アクティビストが日産車体に集結!狙いは?
日産自動車の上場子会社、日産車体に複数のアクティビストファンドが投資しています。
アクティビストはなにを考えているんでしょうか?
狙いを推察していきます。
まずは日産車体がどういう企業か概況を確認します。
有価証券報告書によると、
売上の97.7%が
親会社である日産自動車からです。
上場したのは1961年です。
取引のほぼ全てが親会社…
いま仮にこういう会社が新規上場しようとしたら、
当然無理ですね。
東証はもちろんのこと、証券会社も相手にしません。
昔はなんでもアリだったんですね。
今の日産車体の社長も不憫です。
「上場させたのオレじゃねーし…」と。
ただし、上場企業の代表取締役になるということは
株主対応も含めてでありますので、今後上場子会社の代表取締役になる方はその辺りも考慮する必要があります。
100歩譲って、日産車体がめちゃくちゃ業績が良くなり、株価が上がるなら、このまま親子上場していてもよいでしょう。株主としては株価が上がればOKですから。
ただ、親会社の日産自動車が過半数保有していて、取引のほぼ全てが日産自動車…
こんな状況で、日産自動車に対して価格交渉が可能でしょうか?
実際のところ、利益率は とかなり低いことが既に価格交渉できないことを証明していますね。
日産車体はほぼ全ての取引が親会社の日産自動車ですので、
日産車体が値上げすれば日産自動車は面白くない
日産車体が日産自動車に忖度すれば業績低下→株価低下
(そうすると日産自動車も持分下がるので誰も幸せにならない)
ので、上場している意味がわからない会社です。
またもう一点問題が…
俗に言う、"キャッシュマネジメントシステム"(CMS)です。
CMSとは
一般的な広義の意味では
企業グループ内での資金を一元管理することを指します。
この制度を活用し、日産車体は親会社の日産自動車に
預け金として407億円
長期貸付金として700億円
2024/3末時点で合計1,102億円の資金を日産自動車に提供しています。
時価総額約1,300億円(8/19時点)に対し、1,100億円も親会社に貸付しているんですね。
株主からしたら
「それ、企業価値向上に意味ある?」
「俺にも貸してよ」
と思っちゃいますね。
ここからはアクティビストファンドが何を狙っているか?を推察していきます。
日産車体の6/26の開示によると、流通株式比率は18.9%とのことです。
スタンダード市場の上場維持基準は25.0%ですので、
このままだと上場維持ができず廃止になります。
その発端がこのニュース
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