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1日10分の免疫学

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「エッセンシャル免疫学第3版」の公開型自主勉のまとめ。
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2020年9月の記事一覧

1日10分の免疫学(39)免疫記憶②

1日10分の免疫学(39)免疫記憶②

本「では、ワクチンの話をしましょう。牛痘ウイルス(ワクシニア)の予防接種をすると、血中のワクシニア特異抗体は最大値へと急速に増加する」
大林「ワクシニア(ワクチニア)!ワクチンの始まりですね!その特異抗体はいつまで維持されるの?」
本「接種から約一年で最大値の約1%まで減少し、この状態が最大75年間維持される」
大林「おわ、思ったより長い!」

◆復習メモ
免疫学に登場する「特異的」とは?
獲得免

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1日10分の免疫学(40)免疫記憶③

1日10分の免疫学(40)免疫記憶③

§ 二次免疫応答の発動条件本「二次免疫応答は、病原体が再び侵入して、自然免疫と定常レベルの特異抗体による防御を打ち破ったときのみ誘導される」
大林「えっ、二度目の侵入はすぐに記憶細胞が出撃してると思ってた……」

本「記憶T細胞の一部は二次リンパ組織を介さずに末梢組織を再循環する」
大林「へぇ~。む、待てよ、抹消組織ってふんわりイメージ分かる気がするけど、定義を読んだことないぞ」

大林「基本的に

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1日10分の免疫学(41)免疫記憶④

1日10分の免疫学(41)免疫記憶④

本「ワクチンについて紹介します」
大林「ワクチンの始まりと言えば、天然痘にかかった人から採取した膿を接種すること(人痘接種)で天然痘予防していたけど、弱毒化とか技術のなかった時代だったから危険だったんだよね」
本「人痘接種では100人に1人死亡していた。それでも天然痘にかかったら4人に1人は死ぬので、予防接種は広まっていた。そんな中で登場したのが牛痘接種。牛痘ウイルスは、ヒトには非常に軽い感染症し

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1日10分の免疫学(42)免疫記憶⑤

1日10分の免疫学(42)免疫記憶⑤

§ インフルエンザワクチンについて大林「インフルエンザウイルスは変異が起きやすいのでせっかく獲得した免疫も通用しなくなっちゃうんだよね」
本「インフルエンザウイルスはRNAウイルスなのでDNAウイルスより複製エラーが多い」
大林「複製エラーが多い……つまりは変異しやすい。そして、中和抗体の『ウイルスに結合するポイント』が変異したら、結合できない……」
本「中和抗体の主な標的はインフルエンザウイルス

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