私のスターへ

1994年2月1日、イギリスのある小さな街に生まれた私のスターへ。

彼のことを知って11年目、ちょうど人生の半分を過ぎた今年、私のスターは名実ともに世界のスターになった。
初めて知った時からずっとずっと人気で、ボーイズグループで活動していたときもその人気の中心に彼がいたのは誰の目にも確かで。
グループ活動休止後も、歌手として、俳優として、モデルとして順調に活躍して、まるで未来を見ることができる誰かが彼だけの成功のセオリーを教えているかのように、あっという間に、そしてストレートに世界のスターへと上り詰めていった。

日本に住む私は、彼が活躍する姿を何年もの間インターネットを通じてしか知ることができなかった。
朝起きて、SNSを開いて、彼が世界のどこかで今日もライブをしている姿を見て、その場に行くことができない現実の悲しさを感じる日々を過ごした。

それでも、彼のことを遠い存在だと、遠い存在になってしまったと感じることはなかった。
いくら成功しても、いくら有名になっても、愛らしく、健気で、礼儀正しく、周りの人に愛される彼は、私が好きになった頃から変わっていなかった。

楽しみな予定があって目覚ましよりも早く起きてしまった朝も、重たい瞼を無理やり開けて憂鬱な1日を始めなければならない朝も、気合を入れたい朝も、嬉しいことがあって胸の高まりからなかなか寝付けなかった夜も、嫌なことがあってとても寝られそうになかった夜も、誰にも気が付かれないように声を押し殺して泣いた夜も、彼の曲を聴いていた。

この1年間は特にそうだった。

どんな瞬間でも、どんな感情の時でも、当たり前のようにイヤホンを挿せば聴くことができるその声に何度縋りついて感謝したのか、思い出せないくらい。

だからこそ、いろいろな論争があるけれど、良くも悪くも話題になったけれど、彼のグラミーAlbum of the year受賞も、ブリットアワード4部門受賞も、心から祝福したい。

私のスターへ。
いつでも、どんな日でも私のそばにいてくれた私のスターへ。
あなたのおかげで1日1日を耐えて来られた私の21歳の1年間を支えてくれてありがとう。どれだけビッグになっても、いつでも変わらず私のスターでいてくれてありがとう。
歌手として、スターとしてだけじゃなく、一人の人間として、あなたが幸せだといいなと願いながら。
この思いが直接届くことはないだろうけれど、世界の片隅であなたのことを愛する人が今日もいることを知ってくれたらと思う。

ハリー・スタイルズ、あなたは間違いなく私のスターだよ


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