
【新商品 発売記念】苦労と制約から生まれた、クリエイティビティがあふれ出すノートとは!?【Sakumag collectiveインタビュー】
皆さん、こんにちは!
actcoinスタッフの黒木です。
先日、新商品「We Note」の販売を開始した、Sakumag collective(以下、Sakumag)。Sakumagは、actcoinの公式イベントパートナーということもあり、早速インタビューをさせていただくことに!
Sakumagとは、どんな団体なのか?
どのような背景で、We Noteは生まれたのか?
などなど、魅力あふれる団体・新商品の裏側をお聞きしました!
今回お話を伺ったのは!?
今回は、Sakumagから、疋田千里さんと堀井祥子さんにお話を伺いました。

疋田千里さん
<プロフィール>
京都府出身。フォトグラファーとして様々な国の文化に寄り添って活躍する傍らSakumagには、2021年から参画。主に、SNSの発信を担当。We Noteの発刊も担当。

堀井祥子さん
<プロフィール>
千葉県出身。イタリア留学でデザインとアートを学び、帰国後はペインターや写真家、エシカルファッションの販売などを経てSakumagに参画。We Note発刊に当たっては、見開きコンテンツの制作などを担当。actcoinアンバサダーや、チャリティスナックのママとしても活躍中。
Sakumagとは?
佐久間裕美子が2018年から個人プレスとして始めたSakumagが、「Weの市民革命」の刊行をきっかけに読者とともに活動するコレクティブになりました。
社会をより良い場所にすること、共同で学ぶこと、より責任ある制作の形を追求することなどを念頭に活動。コレクティブとして作った制作物、メンバー個人制作のzine、グッズなどを販売しています。
黒:本日は、どうぞよろしくお願いします!まずはSakumagが生まれた経緯について、お聞かせください!
疋:たまたまコロナの時期に、佐久間さんが新刊を出版されました。
「Weの市民革命」という本で「市民が革命を起こせる」という内容でした。やれることをやっていけば、より良い社会を作っていけるのではないか。
この出版を記念して、オンラインでお話会が開催されたのですが、そこに集まったメンバーが起点となって、Sakumagの原型が生まれました。
黒:本自体の問題意識に対し、想いが共通したメンバーがきっかけだったんですね。

堀:コロナの影響は、すごく大きかったと思います。コロナ発生当初に、佐久間さんがインスタライブを、他の国の友人を呼んでたくさん実施していたんです。他国の状況を聞き、日本と比較する中で「海外の市民パワーにエンパワメントされて、日本でもできることがあるのでは!」という気持ちが高ぶってきて…。
コロナ禍で困難が起きてたから、そのぶん共感しやすかったんですよね。
黒:Sakumagは普段は、どのように活動されているんでしょうか?
疋:オンラインで集まる「よりあい」という会をよくやっていました。特にテーマは設けず、集まったメンバーで「日々のモヤモヤ」などを話す会です。Sakumagが開始して当初から半年~1年続いていた後は、忙しくてあまりできていません。
かわりにオフラインで「オープンハウス」という形で集まるようになりました。佐久間さんが帰国するときや、Sakumagのイベントにあわせてメンバーが集まります。
またZINEやアイテムなど、ものづくりをよくします。チーム制でやりたい人が集まります。制作チームになると、MTGを結構やりますよ。

堀:Slackのやりとりは頻繁で、活動の提案があると、新しいチャンネルができます。あとはシェアしたいニュースや、署名が回ってきたりなど、緩やかに動いています。
黒:有志で集まっていらっしゃるのに、精力的に活動されているので、とても気になっていました…!
ここからは本題のWe Noteについて教えてください!We Noteを作るきっかけは、何だったのでしょうか?
疋:数年前のSakumagメンバーの「よりあい」で、「アクティビストに寄り添った手帳を作りたい」というアイデアが挙がってたんです。その時はふとした思い付きで出た話で具体的なプロジェクトには繋がりませんでした。
その後、堀井さんが企画運営をしているソーシャルスナックというイベントで「手帳を作ってみたい」という話が出たんですよね?
堀:その場に、西村修さんという「竹紙」を使ったノートやカレンダーを作る取り組みをしている方がいらっしゃって、WeAct!の1冊目を竹紙で作ったこともあり前からご縁があったこともあり、「ぜひ一緒にやりましょう!」と話が進みました。
スナックの中では、西村さんだけではなく、キニマンス塚本ニキさんもいらっしゃり、「アクティビスト視点でどういった内容が入っていると嬉しいか」リクエストを聞いたりしました。
そこからは一気に「形にしよう!」と火がついた感じで、とんとん拍子で、デザインや内容が決まっていったんですよね。

疋:2~3年眠らせた割には、いざ決まったらスピードめちゃ早いんです!
私が、紙博に出店する予定があったので、「紙博までに完成させよう!」と決まりました。当初はもう少しゆっくり作るつもりだったんですけど…。西村さんに相談したら、「間に合わせますよ!」と快諾いただけました。
本当は、ニキさんに、企画や展開をご相談したかったのですが、余裕がなくなってしまったことが心残りです。
黒:そんなに一気に進むんですね!その勢いで完成度の高い商品ができ上がるのは、すごいですね!
疋:Sakumagは、会社とは違ってボランティアで動く集団なので、「できる人ができることをする」というスタイルです。なので「デザイン業に慣れていて、無茶ぶりされて対応できる人」に仕事が集中したりします。なかには「疲れて次は無理」となってしまうこともあります…。
堀:仕事じゃないから、スケジュール管理が難しくて…。祭り的にやる方が動くんですよね。
疋:仕事のようにスケジュールを管理するのは難しいし、したくない。できる人が拾うから、誰かに負担が偏るんです…。
黒:We Noteのコンセプトは「アクティビストを元気にする」ですが、そういったSakumagの苦労も反映されているような気がしました。ちなみに、ここでいうアクティビストとは、どんな人を指しますか?
疋:アクティビストというと、デモに参加したり、どこかに座りこんだり、大声で抗議する人を想像しがちですよね。
ただ私たちは「生活の中で少しでもなにかを良くしたいと思う人は、きっとみんなアクティビストだ」と考えています。
黒:actcoinのソーシャルアクターに通じる考え方ですね!「元気にする」というと、どんな場面で元気が必要なのでしょうか?
疋:一生懸命になりすぎて、燃え尽き症候群みたいになることがあると思うんです。Sakumagであれば、キャンペーン、オープンハウスの計画など。その間はお祭りのように楽しいんですが、終わると力尽きちゃったり…。疲れ切って立ち上がれない人がでないように、休み休み続けていけるといいな…。助けになるものになってほしいな…。そんな想いを込めました。
堀:社会への問題意識がある人ほど頑張りすぎてしまう傾向があると思っていて。社会のためを思うからこそ、自分を置き去りにしてしまうのかなって、想像しています。
疋:「自分の気持ちに素直になって、ゆっくり休んでもいいんだ」というメッセージを届けたいです。そして、「なんでこんなに疲れているんだろう?」と冷静に考える中で、「社会や会社の仕組み」に目が向くのかもしれません。
堀:個人的な悩みだと思っていることが、実は社会のシステムと深く関わりがあるということですよね。その点に気付けると、自分を責めすぎないようになれるというか。社会に何か働きかけるきっかけになると思います。それは「選挙に行く」などの身近なレベルでもよいので。
疋:紙博での気付きだったんですが、頑張りすぎて疲れることは、アクティビストに限らず、どんな人にも通じるところがありました。例えば、企業で働く人たちもとても疲れている。
企業内アクティビストも大事だと思うんです。企業の中で、文化を変えることは難しいけど、変えていこうとする人。会社を辞めて、自分にできることを探すという人。色々なかかわり方があると思います。

黒:ここからWe Noteの中身について、お聞かせください。We Noteは、5種2冊ずつ、計10冊セットのノートで、「見開き1ページにコンテンツがある」と少し変わった形式ですが、どのように決まったのでしょうか?
疋:西村さんからご提案いただいてこの形になりました。当初は、一般的なダイアリーのように、カレンダーやコラムなど、1冊の中にいろんなコンテンツを入れたいと思っていたんです。ただ「それだと本を作るのと同じくらいお金がかかる」と教えて頂きまして…。「その代わりに白紙部分の多いノートタイプがおすすめだよ」と、アドバイスいただいたんです。
堀:西村さんが既に、竹紙のノートを作っていて、カバーが違う複数種類を展開されていたんですよね。
疋:そうなんです。ただカバーだけしか関われないのは、少し寂しいと思ったんです。
そこでメンバーと相談したところ「印刷する大きな版を10分割にすることで表紙・見開きが5セット作れる」と閃きました。5セットそれぞれで違うデザインにすることで、違う内容を作成することができるんです!
(筆者注:印刷は、版を作るのにお金がかかります。一枚の版で済むならば、コスト削減につながります。)
「とてもいいアイデア!」と思いました。ただカバーも5種類、見開きも5種類作らないといけないので、デザイナーの負担が一気に増えたんですよね。でも「やるんだ!」と勢いで乗り切りました(笑)。

黒:一気に5倍になるのは、とても大変ですよね…!見開きの内容は、どのように決まっていったんでしょうか。
疋:見開きの企画は、堀井さんが携わってくれましたよね!
堀:はい。何か活動していたり、頑張っている人に「自分自身を大事にしてもらいたい」と思って企画しました。
最初は、記念日カレンダーや、おススメの本の紹介というアイデアが出ていました。ただ、Sakumagのメンバーが特に大切にしていることでもあり、「自分を大事にしてもらいたい」ということを伝えたくて、セルフラブについて2つ入ることになりました。
疋:自分に優しくできたら、他者にも優しくできますよね。社会にも優しい視点を持てると思うんです。他人には優しくできても、自分に優しくできない人が意外と多いんですよね。
堀:We Noteを企画していた時期が、ちょうど都知事選選挙の直後ということもあって…。「頑張ったけど、結果が出ない」と落ち込んでいたメンバーが多かったんです。そんな時に「ちゃんと自分を大事にしたいね」と話し合いました。サステナブルという意味では、セルフラブの観点は一番大事だと思っています。
黒:そんな裏話があったんですね!10冊セットというの特徴的ですが、どのような意図でしょうか?
疋:薄いからあっという間に使い切ってしまうと思ったんです。お友達にも配ってみてほしい。自分と友達用とか。
堀:社会課題やセルフラブについて話題にするきっかけに繋がるといいなと思っています!
黒:ノートでかつ複数冊でプレゼントしやすいですよね。actcoinでもソーシャルアクションの輪を広げることを重視しているので、社会問題にそこまで関心が高くない人にも広げたいですよね。
疋:そういう意味では、竹紙で作ったことが大事です。Sakumagでもできるだけ環境に負荷をかけない物作りを心がけているんですが、We Noteは竹で作られているので余剰資材を有効活用することができます。
この竹紙は、西村さんの会社の先輩社員が、1人の活動で始めたそうです。鹿児島の竹が再利用されたり、竹が繁殖しすぎて困っている土地の所有者が助かったりしているそうです。
黒:「企業の中にいて、社会問題への意識を仕事につなげる」という事例でもあるんですね!
堀:誰しも、コミュニティ・会社・近所、何かに必ず所属していると思います。そのなかで自分ができることを。自分の生活、ココロ、カラダを大事にしながらできるといいなと思っています。
身近なところで一歩踏み出すきっかけになったら嬉しいです!

黒:最後に、Sakumagとしての今後の展開についても教えてください。
堀:10/8には、スナックにて、We Note完成お披露目会を開く予定です!10月以降のスナックでも、We Noteに触れられるので、ぜひ来てみてください!(筆者注:インタビューは10月3日に実施しました)
疋:11月に「TOKYO ART BOOK FAIR」に出店する予定で、そこで大々的に推していきます。「TOKYO ART BOOK FAIR」の前後の期間でも、We Noteの活用方法を参加者同士でシェアする会を開きたいです。
また11月末から、12月にかけて、ポップアップに多数出展予定です。そこでもWe Noteを発信していく予定です。ぜひお越しください!
堀:Sakumagメンバーも絶賛募集しています!ニュースレターを購読したうえで、活動に興味をもってコミットしたいと思ったらSlackに参加することができます。Slackで情報が流れてくるので、プロジェクトに手を挙げることができるようになります。

黒:お二人はSakumag以外でも個人としての展開があるかと思いますが…。そちらも教えてください。
堀:「ジェンダーリブナイト(仮)」という企画を構想中です。女性も男性もあらゆるジェンダーの人たちとジェンダーを一緒に語る場所を作りたくて。「ウーマンリブ、メンズリブだと、女性(あるいは男性)片方の意見しかでてこず、混ざりあわないし、排除されてしまうジェンダーがあるな」と感じています。
本当は、どちらも苦しんでいる社会ならば、対話することで理解しあい、一緒に変えていくマインドを作る場所が必要だと思うんです。
疋:私は、コロナをきっかけに韓国ドラマにはまったんですが、そこから韓国やアジアの歴史に興味を持つようになりました。意識が変わったので、写真で撮るものが変わったんです。
例えば、食べ物や環境を色々学んできたことで、台湾の精進料理に興味を持つようになったりだとか。公式サイト上では、「お箸」をテーマに様々な国の文化・食生活などを切り取ったものを公開しています。そういう流れで変化していけたらと思います。
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