マガジンのカバー画像

1日10分の免疫学

74
「エッセンシャル免疫学第3版」の公開型自主勉のまとめ。
運営しているクリエイター

#がんと免疫

1日10分の免疫学(73)がんと免疫⑤

1日10分の免疫学(73)がんと免疫⑤

γδ型T細胞とがん治療本「γδ型T細胞には、がんに対する免疫応答を高める特徴が2つある」
大林「おっ、γδ型T細胞の活躍エピソード?!」
本「1つめ。γδ型T細胞が多様な組み合わせの受容体を発現し、悪性細胞と正常細胞を識別して反応できる(p344を見よ)」
大林「復習必須か、よしきた!」

◆復習
αβ型T細胞とγδ型T細胞は、発生学的な起源は同じだが重要な差異がある。

αβ型T細胞は、厳格な正

もっとみる

1日10分の免疫学(72)がんと免疫④

がんに対する免疫応答はなかなか誘導できない本「腫瘍細胞を殺傷する免疫応答なかなか誘導できない」
大林「適応免疫は強力ゆえに、発動条件が厳しい!人為的に誘導しようとしても簡単には動いてくれない……流石は推しだ」

本「最初に発見されたCT抗原は、黒色腫に対する細胞傷害性T細胞の標的分子。MEGA(melanoma antigen encoding)-A1,MEGA-A3と名付けられた」

◆復習メモ

もっとみる
1日10分の免疫学(71)がんと免疫③

1日10分の免疫学(71)がんと免疫③

腫瘍は免疫応答を逃れ、免疫応答を操作する本「腫瘍は免疫応答から逃れたり、免疫応答を操作したりする」
大林「それ詳しく知りたいです!」
本「腫瘍抗原の発現が減少したり、エピトープが変異したりした変異腫瘍細胞は、エフェクターT細胞や抗体から逃れる」
大林「変異による回避か……」

◆復習メモ
自然免疫応答は「非特異的」、適応免疫応答は「特異的」に機能する。
適応免疫を担うのは、T細胞とB細胞。
T細胞

もっとみる
1日10分の免疫学(70)がんと免疫②

1日10分の免疫学(70)がんと免疫②

ウイルス感染とがんの相違点本「ウイルス感染とがんには重要な相違点があります。感染と比較するとがんに対する免疫応答の速さが異なる」
大林「えっ、速いの?遅いの?」
本「粘膜では、局所にいる微生物集団に対する持続的な免疫応答があるため、病原体の侵入に対し自然免疫と適応免疫は直ちに活性化される」
大林「あぁ、粘膜では普段から微生物集団で刺激されてるから準備運動はできてるわけね」

本「他の組織でも、感染

もっとみる
1日10分の免疫学(69)がんと免疫①

1日10分の免疫学(69)がんと免疫①

第17章 がんと免疫系の相互作用大林「相互作用……?」
本「がんは、浸潤性をもつ異常な細胞増殖により生命に危険を及ぼす多種多様な疾患の総称。先進国の死因の20%を占め、がん患者の多くは高齢者である」
大林「やはり免疫系の老化が大きいのかな」
◆メモ
Immunosenescence 免疫老化
https://www.jcancer.org/v10p3021.htm

本「正常細胞の内部機構が、破綻

もっとみる