TOB1150円のマクロミル、市場価格は1150円超えで推移!!なぜ?まだ安い?アクティビストの参入期待!!

先日、英国系ファンドのCVCキャピタル・パートナーズが1150円でマクロミル株式を公開買い付け(TOB)すると発表しました。買い付け期間は15日から12月26日まで。マクロミルは以前ベイン系列のファンドにより買い付けられ非上場化、2017年に再度上場し、今回で2度目の非上場化になります。
(再上場の情報については下記サイトが分かりやすいです。)
https://www.businessinsider.jp/post-1365
前回の非上場化の際は公開買い付け総額が約500億円
再上場時の時価総額は初値ベースで700億円超
そして今回の公開買い付け総額は…450億円…
あれ、今回の買い付け、少し安くない…?
と感じますね。そう思ってか、市場では1200円に近い株価で取引されています。(=TOB価格より高い値段でも買っている人がいる!!)
なぜ高い値段でも買われているのか、大株主の属性、各種株式価値評価、公開買い付けの経緯などを踏まえてその思惑を検討していきます。

大株主について

まずは大株主から見ていきましょう!今回は公開買い付け者がまだ株式を保有していません!!

大株主の状況(マクロミル決算説明会資料より引用)

前回記事のNECネッツエスアイの時は買い付け者が半数以上の株主を保有していました。今回の事例では、公開買い付け者が市場内から2/3の株式を取得する必要があり、一般に買い付けのハードルは高くなります。(=相応のプレミアムが必要になる)
実際、公開買付者が買付けにおいて設定した買付予定数の下限は「25,660,500株」であり、これは対象者の基準株式数(38,958,165株)の65.87%に相当、非常に多いです。この点にも留意しつつTOB価格の妥当性、引き上げ可能性について検討していきます。

TOB価格の妥当性について①(買い付けの経緯を考える)

TOB価格の妥当性を検証する上で、まずは今回の公開買い付けに至るまでの経緯を開示情報から辿っていくことにします。「当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」を読むと、衝撃の記載が…!


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