「国交省辞めて、コーチになります!」 第8話 辞職に向けた第一歩
当時国土交通省では、11月1日に「身上申告書」と言われる書類が配られ、11月30日までに所属長(課長)に提出することになっています。
この調書は、これまでの国交省での経歴、家庭の課題など身の上で起きていることなど今の自分の状況を書く欄の他に次の人事異動で希望する部署を記入できます。
後日調書についてヒアリングが行われますが、若干ですが人事異動の参考にしてもらえます。
そう、今年度いっぱいで辞職するならこのタイミングが課長報告するのに一番適しているのです。
この人事の流れは、通称「汽車ぽっぽ」と呼ばれ、Aさんの後任はBさん、Bさんの後任はCさん、Cさんの後任は・・・・と繋がっていきます。
このラインが職種やポスト毎にたくさん存在するのです。人事を考える人は大変です。
つまり、権利上はもっと遅い時期でも辞職願を出せるのですが、そうなると私に繋がっているラインは再構成が必要となるわけです。
係長も結構な年月担っていたので、ラインではまぁまぁ上の方にいたので影響は少なからずあります。
「立つ鳥跡を濁さず」という思いがあったので、この11月中に課長に話すことに決めていました。
コーチングを学び始めた頃は10年で辞職しようと思っていたのに気がつけば、2年で辞職することになりました。
「5話」で書いたとおり、スクールに通いながらどうするか考えたわけですが、その学びの楽しさや充実度、コーチングの可能性を考えたら辞める選択しか考えられませんでした。
迷いが無かったと言えば嘘になりますが、そんなに悩まなかったですね。
今となっては頭がおかしいとしか思えませんが、「全国に私を待っている人がいる。今辞めないとその人達に申し訳ない。」と思ってました。
具体的に誰かにそう言われた訳じゃないんですよ。どうしちゃったんでしょう?
覚悟とはまた違う感覚です。そう信じちゃってるんです。何かに背中を押されるというか、そう決まっているというか、不思議な感覚です。
もうひとつ自分の中に浮かんでいたことは、「私の席は人事異動が行われれば、後任が次の日から当たり前に座ります。
私じゃ無くても仕事は切れ目なく進んでいきます。でもコーチとしての活動は『石橋哲哉』しか出来ないこと。」
私でなければ出来ないことをこれからはやっていきたい。「○○係長」という役職ではなく、「石橋哲哉」個人で勝負していきたい。と思っていました。
そう決めて家族や身内に話し、課長に報告してからの反応については、次の話で。
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