見出し画像

「地球を笑顔にするACTION」メンバー南直冴さん(青山学院大学SANDS所属4年生)体験記🐝

2024年7月20日(土)

ミツバチと話してみたい。
 
「人間含め、いかなる生物の功績も、ミツバチの偉業には及ばない。もし異世界から誰かが舞い降りて、地球上の生命の完璧な創造物を尋ねられたら、つつましい蜂の巣を差し出すほかない。」
(Maurice Maeterlinck)
 
 蜂に人が住処と食料を与え、代わりに蜜をいただく、一見合理的で単純な利害関係の裏には、言葉が通じない者同士の配慮と工夫がありました。
 蜂が黒いものを襲うのは、天敵である熊から巣を守る習性だと言われています。優れた聴覚と動体視力を持つので、大きな音や激しい動きにも敏感に反応します。逆に、淡い色の服を着て、ゆっくり落ち着いて採取すれば、蜂が攻撃してくることはありません。
 人間が蜂の習性を理解しているように、蜂も人間のことをわかっているのだと感じます。養蜂は、蜂と人との種を超えたコミュニケーションでした。
 
 蜂と僕の異文化交流は、子どもの頃の大切な記憶を思い出させてくれました。
 サンタクロースが顕微鏡をくれたとき、僕は何日も家に籠って、接眼レンズとにらめっこしていました。蝶の鱗片、蚊の口吻、蝿の翅脈。肉眼では見えないミクロの世界は、少年の僕の好奇心をくすぐりました。
 
 いま大人になって、赤坂で生きた蜂と触れ合う機会は、幼い頃の僕と自然のつながりを取り戻す第一歩であり、顕微鏡の中で切り取られた小さないのちを、生命と環境の大きなつながりとして再構築するものです。
 蜂と人との同質性、対話可能性を肌身に感じれば、性別や肌の色の差異は、ヒトという種の中の、とても小さな問題であるとさえ感じます。
 
 自然の世界は、サンタさんから、大人になった僕への贈り物です。
 種単位で解明された個々の生命現象を、その関係性の中で捉え直す。
 わかったつもりの世界が、本当は知らないことに満ちていると気づくとき、僕らは再び、何度でも子どもになれるのではないでしょうか。
 
南 直冴

SANDSの仲間と南くん
暑い中、ミツバチの様子を熱心に見入っていました!



今回の企画提案者:南直冴さん(青山学院大学SANDS所属4年生)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?