(こっそり)メルボルン交響楽団「Secret Symphony」のススメ
いい音楽もメルボルンの隠れた名所も楽しめるあのイベントが数年の静寂を超えて戻ってきました。
メルボルン交響楽団(メル響・MSO)主催の人気不定期無料コンサート「Secret Symphony」おかえりなさい!
私はだいぶ前からこのイベントシリーズのファンで、コンサートの中身やロケーションのチョイスや謎解き的なフォーマットや様々な要素の組み合わせも全て素晴らしい!と思っています。
なのでSecret Symphonyをもっと広く知って欲しい、この特別なコンサートを楽しんでもらいたいと強く思う反面、大人数を収容できるように設計されていないのでどれだけ広めていいものか悩むところもあり。
(知ってる人には人気+多少口コミもあるようで結構人は集まるのですが今のところどのコンサートも定員オーバーになったりはしてないはず・・・?)
でももしかしたら今後メルボルンに遊びに来て(または住んでて)運良く参加できる人がいるかもしれない、そしたら是非足を運んで欲しいなと思うのでこっそりSecret Symphonyの秘密を紹介したいと思います。
Secret Symphonyについての情報は公式インスタグラムのアカウント、「@asecretsymphony」から発信されます(メル響公式「@melbournesymphonyorchestra」とは別アカウント、Twitterでは情報発信されません)。
各コンサートの最初の投稿は当日の2週間前が多いです。この時点で発表されるのは日付だけで、インスタの写真に表示されるイラストなどに最初のヒント的な要素はありますが情報は限定的。
そこから2週間の間の投稿でコンサートの場所や演奏される曲などのヒントが小出しされます。この2項目をコメント欄でどっちも事前に当てると何かあるはず(先に入れるとか?)なのですが久しぶりなのでシステムが今どうなってるかわからない。
でも事前に当てられなくてもコンサートの前日に全部の情報が解禁されるのでno worriesです。
なのでSecret Symphonyに「参加するだけ」なら最初の投稿から2週間後の夜を空けておいて前日に詳細(合言葉などある場合はそれ含む)を確認して当日に指定のロケーションに行く、だけでも十分できます。メルボルンの知識と音楽の知識(クラシックに限らず)を駆使して謎解きするのは+αのお楽しみ。
これまでのSecret Symphonyからの傾向として:
という特徴があります。
なので日にちさえ合えば観光客にわりと行きやすい仕様ではあるかもしれませんね。
そして私が褒めても褒めきれないと思っているのが各コンサートの企画のうまさ。
メル響の奏者を始めローカルの音楽家(作曲家含む)を動員した地域密着的な側面だったり、観光ではなかなか見られないメルボルンの隠れた名所をロケーションに選んで、しかもロケーションと演奏する曲をうまくリンクさせたり、照明やウェルカムドリンクなどの演出も素晴らしくて特別感があって、そんな中でいつもメル響のコンサートで聴く音楽とはちょっと違う曲に出会えるのがとにかく楽しいです。
さすがに皆勤賞とは程遠いものの何回かSecret Symphonyに参加していますが、毎回「ここに来れて&見れてよかった」「この場所でこの曲はすごい」「足が疲れるけど楽しかった」の3つは毎回感じています。
過去回で一番印象に残ってるのは州立図書館でのブリテン「テノール、 ホルンと弦楽のためのセレナード」ですかね。歌詞がイギリス詩文学の色んなところから来てるのもあって図書館と相性がよかったり、あとホルンのエコーがあるから大きい空間がマッチしたり。あの空間であの曲を聴く雰囲気は文章で現すことができません。
他には333 Collins Streetのドームの下で聴くリヒャルト・シュトラウスの「四つの最後の歌」で歌声が高い天井に上っていく感覚だったり、直近のBakehouse Studiosでローカルの蒸留所Patient Wolfのジンを片手に1920年代の禁酒令の時代をテーマにジャズを聴いたり。
あと初回でメルボルン監獄×メシアン「時の終わりのための四重奏曲」を組み合わせてたのはもうわくわくでしたね(参加できなかったですがさすがに謎は解けました)。あれからずっと毎回わくわくするコンサートをお届けしてくれてありがたいです。
最近ではまだパンデミック前のレベルまでにはシティに人が戻ってないと言われているのでシティで夕飯食べてコンサートに参加するのはわずかながら経済にも貢献になるかも。(不定期だしコンサート自体は無料ですが・・・)
おいしいご飯、ニッチな観光場所、普段そんなに聴けない音楽を夜の比較的短い時間で楽しめる素敵なイベントなので運に恵まれたらSecret Symphonyに是非行ってみてください。
そして+αの楽しみと言ったロケーション・レパートリーの謎解きに関しては自分の持ってる知識とコンサートのジャンルがぴたっと合えばひらめく場合もあるので力まず長い目で見て楽しむのがオススメです。分かると楽しいですよ。
次はメルボルンのどこで秘密のコンサートが開催されるかな・・・?