:「あっエリトさん、お久しぶりです! ……あれ?」

マトバ:「こんにちは♪」

ミキ:「えっ!? どうして下着泥棒アソシエーションのマトバさんが!?」

マトバ:「『元』下着泥棒アソシエーションだけどね♪
ファスト様が君達にふんどしを盗まれてしまって、下着泥棒アソシエーションは実質、解散してしまったんだ♪
僕も生活をしていかなくちゃいけないから、ファスト様を倒した君達のいる、パンツ泥棒協会に入会する事にしたんだよ♪」

ミキ:「はぁ」

エリト:「マトバさんは、入会パンツとして1203枚のパンツを──そして実績としても、難易度の高いターゲットの、実に質の良いパンツを毎週提出してくれています……
さすが『元下着泥棒アソシエーション』にいただけの事はあります」

マトバ:「はっはっはっはっ! 褒められるのは、照れるね♪
1200枚提出したつもりだったんだけど、数え間違えてしまっていたよ♪」

エリト:「しかし、そのパンツの半分がただの布キレにされてしまって、本当に申し訳ありません」

ミキ:「え……布キレ?」

マトバ:「エリト君、それは極秘事項じゃなかったかな♪?」

エリト:「あっ!」

ミキ:「盗まれただけじゃ、ないんですか?」

マトバ:「口を滑らしてしまったのなら仕方がない♪
エリト君、この子達にも捜査を手伝って貰ってはどうかな? 腕としても申し分無いと、僕は思うけど♪」

エリト:「はぁ……そう、ですね」

ミキ:「?」

エリト:「これは本部の中でも一部の人しか知らない事なのですが……
本部の金庫に保存していたパンツの半分が盗まれ──もう半分のパンツは縫い糸をほどかれて、ただの布キレに戻されていました」

リカ:「なっ!?」

ミキ:「うそ……」

リカ:「そんな……それって──」

エリト:「えぇ……これはパンツ泥棒の世界では、第一級犯罪『殺パンツ罪』に相当します。
それに、半分を盗み出している事から想像すると──」

マトバ:「残りはアジトに持ち帰ってから、ゆっくりと解体を楽しむ『快楽殺パンツ犯』といったところかな♪」

リカ:「ゆ、許せない……!! 誰がそんな事を!!」

エリト:「それを実行したとされている組織の名前が──」

マトバ:「『シーフ オブ アンダーウェア カンパニー』」

ミキ:「シーフ オブ……アンダーウェア……カンパニー」

リカ:「シーフード風味……アンソニーのカニパン……
くそっ! 『とある組織』だけでも許せないのに、更にそんな酷い事をする組織があるなんて……」

エリト:「……?」

ミキ:「……リカ、たぶん二つとも、同じ組織だよ?」

リカ:「え、そうなの??
ん〜? ……うんっ! 許さない!! 『とあるシーフードアンソニーのカニパン!!!』めぇ!!!」

マトバ:「はっはっはっはっ♪!!」

エリト:「(ため息) あぁ、それでリカさん?」

リカ:「んぇ?」

エリト:「急いで何処に向かっていたのですか?」

リカ:「お〜……?」

ミキ:「あぁ、たぶんですけど『下着泥棒アソシエーション』だと思います」

リカ:「そうなの?」

マトバ:「ほぉ、それはどうしてだい♪?」

ミキ:「リカの中で『悪い人』ってなると、ファストさんしか知らないですから、無意識にそこに向かっていたんじゃないかなぁ〜って」

リカ:「へぇ〜」

エリト:「なるほど……しかし今回の事件は──」

マトバ:「──それだったら、僕が案内しよう♪」

エリト:「マトバさん!?」

マトバ:「気になってしまっては、捜査に身が入らないだろうから、その辺もスッキリさせておいた方が良いんじゃないかな♪」

エリト:「ん〜、確かにそれも一理ありますね。
分かりました。よろしくお願いします」

ミキ:「お願いします!」

リカ:「え、リカは下着泥棒サソリエンジョイに向かってたの??」

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モブA:(先生)「屈伸はもっと腰を落とせ!! なんだそのナヨナヨした動きは!!
パンツの食い込みがどうした!! そんなモノ、しっかりと体操をしたらなんとかなる!!!
ほらっ!! いっちに、さんしっ!!!!」

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(次回予告)

ノン:「次回予告。
はい、ノンですぅ♪
ファストさんのふんどし、ちゃんと畳んでタンスの下から二番目にしまってますよ♪
あっまた、下着泥棒アソシエーションに会いに行くんですか?
でしたら、ファストさんによろしく伝えておいてください♪
次回『再びの訪問』♪
みんなも一緒に、パンツ、ゲットですぅ♪」

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【パンツ泥棒協会 セカンド 三枚目】

リカ:「やっぱり、この道……リカ苦手だよぉ〜……」

エリト:「確かに、パンツのお化けでも出そうな、不気味な雰囲気はありますね」

ミキ:「そのお化けって、共通認識なんだ……
でも今回は、エリトさんとマトバさんもいるから、私はちょっと平気かな」

マトバ:「足元に気を付けて、こっちだよ♪」

ミキ:「はい」

(扉を開ける)

モブA:(ファスト)「っ!?」

エリト:「……ファスト……」

ミキ:「……この人が……あのファスト?」

リカ:「ふぇ? これが?」

マトバ:「ファスト様、ご無沙汰しておりま──」

モブA:(ファスト)「──ひゃあぁぁあ!!! 我の下着は、も、もう無い!! だ、だから──ふぁぁぁあああ!!!」

エリト:「あのファストが、こんなにも怯えて……」

ミキ:「……」

マトバ:「今までパンツを盗まれた事が無かったんだろうね。
ファスト様には、あの頃のカリスマ性はもう無いよ……残念だけどね♪」

エリト:「……」

リカ:「ねぇ、ファスト……リカのパンツ、知らない?」

モブA:(ファスト)「し、しししし知らない!! わ、我は──我は、ななな何も知らないし、何も持っていない!!! 我の下着は全て……全て──」

マトバ:「リカ君──見た通り、ファスト様に今回の事件に関わる事は、不可能だよ♪」

リカ:「うぅ〜……」

マトバ:「ファスト様♪ 一人の時間をお邪魔してしまい、すみませんでした♪
また何かありましたらお邪魔しますね♪」

モブA:(ファスト)「も、もう来ないでくれ……も、もう……我の下着を……」

エリト:「ファスト……
くっ!」

マトバ:「それじゃあ、行こうか♪」

エリト:「……私は、少し残ります」

ミキ:「え? なんかあるんですか?」

エリト:「いえ、そういう訳ではないのですが……」

リカ:「所長のパンツ?」

エリト:「っ!」

ミキ:「あ……」

エリト:「昔、ファストに盗まれたオシダ先輩のパンツが、もしかしたらまだここのどこかに……」

マトバ:「ん〜……それじゃあ僕は一度、本部に戻るとするよ♪
今日は各支部からパンツが集められる日だから、新人の僕もその作業を手伝わないとだしね♪」

ミキ:「じゃあ私とリカも、一度関東支部に戻ります。ね、リカ」

リカ:「う? うん……」

マトバ:「それじゃあ、またね♪」

エリト:「オシダ先輩によろしくお伝えください」

ミキ:「はい! ありがとうございました!!
リカ、行こう」

リカ:「う? うん……」

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ミキ:「まさかあのマトバさんがウチに入って来るなんてね!
それも1200枚も提出して、ウチも大きな組織になっていくのかな?」

リカ:「うん……」

ミキ:「私達にも後輩とか出来たりして──そしたら『ミキ先輩! 盗み方を教えて下さい!!』とか?
そしたら私は後輩にこう言うんだよ!!
『泥棒とは、自分の欲望に忠実である事です。
欲望を人に教える事は可能なのか……答えは、いな!!! みずからの手で満たしていくモノです!!』って!!!」

リカ:「うん……」

ミキ:「……リカ、どうしたの?」

リカ:「うぅ〜……分かんない。分かんないけど……なんかモヤモヤする」

ミキ:「ふ〜ん……
まぁ確かに今回の事件、泥棒から盗んだり、盗んだ物を布キレに戻したり……意味が分からないよね」

リカ:「……うん。
パンツが好きだから、パンツを盗む。
パンツが好きだから、パンツを食べる。
でも、もしパンツが嫌いだったら……」

ミキ:「元々この世界には入らない」

リカ:「……そうなんだよ。パンツが好きなら、肌身離さずパンツと一緒にいたい……そう思うはずなのにどうして──う? ッパンツあっ!!!」

ミキ:「……? 今度は、どうしたの?」

リカ:「モヤモヤの理由が分かった!!
パンツが呼んでるから、ミキっ先に帰ってて!! (走り出す)」

ミキ:「ふぇ? えっ、な、なに? ちょっと、リカ!!」

リカ:「(走り去りながら) リカもすぐに戻るから!!!!」

ミキ:「リカってば!!!
(ため息) 呼ぶのとかも、あるの……?」

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オシメ所長:「(棒読み) あぁ〜っ! いたぁぁぁい、痛い痛い痛いですよぉ〜!!」

(扉が開く)

ミキ:「戻りました……」

ノン:「あっミキさん、お帰りなさい♪ どうでしたか?」

オシメ所長:「(棒読み) いったぁぁ〜い! 痛い痛いですねぇ!!」

ミキ:「うん、リカと合流して、下着泥棒アソシエーションに行って、ファストさんに会ってきたよ」

オシメ所長:「(棒読み) ダンボールを取ろうとしたら、突き指をしてしまいぃ〜、指が腫れてしまっていますよぉ〜! 痛いですよぉ!!」

ノン:「そうですかぁ♪」

ミキ:「でも……」

オシメ所長:「なぁ〜んちゃって♪
見てください、コレ! 指にはめると、腫れた様に見えるパーティグッズなんですよぉ! 驚かせてしまいましたか?」

ミキ:「ファストさん、凄く怯えていて……まともに話が出来る状態じゃ無かった」

ノン:「怯えていたんですかぁ?」

オシメ所長:「はいっ慣れました! 私は無視される事に慣れてしまいました!! もう何も感じませんよぉ!! はっはっはっはっ……はぁ……」

ミキ:「ノンくん……どうして?」

ノン:「はい?」

ミキ:「どうしてこんな事が出来るの!? 泥棒から盗んで──それも、せっかく盗んだ物を布キレに戻すなんて!!!」

ノン:「っ!?」

オシメ所長:「っ!? ミキ君、その話を何処で……」

(扉が開く)

リカ:「パッンツゥたっだいまぁ♪」

ミキ:「──エリトさんに会って、そこで聞きました」

ノン:「はぁ〜……またエリトさんが、口を滑らせちゃったんですかぁ♪ 仕方ありませんねぇ♪」

オシメ所長:「(深く息を吐く)
ミキ君……パンツ泥棒にも、色々といます。
私の様に、履けないけれども、見るだけで癒される者……
パンツを盗む事で満足感を得られる者……
パンツの全てを知りたいと、あらゆる可能性を試す者……」

ノン:「はい♪ パンツの可能性は無限です♪
目的は違っても、パンツに魅了された人達が、パンツに深く関わっていくんですよ♪」

ミキ:「……」

リカ:「なんの話♪?」

ノン:「今回の『パンツを布キレに戻す行為』は、許せない事ですけど、それがその人の『パンツとの関わり方』なんです♪」

リカ:「あぁ〜その話ね!!
リカは、その人を見つけ出して、パンツの凄さを知ってもらおうと思ってるよ♪
先週、美味しいパンツの店を見付けたから、そこに連れて行って、口からパンツがはみ出るほどパンツをご馳走してあげようと思ってる!!」

ミキ:「うわぁ……拷問……」

ノン:「ふふっ、そうですね♪
三丁目の食べ放題のお店とか、安くて美味しいですよ♪」

リカ:「あっそこ知ってる!!! パンツを一頭買いしてるから、安くて新鮮なんだよね── (扉が開く)」

モブC:(サトル)「──オシメ所長!!! た、たたたっ大変です!!!!!」

オシメ所長:「ん、どうしまし──君は誰です?」

モブC:(サトル)「あ、あぁ〜……えっと、パンツ泥棒協会 関東支部 営業課 課長の『マツダ サトル』です!!」

オシメ所長:「あぁ〜そうでしたそうでした♪ 失礼、あまりにも久しぶりに所長扱いをされてしまったので、ビックリしてしまいました!! はっはっはっ……
それで、どうしましたか?」

モブC:(サトル)「ぱ、ぱぱぱぱっ、パンツ貯蔵倉庫に──不審者が!!!」

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モブA:(友達)「えっ、誕生日プレゼント?
ありがとう!! 開けて良い?
うん!!
あっ……ブリーフ……
あぁ、ありが、とう……
いや、そのっ!! 嬉しいよ!! 嬉しいけど……俺、今はトランクス派、なんだよね……」

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(次回予告)

リカ:「一応主役の『ハヤカワ リカ』です。
はぁ〜、まさか一番大切なパンツを家に忘れるなんて、一生の不覚!! どおりで調子が悪かったはずだよ……取りに帰ったら玄関に置いてあった♪ そのパンツってのがね!! ──ふぇ? 次回予告?
えっと……あ、ここを読んだら良いの?
えっと……次回『黒幕』?
これで良いの?」

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【パンツ泥棒協会 セカンド 四枚目】

オシメ所長:「こ、こここ、ここに、ふ、ふふふ不審者が、い、いいいいるのですか?」

モブC:(サトル)「は、はい!! こ、ここここの奥に!!」

オシメ所長:「リ、リカ君、確かめて来て下さい」

リカ:「パンツえっ!? や、やだよ……リカも恐いし……」

オシメ所長:「じゃ、じゃあミキ君、お、おおお願いし、しします」

ミキ:「わ、私も嫌ですよ!
しょ、所長なんだから、所長が見て来てくださいよ……」

ノン:「──この感じ……ふふっ♪
お久しぶりですね♪ フブキ スワローさん♪」

ミキ:「え?」

リカ:「パンツ?」

オシメ所長:「へ?」

スワロー:「待っていたわ……ノン」

オシメ所長:「はぁ〜なんだぁ、ノン会長のお知り合いの方でしたかぁ。
恥ずかしながら、少しオムツを湿らせてしまいました」

スワロー:「知り合い? そんな薄い言葉でくくらないで下さいますか?
わたくしとノンは、アンダーウェアで深く繋がった仲なのですから」

ミキ:「えっと、それって、つまりどういう事?」

オシメ所長:「ノン会長の、恋人さんですか?」

ノン:「うふふっ♪ そんな大袈裟なもんじゃありませんよ♪
若い頃、一緒にパンツ泥棒をしていた相棒ってだけですぅ♪」

スワロー:「まだ私達わたくしたちが駆け出しのアンダーウェア泥棒だった頃……
雪の吹きすさぶ寒い夜は、一枚しかないボロボロのアンダーウェアを片方ずつ二人で履き、食べる物が無い日は、一枚のアンダーウェアを水で浸し、ふやかして分け合った……」

リカ:「あぁ〜……アレは味が薄くて、食べた気にならないよねぇ」

ノン:「そんな時期もありましたね♪」

スワロー:「それでもわたくしは幸せだった……
それなのに──それなのにどうして、わたくしの前からいなくなったのです!!!
わたくしは……わたくしはあの日からあなたを、ずっと探しておりました!!!
ずっと、ずっと! ずっとです!!!
そしてようやく……見付けた」

リカ:「お塩で食べるパンツって、高級感出るよね」

スワロー:「オリーブオイルもオススメですわ!!」

リカ:「っ!?」

ミキ:「下着泥棒アソシエーション、ファストの事があったら……」

ノン:「……」

オシメ所長:「あぁ〜……あのぉ、こんな所で立ち話もなんですから、どこか落ち着ける部屋で──」

スワロー:「──ファストのアンダーウェアを盗む……そんな芸当が出来るかたは、そう多くはおりません。
わたくしは優秀な部下を使い、あらゆる方面からファストのアンダーウェアを盗み出した者を調べさせました。
……まさかパンツ泥棒協会の会長をなさっていたなんて……」

リカ:「ノン君、どんどん謎じゃなくなってるね」

オシメ所長:「私もオムツを替えたいので、出来れば場所の移動を──」

ノン:「──それでスワローさん、今日は何の御用ですかぁ♪?」

オシメ所長:「おっふ……」

ミキ:「ノン君……」

スワロー:「パンツ泥棒協会が保管しているアンダーウェアを──全てわたくしにお渡しなさい」

リカ:「なっ!?」

ミキ:「えっ!?」

ノン:「……」

オシメ所長:「スワローさん、それはあまりにも横暴というモノではありませんか? いくらノン会長のお知り合いと言えども、それは──」

スワロー:「──断れば……我が社『シーフ オブ アンダーウェア カンパニー』のエージェント達が総力を持って、あなた達のアンダーウェアを奪い取りに参ります」

オシメ所長:「っ!?」

リカ:「シーフード風味アンソニーのカニパン!?」

ミキ:「シーフ オブ アンダーウェア カンパニーって言ったら──」

オシメ所長:「そういう事でしたら、話は分かりました……
リカ君、ミキ君……私の後ろに隠れていなさい。
今回は、最初から本気でいかせて頂きます」

スワロー:「あら、わたくしのアンダーウェアを盗もうと仰るのですか?」

オシメ所長:「ファストの時は見せ場を取られてしまい、活躍の場が全くありませんでしたからね」

スワロー:「ふふふ……良い目です……ではまずあなたのアンダーウェアから──」

ミキ:「──どうして……」

スワロー:「……? なんですか」

ミキ:「どうして私達が盗んだモノを盗んでいくんですか?」

オシメ所長:「ミキ君、下がっていなさい──」

ミキ:「──ノン君が『泥棒には色々な人がいる』って言っていた……それは分かる。
私は……私はずっと普通だった。
好きな物とか、趣味とか特技とか……そんな、人に自慢できる事は、何も無かった。
周りの目をずっと伺って、何の事も無い普通の毎日を過ごして来た」

オシメ所長:「ミキ君!」

ミキ:「ある日、私のお気に入りの下着が盗まれた……ママに初めて買って貰った、ウサちゃんが描かれた下着……
盗まれた事が悔しい……恥ずかしい……悲しい……
ううん、違った。私に押し寄せて来た感情は……嬉しいだったんです」

リカ:「う……?」

オシメ所長:「ミキ君、これから私の見せ場なんですよ!」

ミキ:「何も無い……自信も、夢も、目標も無いこんな私にも、盗まれる様な物があるんだって──私は、何も持っていない訳じゃなかったんだって、あの日に知ったんです!!」

オシメ所長:「──あなたも私から見せ場を奪う気ですか!!」

ミキ:「──昔の私みたいな人たちに、私は希望を与えたい!!
『何も無い』『何も持っていない』なんて事は無いんだって!! 誰だって、胸を張れる物をひとつは持っているんだって!!!
だから私はこの世界に入ったの!!!」

オシメ所長:「──だからなんだと言うのですか!!! これから私の熱いバトルシーンがあるんです!!! 大人しく下がっていなさい!!!」

ミキ:「嫌です!!!」

オシメ所長:「きっさまぁぁぁぁああ!!!! でしたら、まずはあなたのパンツから!!! ──」

(ノン&リカ同時に)

ノン:「──うるさいですぅ♪ (殴る)」

リカ:「──うるさい!! (殴る)」

オシメ所長:「──ぶおっふん!!!?」

ミキ:「いくらノン君を恨んでいるからと言って、布キレに戻しちゃうなんて、絶対に間違ってる!!!
それぞれの泥棒の形があるんだろうけど、そんなの、絶対に泥棒じゃない!! そんなの、絶対に許される訳が──」

リカ:「──ミキ、違うよ……」

ミキ:「リカ!? 何が違うって言うの!!!」

リカ:「この人は、パンツにそんな酷い事はしないよ」

ミキ:「っ!? なんで、リカにそんな事が分かるの! だってこの人は──」

リカ:「──パンツ鍋……」

ミキ:「……?」

スワロー:「……豆乳」

リカ:「……ね♪?」

ミキ:「ふぇ……?
…………う、ん……え?」

ノン:「ふふふっ♪
ミキさん、リカさんの言う通り、スワローさんはそんな子じゃありませんよ♪」

ミキ:「ノン君……」

リカ:「うん。リカが『パンツに塩』の話をした時、大体の人は『それだったら岩塩が良い』って勧めて来るんだ」

ミキ:「そうなの?」

リカ:「でもこの人は『オリーブオイル』っていう、パンツに傷を付けない、パンツに優しい料理を勧めてきた。
そんな人が、パンツを布キレに戻すなんて酷い事、する訳がないよ」

ノン:「スワローさんは、パンツを誰よりも愛し、そしてうやまっています♪
ただ、その気持ちが大きすぎるだけなんです♪」

スワロー:「……」

ノン:「昔一緒に行動していた時、スワローさんはノンが盗んできたパンツ一枚一枚に、丁寧にアイロンをかけては、ぜぇ〜んぶ額縁に入れて、大切に飾っていました♪」

スワロー:「……あなたが盗んでくるアンダーウェアは、とても美しかった。
そんな美しいアンダーウェアがシワになってはいけない、汚れが付くなんて以ての外もってのほかです!
ですからわたくしは──」

ノン:「──そこがノンとスワローさんの価値観の違いなんです♪」

スワロー:「っ……どういう、事ですの?」

リカ:「パンツって汚れる物だし、汚す物なんだよね」

スワロー:「……は?」

リカ:「リカも眺める用のパンツとか持ってるけど、眺めるだけじゃパンツが泣いちゃうんだよね」

ミキ:「悲しむの?」

リカ:「履いてこそのパンツだし、普段履いているパンツを盗むからこそのパンツ泥棒……
綺麗ってだけのパンツが欲しいなら、それこそドン・キホーテで買ったら良い」

ミキ:「っ……」

ノン:「そうですね♪
ノンも、盗んだパンツには今までと同じ生活をして欲しいと思って、タンスの下から二段目にしまってあります♪
タンスがいっぱいになったら収納ケース♪
出来るだけ元の持ち主さんがしまっていた環境と同じ状態で、ノンも扱ってあげたいんです♪」

リカ:「たまに履いてあげたりね♪」

ノン:「ふふふっ♪ そうですね♪」

スワロー:「そんな……わたくしはただ……美しいアンダーウェアを、美しいままで──」

オシメ所長:「それもまた、ひとつの愛の形です。間違いではありません。
いっててて……どうして私は倒れていたんでしょうか?」

リカ:「チッ、まだ生きてた……」

ミキ:「でもノン君、それが分かっているのに、どうしてシーフ オブ アンダーウェア カンパニーを探していたの?」

オシメ所長:「それは、きっと『盗んだ方の犯人がシーフ オブ アンダーウェア カンパニーだから』といったところではないでしょうか」

ノン:「はい♪ スワローさんはノン達のパンツを守ろうとしてくれたんですよ♪」

ミキ:「そうなんですか!?」

スワロー:「っ……ど、どうしてわたくしがその様な事を!!
わ、わたくしはあなたを恨んでいて、だから困らせて差し上げようと、あなた方のアンダーウェアを盗みに来ただけであって──」

ノン:「──ありがとうございます♪」

スワロー:「っ!? おほぉ〜ん♡
(小声) はぁ〜ん……ノン様……」

(以下、スワローの台詞を無視して続ける)

リカ:「だったら、なんで半分だけ盗んだのさ。全部盗んでいたら、もう半分が布キレになる事は無かったのに」

スワロー:「(小声) ノン様に……ありがとうございます♪って……うぉっはぁ〜ん♡」

ミキ:「そうだね……」

オシメ所長:「──もう一人の犯人と、鉢合わせになった……」

スワロー:「(小声) 生きてて良かったぁ〜ん♡」

ミキ:「っ!?」

リカ:「あぁ〜……なるほど。
って事は」

ノン:「スワローさん♪」

スワロー:「ひゃい!? あ…… (咳払い)
なんですか?」

ノン:「犯人の特徴を、教えてください♪」

スワロー:「……あなたほどのアンダーウェア泥棒です。この業界で暗躍あんやくするスパイの噂くらいは、知っているんじゃありませんか?」

リカ:「スパイ……っ! イナダの事か!!!」

スワロー:「……誰です?」

ミキ:「うん、違うと思った」

リカ:「うぅ〜……」

ノン:「ノンが知っている範囲だと『そのスパイは、下着泥棒アソシエーションに潜入しているらしい』ってところまでです♪」

スワロー:「その下着泥棒アソシエーションは、今はもう機能しておりません……」

オシメ所長:「つまりは、もうそこには居ないと……
スワローさんは、どこまで掴んでいるのですか? そろそろ教えてくれませんと……私、御手洗に行きたく──」

スワロー:「……どこにいるかは、わたくしも分かっておりません」

リカ:「はぁ〜!? つっっかえねぇ〜!!! もったいぶるだけもったいぶって!! 分からないとか!!!」

スワロー:「──しかし、今使っている名前は──」

リカ:「──名前なんて、変えたらいくらでも変えられるってぇ〜の!!! 『しかし』って、そんな重大発表みたいな言い方されたら、パンツでお茶が沸いちゃうって!!」

ミキ:「リカ、口が悪いよ」

スワロー:「『マトバ』」

リカ・ミキ:「っ!?」

オシメ所長:「マトバですか……爽やかそうで、実に羨ましい名前ですねぇ」

ミキ:「リカ……マトバって……」

リカ:「う、うん……
凄く普通の名前だね……もっとひねった名前の方がインパクトがあると思うんだけど……
あ、でもやっぱスパイだから普通の名前にして、出来るだけ目立たない様にしてるのかな?」

ミキ:「違う違うっそうじゃなくて!!」

リカ:「う?」

オシメ所長:「ミキ君、何か知っているのですか?」

リカ:「パンツッえっ!? ミキ、何か知ってるの!?」

ミキ:「なんでリカが知らないの!?」

リカ:「うぇ?」

ノン:「ミキさん、どういう事ですか♪?」

**********************************************

オシメ所長:「なんとまた……エリト君からの最初のミッションで手に入れたパンツが、まさかそのマトバから貰ったパンツだったとは……」

リカ:「リカも思い出したよ。凄く嫌なヤツ」

ミキ:「逆に、良く忘れられたよね」

ノン:「それで、マトバさんは今どこにいるか分かりますか♪?」

ミキ:「えっと……下着泥棒アソシエーションで別れてから──そう! 本部に戻るって言ってた!!」

リカ:「──そっか!! 今日は、各支部で盗み集めたパンツが、一斉に本部に集められる日!!」

ミキ:「マトバさんはそれを狙って……」

(オシメ所長とリカ同時に)

オシメ所長:「──はっ!? エリト君が危ない!!!」

リカ:「──パンツっはっ!? パンツが危ない!!!」

ノン:「すぐに向かいましょう♪」

(オシメ所長・リカ・ミキ同時に)

オシメ所長:「えぇ!!」

リカ:「パァンツ!!!」

ミキ:「うん!!!」

**********************************************
(次回予告)

モブA:(ファスト)「じ、次回予告!
し、下着泥棒あ、ああアソシエーション、だ、だだ代表のファ、ファストだ……
あ、ああアイツは、ば、ばば化け物だ……表情を変えずに、お、おお俺様の下着を──うっうわぁぁぁぁ!!!! 思い出させないでくれ!!
じ、じじ次回『失ったパンツ』
た、たたた、頼むから……もう、許してくれ……」

**********************************************
【パンツ泥棒協会 セカンド 五枚目】

エリト:「ぐっ……マトバさん……どうして、この様な事を……」

マトバ:「エリト君、君がそれを知る必要は無いよ♪
どうせ君も──そして、世界中の人達全てが、これからパンツを履く事が出来なくなるんだから♪
さぁっ、パンツの終わりを始めよう♪」

エリト:「くっ……」

オシメ所長:「待ちなさい!!」

エリト:「っ!? オシダ先輩!!」

オシメ所長:「マトバ! エリト君から離れて下さい!!」

マトバ:「……」

ノン:「リカさん、エリトさんをお願いします♪」

リカ:「エリトさんのパンツを? 本体を?」

ノン:「両方です♪」

マトバ:「みなさんお揃いで、どうしたんだい♪?」

ミキ:「マトバさん……どうしてですか?」

マトバ:「関東支部からは、まだパンツが届いていなかったと思うんだけど、それを運んで来てくれたのかな──」

ミキ:「──マトバさん!!」

マトバ:「……ははっ、残念♪ バレちゃったみたいだね♪?」

スワロー:「もうあなたに、逃げ道はありません」

マトバ:「おや、スワロー君も一緒だったのかい♪?
なるほど……これは予定外だ♪」

スワロー:「舐めた事をして下さいましたわね……
この『シーフ オブ アンダーウェア カンパニー』のフブキ スワローに全ての罪を履かせて、ノン様と戦わせようとした……
けっして許せる事ではありません」

マトバ:「ノン、様?
あぁ〜、既に知り合いだったのか♪! はっはっはっはっ♪
そっか♪ 本当に僕は、昔から詰めが甘い所があるんだ♪ 駄目だね♪
それで? あの夜の続きをやるかい♪? 君に勝算があるのなら、僕は喜んで相手をするよ♪」

スワロー:「くっ……」

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(回想)

スワロー:「ここがパンツ泥棒協会……ノン様の今のお城……
ここにノン様のア、アアアンダー、ウ、ウウ、ウェアが……ハァハァ──はっ!!
お、落ち着くのですわたくし!! 長年探し続けたノン様のアンダーウェアがここにあるのです!! 失敗は許されないのですから!!

それにしましても、ノン様のお城にしては、セキュリティがピンクフリルのアンダーウェア並に甘過ぎる様な……いえ、これはセキュリティが解除されている……なぜ?
っ!? 誰か……いる」

マトバ:「(テキトーに鼻歌)
ん♪? このパンツは裁縫がしっかりしてるね♪ でも、ここの糸を切れば──ほら、この通りだ♪」

スワロー:「っ!?」

マトバ:「おや、誰かいるのかい♪?」

スワロー:「……この床に散らばる布キレ……あなた、ここで何をなさっているのですか?」

マトバ:「ははっ♪ こんな夜更けに気配を殺して忍び込む──君にも言える台詞だね♪
まぁこの状況だ、答えは簡単だね♪
君はパンツを盗みに来て、僕はパンツを布キレに戻しに来た♪」

スワロー:「っ!? なぜその様な──」

リカ:「──なんでそんな事を!!!」

ミキ:「(小声) リ、リカっ、回想シーンに入っちゃダメだよ!」

リカ:「ふぇ? 今、回想中なの?」

ミキ:「うん、だから静かに──」

リカ:「──あっノン君、エリトさんを医務室に連れてって、とりあえず新しいパンツを履かせといたよ」

ノン:「ありがとうございます♪」

リカ:「邪魔してゴメン、続けて♪」

スワロー:「……わたくしは、被害を免れたアンダーウェアをかばいながら、夜が明けるまでこの男と戦いました」

マトバ:「『戦った』なんて大袈裟な♪ 君は防戦一方だったじゃないか♪
しかし、さすがにタイムオーバー。
一晩かけて終わらすつもりだった作業を邪魔されてしまって、僕の計画は一旦保留になってしまった♪」

オシメ所長:「また来るかもしれない……
だからスワローさんは、被害を免れたもう半分のパンツを盗みだし……さらにこのパンツ泥棒協会に集められる予定のパンツを、実行部から盗んで──守ってくれていた訳ですね」

リカ:「回想は?」

マトバ:「あぁ、終わったよ♪」

リカ:「ミキ、終わったって」

ミキ:「……どうしてあの時、私達に一枚くれたんですか?」

マトバ:「あの時……?
あぁ、ヒガ イシヤ君に追われていた時かな♪
君達とは、また何処かで会う気がしたんだ♪ 『運命』みたいな物かな♪
どうせその時に、君達からまたパンツを盗み返し、そして布キレに戻すんだ♪ 一枚くらい僕の計画には何の支障も無いよ♪」

リカ:「ファストをあんな感じにしたのもアンタ?」

マトバ:「(ため息) ファストは、とんだ見込み違いだったよ♪
彼の下着に対する執着心は、素晴らしい物だった。
彼ならこの世界、全ての下着を集めてくれるんじゃないかと思っていたんだけど……」

ミキ:「世界、全ての……?」

マトバ:「あぁ♪ そうなれば作業は一気にはかどるからね♪
僕は『ファストだけ』からパンツを盗み出し、布キレに戻していくだけで済む♪」

ミキ:「どうして──どうしてそんなに恨んでいるんですか!!!?」

マトバ:「どうして? どうして……
簡単だ♪ パンツは──悪い物だからだよ♪」

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マトバ:「ママ、僕のブリーフが無い様だけれど……どこ行ったんだい♪?」

モブB:(母親)「え? あらあらあらあら!! アナタのパンツ、全部洗濯しちゃって、今乾かしている最中だわ♪ ごめんなさい♪」

マトバ:「そ、そんな!? じゃあ僕は今日、何を履いて学校に行ったら良いんだい♪!!」

モブB:(母親)「ん〜……あっこれ──まだ湿ってるけど、これを履いたら良いわ♪
夏だから外に出たらすぐ乾くわよ♪」

マトバ:「そ、そんな……」

モブB:(母親)「ほら足を上げて、左足から──よいっしょっと♪」

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マトバ:「パンツの上に履いていたのは、ベージュの綿パンだった……
濡れたブリーフのまま、それを履いたら、どうなったと思う♪?
ベージュの綿パンに、クッキリとブリーフのシルエットが浮かび上がったんだ♪
はははっ!! その日は、それからが地獄だった♪
学校中から『パンツマン』と不名誉なあだ名を付けられ、馬鹿にされたんだ♪!
許せなかったね♪ ズボンにまで侵食してくる図々しさが……座っても不快感を与えてくる布感が──僕は許せなかったんだ♪!!!
だから、そんな気持ちにさせるパンツを──僕はこの世界から、消滅させようと誓ったんだよ♪!!」

リカ:「湿った、パンツ…… (ジュルリ)」

ミキ:「そんな理由で……」

オシメ所長:「あなたの気持ちは良く分かります……湿ったオムツは、とても気持ちが悪い……だから私は、色々なメーカーのオムツを試し、その中で一番吸収率の高い──」

マトバ:「──オムツと一緒に──」

リカ:「──オムツと一緒にするな!! 黙れ!!! 下がれ!!!!」

オシメ所長:「えぇ〜……」

ミキ:「人の台詞はとっちゃダメだよ……リカ、下がろ?」

リカ:「何がオムツだ、クソがっ!!!」

マトバ:「……だから僕は『下着泥棒アソシエーション』が潰れた後、他にパンツの集まる場所──君達のいる『パンツ泥棒協会』に近付いたんだ♪」

ノン:「まさかそこで『シーフ オブ アンダーウェア カンパニー』が動き出すとは、誰も分からなかった事ですからね♪」

スワロー:「……」

マトバ:「そうだね♪ 予定外の想定外だったけど──幸か不幸か、ここでスワロー君と鉢合わせした♪
そしてスワロー君と、パンツ泥棒協会をぶつける計画を立てた訳だ♪」

スワロー:「っ!!」

マトバ:「長話もなんだから、そろそろ終わらせないかい♪?
僕にはまだ作業が残っているんだ♪ ご覧の通り、ここにはパンツがいっぱいあるからね♪」

スワロー:「ええ、そうですわね……あの夜の決着──付けて差し上げます──」

ノン:「──いえ、スワローさんは下がっていてください♪」

スワロー:「はい? どうしてわたくしが──」

ノン:「──ここは『パンツ泥棒協会』……ノンのお城です♪
それに、大切なお客様であるスワローさんを、傷付けさせる訳にはいきませんからね♪」

スワロー:「っとぉ、とぉわいせちゅっにゃぁぁあた、大切なぁ♡♡♡♡
あぁ〜っはぁぁぁ……たいせちゅ♡ ノン様に、た、たいしぇちゅにゃって言わりぇ……おっほぉぉぉお♡♡」

マトバ:「そんな戦力をいてしまって良いのかい♪? 僕は──」

オシメ所長:「──パンツを履いていないのでしょう」

ミキ:「えっ……そうなんですか?」

ノン:「そこまでパンツを憎んでいるんです♪ 簡単に想像は付きますよ♪」

リカ:「もったいない……」

マトバ:「それを分かっていながら、僕に勝つ算段が立っているとは、到底思えないんだけれど♪」

リカ:「そんなの簡単じゃん♪」

ミキ:「えっリカ、何か方法があるの?」

リカ:「パンツを履いていないなら、履かせれば良い♪」

マトバ:「はっはっはっはっ♪!!!
下着泥棒アソシエーションのナチ君の時と同じ戦い方だね♪
でも残念だ♪
僕はナチ君とは違って、履く事を諦めた訳じゃない。憎んでいるんだよ♪
パンツを履かせた所で、それを布キレに返すだけ♪ 君達から盗む手間が省けるだけだね♪」

リカ:「そんなの、やってみないと分からない!! パンツゥゥうぉぉぉぉ!!!!」

スワロー:「っ!! お、お待ちなさい!!」

ミキ:「リカ!!!」

リカ:「パンッツ!!!!」

マトバ:「……」

ミキ:「履か、せた……?」

マトバ:「本当に……あの時に君を無理矢理にでも、スカウトしていれば良かった♪」

ミキ:「……?」

オシメ所長:「あ……あぁ……」

スワロー:「っ……」

マトバ:「そうしたら、ゆっくりとパンツへの憎しみを植え込み……こんな所で終わる事は無かったと言うのに──本当に、残念だ♪」

リカ:「リ……リリリリガの……バ、バン……ヅ……っ (倒れる)」

ミキ:「う、うそ……リカが?
リカが……盗まれるなんて……あ、あぁ……リカ……リカァァァァァァアア!!!!!!」

オシメ所長:「ゆ、許せません……わ、私の部下の、パンツを……ゆ、許せ、ません、んんんん……」

マトバ:「ん? 空気が、変わった♪?」

オシメ所長:「私は、マトバ……あなたを──部下を守れなかった自分自身を……」

ミキ:「所、長……? これは、ファストの時と同じ──」

スワロー:「な、なんというパンツォ〜ラ……これはまさか──」

マトバ:「はは♪ これが伝説の『ゴッド オブ パンツィスト』♪」

ノン:「いいえ、違いますよ♪
怒りだけじゃない、自分への絶望と、守りたい人がいる時に覚醒すると言われている……『ゴッド オブ パンツィスト』を超えた『ゴッド オブ パンツィスト』」

オシメ所長:「あなただけは──貴様だけはぁぁ! 決っっして許さねぇっ!!!!」

ノン:「『アルティメットパンツィスト』ですぅ♪」

オシメ所長:「ぬぅうぉぉぉぉぉぉおおお!!!!!!!」

マトバ:「ははっ♪ 物凄いパンツォ〜ラだ♪ 常人なら、自分のパンツを差し出してしまうくらいの迫力♪
でも、どれだけ力を見せつけようと、それは『盗む事』に特化した力だね♪
盗むパンツを履いていない僕との相性は最悪だ♪」

ノン:「所長さん一人だけが、あなたの相手じゃありませんよ♪」

マトバ:「なっ!? いつの間に──」

ミキ:「ノン君!?」

ノン:「ん〜っぱ♪」

マトバ:「くっ!?」

ミキ:「今の一瞬で、マトバさんに──履かせた!?」

スワロー:「速い……私(わたくし)と一緒にいたあの頃よりも!!」

オシメ所長:「そして、布キレになる前に──俺が盗む!!」

マトバ:「くぁっ!? 僕のスピードが間に合わない!?」

オシメ所長:「ノン会長、この調子で頼むゼ☆今の俺のスピードに付いて来れるのは、アンタしかいないからな☆」

ノン:「はいっ、任せてください♪」

ミキ:「く、空気だけじゃなくて、キャラまで変わった!? これが──」

マトバ:「『アルティメットパンツィスト』の力!?」

ノン:「所長さん、いっきますよぉ〜♪ パンツパンツパンツパンツパンツパンツ♪!!」

オシメ所長:「おむつおむつおむつおむつおむつおむつおむつ!!!!!
『インフィニティッド──パンツスティィィイル!!!!』」

マトバ:「ぐあぁぁぁぁあ!!!! 履かされては盗まれる♪!!! フィット感と開放感が荒波のように、引いては押し寄せてくるぅぅう!!!」

ノン:「パンツパンツパンツパンツパンツ♪」

オシメ所長:「おむつおむつおむつおむつおむつおむつ!!!!」

スワロー:「す、凄い……わたくしでは、ついて行くなど到底不可能な……スピード」

ミキ:「私はいったい……何を見せられているの……」

マトバ:「あっあぐぁぁぁぁあ!!!! ──はっはっはっはっ!!!」

ミキ:「えっ!? わ、笑っている?」

スワロー:「っ!? い、いけません!!!」

ノン:「パンツパンツパンツパンツ!!!」

オシメ所長:「おむつおむつおむつおむつ──づ……うっ……おむつ、おむつお、むつっ、おむ──つ、がっふぁっ!!!! (吐血)」

ノン:「──っ!? 所長さん!?」

スワロー:「っ……」

ミキ:「所長!!!」

マトバ:「はっはっはっ♪!!!!
アルティメットパンツィストみたいな、膨大なパンツォーラを垂れ流しながら、そんな大技を繰り出し続けているんだ。すぐにスタミナが切れるに決まっている♪
そんな事も分からなかったのかい♪?」

オシメ所長:「ぐっ……ま、まだやれるっ!!
ノン会長……お、俺に、つ、続け──」

ノン:「……もう、無理ですよ……」

オシメ所長:「俺の心配をしている場合じゃねぇだろ!!! コイツを倒さねぇと、この世界からパンツが──」

ノン:「──もう、パンツを全部履かせてしまいました♪」

オシメ所長:「なっ!?」

マトバ:「パンツを履くなら、一枚で十分……僕は今、何十枚のパンツを履いているんだろうね♪?」

スワロー:「パンツォーラ切れで急速にスピードが落ち……パンツを履かせるノン様のスピードに追い付けなくなってしまった……」

オシメ所長:「そ、んな……馬鹿な!? 俺の盗むスピードが── (変身が解ける) 落ちていたんですか……」

ノン:「この技は、履かせる者と盗む者が、同じスピードで動かないと、意味が無いんですよ」

マトバ:「オシメ君──もう君には、ノン会長のスピードについていける力は──無いっ♪!! (履いてるパンツが一気に布キレ)
残念だけどね♪!!!」

ミキ:「あっ……そんな……そんな!! 所長とノン君ですら勝てないなんて……」

オシメ所長:「くっ……くそ……」

ノン:「……」

マトバ:「終わりだね♪
僕はこの世界のパンツを全て布キレに戻し、消滅させる♪
まずは、君達のパンツから、処分させてもら、う……ぐはっ!!!?」

ミキ:「……?」

スワロー:「そんな……あなたは……」

マトバ:「あ……ぐ……あぁ……ぐぁぁあぐ……」

オシメ所長:「なんと……」

ノン:「ふふっ、待ってましたよ♪」

マトバ:「あ、ぐぅあ……ど、どうして──君のパンツは、すでに布キレに戻した、はず……」

**********************************************
(次回予告)

スワロー:「次回予告。
シーフ オブ アンダーウェア カンパニーのボス『フブキ スワロー』です。
これがノン様の部下の戦い……わたくしの実力を遥かに凌駕りょうがしている──っ!? あなた、なぜ立っていられるのですか!?
次回『思い出……そして決着』
思い出……わたくしの忘れられない思い出は……ノ、ノ、ノンシャマとのぉ〜♡ ムフッ、ムフフン♡ ノンシャマァァァ〜ン♡♡」

**********************************************
【パンツ泥棒協会 セカンド 六枚目】

マトバ:「あ、ぐぅあ……ど、どうして──君のパンツは、すでに布キレに戻した、はず……」

ミキ:「嘘……なんで?」

リカ:「う( ᐕ)?」

ノン:「確かに普通の人ならば、パンツは一枚しか履いていません♪
でも──」

リカ:「ふぇ? え、パンツって普通『見せる用三枚』と『触る用五枚』『予備に三枚』『保存用五枚』と『鑑賞用六枚』と『食用八枚』と『手土産包む用──」

ミキ:「──リカァァ!!!! (抱きつく)」

リカ:「──パンツゥうわっぷ!?」

ミキ:「本当にやられちゃったかと思ったよぉ!!! 生きてて良かったぁ!!!」

スワロー:「なんていうアンダーウェア愛を持った子……」

オシメ所長:「リカ君……本当に無事で良かった。私も君がやられてしま──」

マトバ:「──本当に面白い子だ♪
まさか、そんなに何枚もパンツを履いている人がいるなんて思わなかったよ♪」

オシメ所長:「まだ、私の台詞の途中──」

マトバ:「──だからと言って、状況は何も変わらないよ♪ (パンツを布キレに戻す)」

リカ:「あっリカの大切なパンツ!!?」

オシメ所長:「いや、ですから私の台詞が──」

ノン:「──いえ、勝機は見えましたね♪」

マトバ:「……強がりはやめようよ♪
『こんなパンツ』を何枚履こうが、僕は変わらない♪」

リカ:「こん……な?? こんな???
い、今っ!! リカのコレクションを『こんなパンツ』って言った!!!?」

オシメ所長:「はぁ……もう、いいです……」

マトバ:「あぁ♪ 『こんなパンツ』がこの世界にあるから、人は人に縛られ、自由を失う♪
『こんなパンツ』があるから、人は人を傷付け合う♪
『こんなパンツ』があるから、盗み盗まれ、恨み恨まれ、裏切り裏切られるんだよ♪」

リカ:「リカのパンツは──リカのパンツは!! 『こんな』じゃない!!!!!」

マトバ:「はっはっはっ♪
だったらどうするんだい♪?
君の自慢のパンツが『こんな』じゃないと、どうやって僕に証明してくれるのかな♪?」

リカ:「アンタに、リカのコレクションを──履かせる!!!!」

マトバ:「じゃあそのパンツ、一枚残らず布キレに戻してあげるよ♪!!!」

ノン:「ミキさん♪」

ミキ:「は、はい!?」

ノン:「リカさんがマトバさんに履かせたパンツを、盗んで来てください♪」

ミキ:「えっ!? ど、どうして私が!? それはノン君が──」

ノン:「ふふっ、実は──」

ミキ:「っ!? 指が、腫れて……」

ノン:「はい♪ 今のノンにはリカさんの速さに付いていく事は出来ません♪」

ミキ:「む、無理です!! だったらスワローさんに──」

ノン:「それも無理です♪ スワローさんの腕は、ノンが一番知っています♪」

スワロー:「ええ……残念ですが、さっきのノン様と所長さんの速さ、目で追うのがやっとでした……」

ミキ:「そんな……私もリカの速さに付いて行くなんて──」

オシメ所長:「でしたら私が──」

ノン:「──ミキさんしか出来ないんです♪」

オシメ所長:「おっふ……」

ミキ:「そんな……だって……」

ノン:「リカさんとずっと一緒に行動して、リカさんのクセ、パターン……良いところも悪いところも、全部分かっているのは、ミキさん──あなただけなんです♪」

ミキ:「……私は……」

ノン:「ミキさん、あなたなら大丈夫です♪ パンツ泥棒協会会長の、ノンが保証します♪」

ミキ:「っ!? ……ノン君……
は、はい!! 私、やってみます!!!」

リカ:「リカの最高のパンツコレクションを──喰らえぇぇえ!!!!」

マトバ:「──おんっぐ!?」

ミキ:「本当に食べさせないで、履かせて!!」

マトバ:「(飲み込む) 望む所だ♪ 一枚残らず、布キレに返してあげるよ♪」

ミキ:「その前に私が盗みます!!」

リカ:「リィィカのパンツリカのパンツリカのパンツリカのパンツリカのパンツリカのパンツ!!!」

ミキ:「盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる!!!」

マトバ:「がっ──くっ、は、速い……」

スワロー:「なんと……ノン様と所長さんの『インフィニティッドパンツスティール』よりも、速い……」

オシメ所長:「わ、私の見せ場が……踏み台にされた……」

ノン:「リカさんのスピードが落ちないように、マトバさんから盗んだパンツを、一度リカさんに履かせて体力を回復させています♪」

スワロー:「まさに、昔のノン様を見ているかの様な……」

マトバ:「フィット感と開放感の波状攻撃──いや、それだけじゃない!! こ、これは──なんなんだ……」

ノン:「パンツを憎んでいるあなたには分からない気持ち……」

スワロー:「アンダーウェアへの、愛です」

マトバ:「馬鹿な……パンツへの……愛だって!?」

オシメ所長:「大切なパンツがシワにならないように……さらに、摩擦で生地が傷まないように、細心の注意を払って、履かせては脱がし、そして盗んでいる」

マトバ:「そ、そんな……この僕との──世界からパンツが消えようとしている戦いの中で、まだパンツ一枚一枚の事を想い、盗んでいるというのかい?
そんな……そんな馬鹿げた事が──」

ノン:「──パンツ泥棒とは、そういうもんです♪」

リカ:「リカのパンツリカのパンツリカのパンツリカのパンツリカのパンツ!!!」

ミキ:「盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる!!!」

マトバ:「信じられ、ない……信じられないよ!! 信じる訳にはいかない!!!
僕はパンツを捨てた!!! パンツを憎み! 恨み!! パンツに縛られた世界からみんなを開放しようと、履く事を辞めたんだ!!!!
パンツを──パンツを履く事を、受け入れる事を、認める訳にはいかないんだ!!!!
ぐぅぅぅうぉぉぉおおお!!!!」

オシメ所長:「あぁっ、パンツが布キレに戻されていく!?」

リカ:「リカのパンツリカのパンツリカのパンツリカのパンツリカのパンツ!!!」

ミキ:「盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる盗む履かせる!!!」

マトバ:「しまパン 熊パン ブリーフ 白パン 紐パン フリルパン 派手パン トランクス!!!」

リカ:「リカのパンツリカのパンツリカのパンツリカのパンツリカのパンツ!!!」

ミキ:「盗む履かせる盗む履かせっ、る盗む履かせる、盗む……履かせ、る!! はぁ、はぁ、盗む、履かせ……る!!」

オシメ所長:「ぬぁっ!? これは、まずいですよ!!」

ノン:「ミキさんの体力が……」

マトバ:「ヒモパン ふんどし ボクサーパン 葉っぱ キャラパン お子ちゃまパン!!!」

ミキ:「盗む、履かせ、る──うぐっ……」

リカ:「──ミキッ!!?」

マトバ:「……ティー……バック……ボーダーパン、ツ……
はぁ……はぁ……」

スワロー:「そんな……まさか……」

マトバ:「ふふ……ふふふ……あっはっはっはっはっはっ♪!!!!! どうやら僕の勝ちみたいだね♪!!!!」

リカ:「ミキ!! しっかり!!! このパンツを食べ──あぁ、食べさせるパンツも無い!! 誰かっ!! 誰かミキにパンツを!!!」

ミキ:「リ、カ……用意されても、食べないよ……」

リカ:「ミキ……」

ミキ:「ごめんね……私に、もっと体力があったら……」

リカ:「そんな事ない!! リカのコレクションが不完全だったんだよ……もっと……もっと良いパンツをいっぱい集めていれば……」

マトバ:「はぁ……はぁ……君がどれだけ良いパンツを集めようと、僕に履かせた段階で、布キレに返す作業がはかどるだけ──」

リカ:「──一番お気に入りのパンツを使わなくて済んだのに!!!」

ミキ:「──っ! そ、それは……!?」

マトバ:「はぁ……はぁ……まだそんなウサちゃんパンツを、持っていたんだね♪ それで諦めがつくだろう♪」

リカ:「最後の──リカのパァァンツゥ!!!!!」

マトバ:「僕にっ! 履かせたら良い!!! その最後のパンツ、耐えきってあげよう♪ そしたら、僕の完全勝利だ♪!!!!」

リカ:「パァァァァンツゥゥゥゥゥウウウ!!!!」

マトバ:「うぉぉぉぉぉおおお!!!!!」

オシメ所長:「リカ君!!」

ノン:「リカさん……」

スワロー:「っ……!!」

ミキ:「リカァァァァア!!!!!」

(間)

オシメ所長:「どう、なりました?」

ノン:「……」

ミキ:「あぁ……」

マトバ:「……ふふふっ♪」

リカ:「パ……」

スワロー:「まさか……そんな……」

マトバ:「あぁ〜っはっはっはっはっはっ♪!!もう君達には何も無い♪!!
この最後のパンツを布キレに戻してしまえば、あとは君達の履いているパンツを盗み、やる事は同じだ♪」

リカ:「パンツくそぉ……」

オシメ所長:「なんという……」

ノン:「……」

マトバ:「さぁっ!! 何ものにも縛られない世界の──始まりだよ♪!!! (力を入れる)」

ミキ:「……」

(間)

ノン:「……」

スワロー:「……」

ミキ:「……ぃ……」

オシメ所長:「……? あれ、私の台詞ですか──」

マトバ:「──破れ、ない?」

オシメ所長:「あ、違いましたか……失礼」

マトバ:「なんなんだい、このパンツは……破りたく……ない」

ミキ:「ぃ……」

スワロー:「……?」

ノン:「……ふふっ♪」

マトバ:「肌ざわり、デザイン、機能性、フィット感……全てがそれほど大した事が無いのに、僕を温かく、優しく包み込んでくる……」

ノン:「それだけじゃ、ないはずですよ♪」

スワロー:「ノン、さま?」

ノン:「気にしない様にしても『間違いなくそこにある』という、存在感♪」

マトバ:「あぁ、そうだね……
守ってくれているという安心感……
凄く邪魔で、脱いだ方が間違い無く楽なのに──それでも脱げない……布キレに戻せない……
戻し方が分からない……布キレに、戻したくない……ずっと履いてい──っ!?
ち、違う!!! 違うんだよ!!! 今のは──」

ノン:「ふふふっ♪ それがパンツですよ♪」

マトバ:「っ!?」

オシメ所長:「今までパンツを拒絶して履いて来なかったから、本当のパンツに出会う事が出来なかった……」

スワロー:「そして今あなたは、自分の求めていたアンダーウェアに……出会ってしまった」

マトバ:「そ、そんな……僕は、パンツを……憎んでいる……」

ミキ:「い、ぃ……」

オシメ所長:「でも……脱ぎたくない」

マトバ:「っ……あ、あぁ……」

リカ:「くそ……くそぉぉお!!!」

ミキ:「い、いぃ……」

スワロー:「っ!? ではどうして、リカさんはこんなに苦しんでいらっしゃるの? ミキさんも先程から何も仰らないで……」

リカ:「それは!! リカが盗んだ!!! 最高のパンツなんだ!!!!」

オシメ所長:「は、はい……そのおかげで、身につける事の素晴らしさをマトバは知る事が出来ましたね」

リカ:「あのパンツはリカのパンツなの!!! あげた訳じゃない!!! それは、リカの──リカのパンツなの!!」

マトバ:「ち、違う!! これはもう、僕のパンツだ!!!
脱ぎたくない!!! 失いたくない! 無くしたくない!!!」

リカ:「そんなの知らない!!! そのパンツはぁぁ── (走り出す)」

ミキ:「ぃぃぃいいいやぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!── (走り出す)」

マトバ:「このパンツは、僕の物だ!!! や、や、やめろ──来ないでくれ!! 僕からこのパンツを、盗まないで──」

(ミキとリカ同時に)

リカ:「──全てのパンツはリカのモノ!!!」

ミキ:「──それは私のパンツでぇぇぇす!!!!!」

マトバ:「うぐぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!
あ……あぁ……僕の……最高の……最、高の……」

**********************************************

マトバ:「ママ、何をしてるんだい♪?」

モブB:(母親)「ん? あなたのパンツ、ほつれていたから──ほら♪」

マトバ:「うわぁ〜!! 覆面ライダーのワッペン♪ 履いてみて良い♪?」

モブB:(母親)「えぇ良いわよ♪ ほら足を上げて──うん、凄く似合ってる♪
忘れないで……
これからアナタは、色々なパンツと巡り会う。自分に合わないパンツと出会っても、それはきっと他の誰かにとっては、大切なパンツ……
この世界のどこかに、あなたにとって最高のパンツが、あなたを待ってるわ♪」

マトバ:「ん? ははっ♪ ママが直してくれたパンツが、僕にとっての──」

**********************************************

マトバ:「最高の……パンツ……だ、よ♪ (倒れる)」

スワロー:「……終わったの……ですか?」

ノン:「はい♪」

オシメ所長:「ほっほぉ〜!! 素晴らしいですよぉ〜!! おふたりとも、実にお見事でした!!」

ミキ:「リカっ、手を離してよ!! それ、私のなんだから!!!」

リカ:「パンツゥやだよ!! これはどこかで盗んでから、ずっとリカのお気に入りなんだよ!!!」

ミキ:「だからそれは、私の家から盗んだんだよ!!! ずっと私のお気に入りだったんだから!!!」

リカ:「盗んだら、もうリカのパンツなの!!!」

オシメ所長:「おやおや、お互いが引っ張るから、可愛らしいウサちゃんが、熊さんになってしまっていますね」

(同時に)

リカ:「黙れオムツ!!」

ミキ:「これはウサちゃんです!!!」

ノン:「ふふふっ♪」

スワロー:「……」

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(次回予告)

オシメ所長:「あぁどうも、お世話になっております。関東支部 所長の『オシメ マモル』です。
誰も怪我をすること無く、無事、一件落着……いやはや、本当に良かった良かったです、はい!
次回は、とうとう最終話、
『それぞれのパンツへ』
皆さん、自分のパンツを大切にしてあげてくださいね」

**********************************************
【パンツ泥棒協会 セカンド 最終枚】

ノン:「帰るんですか♪?」

スワロー:「……えぇ。
パンツ泥棒協会から盗んだアンダーウェアは、後日、ウチのエージェント達が返しに参ります」

ノン:「そうですか♪ 分かりました♪」

スワロー:「……ノン様がわたくしの元からいなくなった理由……今回パンツ泥棒協会と共に行動した事で、よく分かりましたわ。
ノン様のアンダーウェアに対する愛は、無理矢理履かされる事の無い『自由』だった……
私(わたくし)は、美しさだけを追い求めた故に、ちゃんとアンダーウェアと向き合えていなかった……」

ノン:「ふふっ♪ 自由だからこそ、スワローさんのパンツを想う気持ちも間違いではありませんよ♪
人の数だけ、パンツはあるんです♪」

スワロー:「そうですわね……」

ノン:「スワローさん、見てください♪」

スワロー:「?」

リカ:「ミキっ見て見て!! チュパカブラ柄のパンツ!!!」

ミキ:「チュパ、カブ……え、何それ?
それよりも!! 私のウサちゃん、返してよぉ!!!」

オシメ所長:「私のオムツに──ほらっ遠目に見るとトランクスに見える様な絵を描いてみたんですよ」

エリト:「オシダ先輩、そこに私の自撮りを縫い付けてみてはどうですか?」

ノン:「ふふっ♪ パンツだけじゃありません。
今のノンは、パンツで繋がった楽しい仲間達を手に入れました♪」

スワロー:「っ……そう、みたいですわね……」

リカ:「ねぇねぇ、スワローさんは何味のパンツが好きなの?」

スワロー:「っ……え」

ミキ:「リカ! いきなりそれは失礼だよ。
スワローさん、すみません」

リカ:「この近くにパンツのクレープを出してくれる良いお店があるんだよ! そこのシルク生地が絶品なんだよ!! 今度行こ!!」

スワロー:「あっ……わたくしを、誘って下さるの?」

ミキ:「あぁ〜……リカ、こうなったら絶対折れないんで……もしご迷惑じゃなかったら、一緒に行ってくれませんか?」

スワロー:「……」

ノン:「スワローさんも、その一人ですよ♪
パンツで繋がった仲間です♪」

スワロー:「っ! ……ありが、とう……ございます……
ぜひ、ご一緒させて……頂き、ます(涙を溜める)」

ノン:「ふふふ♪」

**********************************************

ミキ:「そうだっノン君!!」

ノン:「はい、ノンですぅ♪」

ミキ:「突き指は大丈夫なの? 早く医務室に行かないと──」

ノン:「……あっ、忘れてました♪
あれはもう大丈夫ですよ♪ 元々突き指なんてしてませんから♪」

ミキ:「へ? だ、だって、あんなに指が腫れて……あれ?」

オシメ所長:「あぁぁぁ!! それは私の突き指に見えるパーティグッズ!!!」

リカ:「何それ?」

ノン:「所長さんから、ちょっとだけお借りしました♪ お返ししますね♪」

ミキ:「じゃ、じゃあ、あの時なんで私に? リカとノン君が戦ってたら、もっと──」

ノン:「──ミキさん、それは違いますよ♪」

ミキ:「え?」

ノン:「ノンも所長さんのパンツォーラに合わせるのに、疲れちゃってましたから♪」

オシメ所長:「そうでしょう、そうでしょう♪」

リカ:「力を抑えるのってキツいよね」

オシメ所長:「うんうん♪ ん?」

ノン:「全力を出せていたら、逆にもっと楽だったんですけどね♪」

オシメ所長:「へ? いや私、全力──」

ミキ:「見えてたのって、私が強くなったからじゃなかったんだ……」

オシメ所長:「嘘でしょ!? 今回、私の最高の見せ場でしたよ!!?」

ノン:「だからスタミナ切れで、リカさんのスピードについて行く事は出来なかったんです♪」

エリト:「オシダ先輩……」

オシメ所長:「エリト君……」

エリト:「…………まぁ、ね」

オシメ所長:「フォローして下さいよ!! 君くらいは私のフォローを!!!」

エリト:「しかし今回の事で、このパンツ泥棒協会からたくさんのパンツを失う事になってしまいました……」

リカ:「そだね♪ (歩き出す)」

ミキ:「? リカ、どこ行くの??」

リカ:「決まってんじゃん、パンツを盗みに行くの♪」

ミキ:「あ……そっか」

オシメ所長:「失った分、増やせば良い」

ノン:「失った以上に、いっぱい手に入れたら良いんです♪」

エリト:「そうですね」

オシメ所長:「リカ君、ミキ君! ちゃんと気を付けて、行って来るんですよぉ〜!!!」

リカ:「ほらっミキ! 何してるの!! 置いて行っちゃうよ!!!」

ミキ:「あっリカ、待ってよ!! どこに盗みに行くの!!」

リカ:「どこまでも!!!
パンツがある限り、リカのパンツ泥棒は終わらないっ!!!!
それじゃ〜──パァァンツ行こう!!!」

**********************************************

???:「マトバが……パンツを履いた、か……
ふふふふ……あぁ〜はっはっはっはっはっ!!!
しかし奴は我ら四天王の中で最弱!!!
マトバを倒したからと言って、パンツ調子に乗るなよ……」

ミキ:「リカ?
真っ暗な部屋で何してるの?」

リカ:「あっミキ、なんか電気が付かなくてさ……
その中でなんかそれっぽい事言ってたら、まだパンツをいっぱい盗む機会がくるかなぁって?」

ミキ:「ん〜……言ってる意味が、相変わらずよく分からないけど──そんな事よりも!! ほらっ、こっちに来て!!」

リカ:「うんっそだね!!
よっ──と、関東支部、実行部の『ハヤカワ リカ』と」

ミキ:「関東支部、実行部の『ササオカ ミキ』です!!」

リカ:「みんな、最後まで聞いてくれて、本当にありがとう♪」

ミキ:「この物語は、これで終わりです!
みんなに会えなくなるのは寂しいけど──」

リカ:「この作品に触れてくれた皆とは、これからもずぅ〜っと、パンツで繋がってる仲間だよ♪ ね♪?」

ミキ:「うん!!
──あっ最後に!!
この物語はフィクションで、どんな形であろうと泥棒は犯罪です!!」

リカ:「え、そうなの?」

ミキ:「そうだよ!!!
だからけっして皆は、私達のマネをしないようにして下さいね♪」

リカ:「うぅ〜……らしいよ?」

モブA:(ヒガ)「あれ? 中から声が聞こえる……だ、誰かいるのか?」

ミキ:「あっ、ヒガさん帰って来ちゃったみたいだよ、リカ」

リカ:「う、うん!!
それじゃあ、またどこかで会える事を願って、じゃあ──」

モブA:(ヒガ)「あっ、また君か!!」

(リカとミキ同時に)

リカ:「パンツゥまたねぇ♪」

ミキ:「またねぇ♪」

モブA:(ヒガ)「もぉぉぉおおっ!! かんべんしてくれぇぇぇぇええ!!!!!!」


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