ショーン・ペン(Sean Penn)のアクティングテクニック
ショーン・ペン
あのマーロン・ブロンドに
「存命する最も優れたアクター」(1)と言わせた
稀代の名アクターである。
ショーン・ペンのアクティングテクニックを紐解くにあったて、
「アクターであること」をひとつのテーマとしたい。
アクターであることと、映画や舞台に出続けることは必ずしも同義には思えない。
もう少し、言葉を選ばずに言うなら
私には、アクター“で”あることと、アクター“に”なることは別物語に感ぜられる。
アクターであるとは、徹底して表現の精度を高め、それにこだわること。そして伝えること。
アクターになるには、別段それは必要ではないかもしれない。
アクターとしては稀有な才能の持ち主でありながら、その才能に依存しない彼の生き方は、アクターであることに彼が人知れず重圧を感じていた表れであったように見える。
インタビューで彼は「アクターであることで、身も心もボロボロになるよ」と語り、映画監督へのキャリアチェンジで、アクターとして一線を退く発言もしている。事実、彼は、素晴らしい監督作品を残している。
(1995年クロッシングガード:The Crossing Guard、2001年プレッジ:The Pledge、2007年イントゥ・ザ・ワイルド:Into the Wild)
アクターであるとはそう簡単ではないようだ。少なくとも、彼にとっては。
ショーンがアクターであることを象徴するエピソードがいくつかある。
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