【声劇台本】至って平凡な、イヴィルキラーの話
ボイコネに掲載していたものです。
やって頂けたら嬉しいです。
動画や音声作品として残す場合は
URLを教えていただければ聞きに行きます。
登場人物
エマ:ヒロイン。モンスターに襲われがち。演じる方の性別は不問です。
狩人:人間に害為すものを滅ぼす責務を担っている。演じる方の性別は不問です。
ゾンビ:エマを追いかけている。ゾンビの方は倒されるまで背後で自由に呻いて下さい。男女不問
エマ:はぁっ、はあ・・・っ・・・なによあの化け物!
エマ:(なんて気味の悪い声。)
エマ:(それにしつこいったらありゃしない。)
エマ:(こっちはもうヘトヘトよ・・・。)
エマ:(早く何処かに行ってくれないかしら・・・・・・!)
狩人:おや、お嬢さん。
狩人:そんなに急いでどちらへ?
エマ:何よ、アンタ!
エマ:急いでるのがわかってるなら
エマ:邪魔しないで!
狩人:うん?ああ、低級種か。
狩人:あんなのはどうとでもできるから安心して?、
狩人:そんなことより、これから一緒にお茶でもどう?
エマ:ハァッ?!
エマ:意味がわからないわ・・・。
エマ:っていうか、これでも私、全速力で走ってるんだけど?!
エマ:何で後ろ向きのまま走ってるアンタに並走されてるの?!
狩人:はっはっは、そりゃあ鍛え方が違うからね!
エマ:鍛え方なんてどうでもいいわよ!
エマ:関係ないならアンタもどっかいってよ!
狩人:関係はあるよ。可愛い娘さんを見たら声をかけるのは
狩人:紳士たるものの礼儀だからね?
狩人:しかも見た目も僕の好みにド・ストライク!
エマ:こんなタイミングでナンパ?!
エマ:アーーやだ、ほんとやだ。今日は最悪の日だわ!
狩人:そんなことないって
狩人:僕が今から、最高の日にしてあげるよ!
エマ:あのねえ、この状況で何がどう最高になるっていうの?
エマ:それに、もう足が限界・・・!
狩人:ふむ・・・それじゃあ失礼して(エマを抱き上げて走り出す)
エマ:なっ、何するの!
狩人:いやあ、月夜のランデブーですよ娘さん。
エマ:やめてーーおろしてーーーてごめにされるーーー
狩人:ひとけが無いから良いですけど
狩人:とてつもなく酷い言いようだなあ。
エマ:それこそ、こんな誰もいない森で
エマ:死にそうな女をさらう目的なんて
エマ:それくらいしかないじゃなあああい!
狩人:まあまあ、落ち着いて。
エマ:落ち着いてられるわけないでしょおおおお!
エマ:離して!離してってばあああ!
狩人:こらこら、暴れると危ないよ。
狩人:まったく、しょうがない娘さんだ。
狩人:・・・ちょっとここで待ってて貰えるかな?
エマ:え、あ、ちょ! なんでこんな木の上に?!
狩人:さっきから、うるさいんですよ貴方。
エマ:はああああ?
エマ:言うにことかいてそんなことを・・・!
ゾンビとの戦闘シーン。腰のホルスターから素早く
抜き取った二丁の銃を両手に持って構える。
狩人:アインス、ツヴァイ、ドライ・・・
エマ:(最初、何が起きているのか分からなかった)
エマ:(一瞬でナンパ男の表情が変わって)
エマ:(男の踊るような動きに合わせた数発の銃声の後)
エマ:(そこにいたはずの化け物は消え失せて)
エマ:(・・・静寂だけが広がっていた)
エマ:アンタ・・・何者?
狩人:至って平凡な通りがかりの紳士ですよ。
狩人:さあさあ!邪魔者もいなくなったし
狩人:お茶でも、ちょっと怪しげな宿屋でも!
狩人:最高の日にしてあげるって約束したしね!
エマ:アンタ・・・やっぱそっちが
エマ:目的なんじゃない、この変態!
エマの平手打ちと、狩人の笑い声が響き渡る。
終演