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【イベントレポート】ヒトとヒグマの共存について考える「ヒグマクラス」。

こんにちは!actcoin留学生の「てるちゃん」です!

私は9月6日(金)に「特定非営利活動法人TSUNAGU」が主催する「ヒグマクラス」というイベントのオンラインヒグマ学習に参加いたしました。

私がこのイベントに参加した理由は、近年熊の被害が多発していると聞いており「なぜこのような事故が多発してしまうのか」興味があったからです。

人間とクマが共存するには何をすべきなのか、北海道で起きているヒグマ被害を例に学んだ素晴らしい取り組みを紹介します。
読んでいる方もぜひ自分事としてヒグマ問題について考えてみてくださいね。


1.主催団体TSUNAGUのご紹介

特定非営利活動法人TSUNAGUは、ヒトとヒグマの共存を目指して札幌市の
環境保全活動・環境教育活動を行っているNPO法人です。

特定非営利活動法人TSUNAGU公式HP

今回の「ヒグマクラス」も環境教育活動の一環で行っている事業の一つです。「ヒグマクラス」はヒグマと環境問題やヒグマとの付き合い方をテーマにした学習プログラムで、「ヒグマとゴミ問題を理解し、自身のベアスマートを見つける」という目的で開催されています。

ベアスマートとは
『ヒグマ』という隣人(おとなりさん)と上手に付き合うこと」
をいいます。

特定非営利活動法人TSUNAGU公式HPより引用

ベアスマートの根幹には
ヒグマをただ排除するのではなく、共に生きる
という考えがあります。
それを実現するために私たちにできることがあります。

ゲストの紹介

今回の「ヒグマクラス」では2名のゲストを迎えて開催されました。

  • 札幌市環境局 環境都市推進部環境共生担当課長 坂田様

  • 公益財団法人知床財団 伊集院様

お二方に札幌市や知床半島のヒグマ被害や対策について詳しく話していただきました。

2. 札幌市と知床半島のヒグマ被害

札幌市のヒグマ被害

札幌市は人口200万人を超えている日本有数の都市でありながら、土地の約6割がヒグマの生息する森林であるという、ヒトとヒグマの距離が極めて近い地域です。

昨年度のヒグマの出没件数は227件と過去最多の数字を出しており、その中でも南区が大半を占めているといいます。また驚くべきことに、6組のヒグマが出没件数の3割に関与していることが分かっています。

この6組のうち、3組を捕獲することによって出没件数が激減しました。このことから、問題のあるヒグマを駆除することで被害が減るということが分かりました。

知床半島のヒグマ被害

2023年は3月1日から出没し始め、1,306件出没しました。この件数は大変多く、大量出没した年となっております。
今年は3月14日から出没し始め、9月6日時点で788件も出没しています。

衝撃的な事件といえば、観光名所の高架木道でヒグマが観光客に対して
威嚇をする事件が起きています。
このヒグマは観光名所に迷い込んでいるわけではなく、なんと自分から
威嚇をしに高架木道へ来ているとのことでした。
観光客に被害が及ぶ可能性があるため、このあと捕殺されたそうです。

知床五湖高架木道

またこの事件だけでなく、ハンターがヒグマによって怪我を負う事件も
発生しており、危険な事件が多発しております。

例年であれば大量出没した翌年は件数が落ち着きますが、今年は出没件数
だけでなく危険な事件が起こっており落ち着いているとはいえません。

3. なぜヒグマがこれほどに出没してしまうのか

ゴミが招く無意識の餌付け

クマに餌を餌をあげる「餌付け」。
これを行うことによってヒグマは人里に出ることでごはんが手に入ると学習します。

餌付けというと、ヒトが意図して行う行為だと一般的には思われがちですが、意図しない形で餌付けしてしまうことがあるのです。
それは、ゴミのポイ捨てです。

生ゴミ・荷物・魚の餌・さらには市民が作っている鮭とば等によってヒグマが人の食べ物の味を知り、餌付けされています。

餌付けは人慣れは違い、ごはんがもらえると分かっていて近づいてきます。
餌付けされているヒグマの方が危険です。
こういった危ないヒグマは捕殺しなければなりません。

公益財団法人知床財団の伊集院様はこうおっしゃっておりました。


餌やりがヒグマを殺す


私はこれが過言であるとは思いません。
それどころか、ヒトも殺す危険すらあると考えます。

見通しの悪い環境

ヒグマは基本的に臆病な性格であるため、草むらのような見通しの悪い環境を好みます。

草むらはヒグマの活動地点近くの人間の住む土地にもあるため、死角からヒトが襲われる原因にもなります。

これを未然に防ぐため、草刈りを行うことが効果的です。

草むらから襲いかかるヒグマのイメージ

4. 札幌市・知床のベアスマート

札幌市では、熊が出る土地についての理解を促す活動をされています。

<棲み分けへの行動>
ヒグマとの共存のため、4つのゾーンに区分して管理
また、ヒグマ活動エリアとヒトの活動エリアが隣り合わせになっている
札幌市中央の低い山付近を「ヒグマ対策重点エリア」に設定。

<ヒグマ講座>
ヒグマへの知識が疎い子供に向け、ヒグマ講座の実施。
さらに、講座を受けた子供たちからその親へ情報伝達を目指す。
ヒグマが出る土地のことについて理解を促す。

知床財団では、ヒグマ対策グッズや環境教育活動をされています。

<とれんベア>
ヒグマからゴミを取られないようにする強固なゴミステーション

<ヒグマ講座>
ヒグマについての知識や対策についての講座を小学生から高校生に向けて実施。

<クマ端会議>
知床財団の方と地元の方がヒグマについて話し合う井戸端会議。

知床半島に位置する斜里町ウトロ地区に実際に設置されている「とれんベア」

5. さいごに

私の考えるベアスマート

これはクマが生息していない地域に住んでいる私が考えたベアスマートになります。

1. 不要なものの管理の徹底 
大きな問題は小さな問題の積み重ねによって起こることを今回の
ヒグマクラスで理解しました。
日頃からどんな細かなゴミ、自然に還るものでもしっかり指定のゴミ箱か
持ち帰ることの徹底を行います。

2. 後始末の徹底
山や海などに出掛けてレジャー等を楽しんだ後は、来る前よりも綺麗にして片付けることを徹底します。

3. ヒグマ生息地域の理解

ヒグマが生息する地域にお住まいの方がどのような対策などをしているかを理解し、「クマが可哀想」というだけの無責任な感想を思うのではなく、
共存のための道を考える。
また、必要に応じて勉強をし、自然やヒグマに対する理解を深める。

上記のことが達成できれば、ヒグマやそれ以外の社会問題の抑制ができるのではないかと考えます。

今回「ヒグマクラス」に参加してみて、クマだけではなくヒトの行動も原因となって事故が起こっているという現実を知って悲しくなりました。

「関係ないから」という気持ちで済ませるのではなく、自分ごととして考えることが大切だと思います。
ヒグマだけでなく、自然と共存できるよう私もゴミ拾いなどのちょっとしたことから始められればと思います。

ありがとうございました。

ヒグマクラスゴミ拾いイベント

本オンラインイベントの2日後となる9月8日にゴミ拾いイベントが開催されました。札幌市南区の十五島公園から硬石山までの道端のゴミを参加者およそ30人が拾いました。


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