見出し画像

1日10分の免疫学(24)T細胞と免疫⑥

本「Th1はTh1の分化を誘導し、Th2はTh2の分化を誘導する……これを『極性(polarization)をもったT細胞応答』と呼ぶ」
大林「Th1とTh2の派閥争いって名前あったんだ?!」

◆『極性を持ったT細胞応答』……Th1、Th2のどちらかが優位になる応答

本「Th1に極性をもつ応答細胞性免疫で、免疫応答のエフェクター細胞が優位となる応答に相当する」
大林「その免疫応答のエフェクター細胞ってCTLのこと?エフェクター細胞って言うだけだとエフェクターB細胞も含まれてしまう……」
(CTL: cytotoxic t lymphocytes: 細胞傷害性T細胞: Tc細胞: キラーT細胞 )
本は答えない!
Wiki「細胞性免疫とは、食細胞、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラー細胞が体内の異物排除を担当する免疫系」
大林「異常細胞を排除する応答を細胞性免疫だって覚えてた……食細胞(好中球、マクロファージ)も含まれるのか。覚えとこ」

◆個人的なメモ※正確かどうかは今後確認したい
細胞性免疫……免疫担当の細胞が主力の免疫応答?
液性免疫……抗体産生細胞(形質細胞※B細胞の最終形態)が作る抗体が主力の免疫応答?

Web「エフェクター細胞とは、エフェクターT細胞のこと」
大林「待ってくれ、エフェクターB細胞だっているだろ……どうなってるんだ」

本「Th2に極性をもつ応答では、抗体産生が優位となり、歴史的に体液性免疫と呼ばれてるものに相当する」
大林「それそれ!それ複数の教科書で読んだ!だから、私はTh1は細胞性免疫、Th2は液性免疫だって覚えたんだけど……『エッセンシャル免疫学』では単純な説明ではないわけか。『極性』……日常用語ではないけど、今後の学習の為に覚えておこう」

本「ハンセン病患者では、CD4T細胞応答がTh1かTh2かどちらかに片寄っていて、病気の進行に大きく影響する」
大林「ハンセン病!憲法とかで読んだな……で、どう異なるの?」
本「Th1優位の場合は、分泌されるサイトカインにより、感染したマクロファージに対して細菌の増殖と播種の抑制を補助できるが、Th2優位の場合は感染したマクロファージに抗体の効果はなく、らい菌の増殖は致命的に…」
大林「えぇと……要は、らい菌に感染したマクロファージには、Th1優位の場合に分泌されているサイトカインが有効(細菌の増殖等を抑える効果がある)。Th2優位の場合は、マクロファージ内に潜伏しているらい菌抗体は無効(抗体は細胞内に入れないから)ってことか?らい菌って菌だけど、細胞内に入って増えるの?」
Web「らい菌細胞内寄生菌としてマクロファージや. シュワン細胞内で増殖する」

↓↓らい菌 によるマクロファージの機能変化 - J-Stage

Web「らい菌は, 数ある細菌の中でも最も典型的な偏性細胞内寄生菌

大林「偏性細胞内寄生菌???」
Wiki「偏性細胞内寄生とは、別の生物の細胞内でのみ増殖可能で、それ自身が単独では増殖できない微生物のこと。代表例はリケッチア、クラミジア、ウイルス。真正細菌に属するものは偏性細胞寄生と呼ばれる」
大林「へぇ~、ウイルスと真正細菌の違いはその構造だよね。ウイルスはほぼRNAやDNAの入れ物で、小器官とかを持ってない…」

↓今さら聞けない「ウイルスと細菌と真菌の違い」※pdfです


今回はここまで!

《今回の復習メモ》
ナイーブCD4陽性T細胞は、ヘルパーT細胞や制御性T細胞に分化する。
ヘルパーT細胞には種類がある(Th1,Th2,Tfh,Th17等)。
Th1とTh2は、互いを牽制する関係にあり、どちらかが優位になる応答を『極性を持ったT細胞応答』と呼ぶ。

Th1に極性を持つ応答は、細胞性免疫(食細胞、キラー細胞)。
Th2に極性を持つ応答は、体液性免疫(抗体)。


いいなと思ったら応援しよう!