30℃越えの暑さの中、みんなで冬春の花壇に思いを馳せる!
「暑さ寒さも彼岸まで……」
この言い回し、全然違うのではと誰もが思ったであろう9月19日(火)。彼岸の入りを翌日に控えた府中市は、午前中から30℃を超える夏日でした。ひなたに出ると太陽の光がジリジリとしていて、汗が止まらない、そんな中、行われた第4回目のコミュニティガーデン講座@四谷のレポートです。
●暑さに負けず、みんなで花壇デザインの基礎を学ぶ!
「しかし暑いですね〜」
この夏、何度言ったか分からない言葉を掛け合いながら、朝9時半、四谷一丁目自治会館にコミュニティガーデン講座の受講生の皆さんが集まりました。前回の講座から2か月ぶりの再会で、あちこちで会話が弾みます。
府中市公園緑地課の須田さんの司会で、連絡や注意事項、本日の流れなどのアナウンスがあったあと、講座がスタート。スタッフで四谷住民の林美穂さんから2か月前の講座の様子をダイジェストで説明していただき、みんなしっかり復習ができました。
さて、四谷の第4回目の講座は、花壇デザインの基礎を学びます。
まずは、三浦先生や谷村先生たちがこれまで手がけてきた各地の花壇やコミュニティガーデンの実例を、写真を交えて紹介いただきました。
花壇をデザインする際に、多くの人の悩みのタネが、「どの植物を、どう選んだらよいのか……」という問題です。
植物のフォルムや、咲く花の形、花の色、開花時期、それぞれの植物の好みの環境など、考えないといけないことがたくさんあります。ホームセンターや園芸店に行けば、たくさんのきれいな草花の苗が売られていますが、どれをどうやって選び、どう組み合わせたらよいのか、迷ったり、悩んだりしてしまう人も多いのではないでしょうか?
●植物のフォルムをパーツで考え全体のバランスを取る
考えなくてはいけないことがたくさんある花壇デザインですが、もっとも見た目に影響のある要素が、植物のフォルムと配置の組み合わせです。どんなにすてきな植物を選んでいても、小さな植物の前に大きく育つ植物を植えてしまったら、見栄えもバランスも悪くなってしまいます。
そこで、花壇の決まったスペースに、さまざまなフォルムの植物をバランスよく配置するための練習として、紙とハサミを使ったワークに取り組みました。
A4の紙には、あらかじめ色の塗られたさまざまな形のパーツがあり、これらは、それぞれ植物を植えて育ったときのフォルムを表しています。大きなものや背の高いものは1株、横に少し広がったものは3株ずつ植えたときの姿になっていて、これらを花壇に並べながら、隣り合ったり、前後に配置したりしたときのそれぞれの植物のバランスがつかめるようになっています。
左右対称に配置する人、左右非対称でまとめる人、できるだけ植物を詰め込もうとする人、少ない植物でバランスを取ろうとする人など、集まったメンバーの数だけ、個性豊かな花壇デザインができました。
それぞれのデザインができたら、今度はそれを植物に落とし込む必要があります。
テキストには植物の名称と草丈、花色、花期、特長とともに、今みんなが取り組んだパーツのどれに当てはまるのか、花の形のパターンも書かれた表があり、それを見ながら、実際に植えたい植物について思いを巡らしました。
そこで先生から、次回までの宿題として、ホームセンターやインターネットなどで、この時期どんな植物がどんな値段で販売されているのか、「市場調査をしてきてください」という宿題が出ました。次回の講座まで約1か月、ちょうど秋から冬の植物が出始めるころです。府中市のいろいろな場所から参加している受講生の方たちが、どんな結果を持ち寄るのか、楽しみです。
●モリモリ元気な西府緑地の草花たちを切り戻す!
さて、座学はここで終了。
後半は、花壇に移動します。
前回の講座から2か月、連日30℃を越える猛暑が続いたこの夏。
西府緑地の花壇も、有志のボランティアで何度か水やりが行われました。果たして、前回しっかり切り戻しをした草花たちは、2か月でどんな姿になっているでしょうか。
暑さに負けることなく、草花は元気いっぱい、モリモリ伸びていました!
これなら安心して切り戻しのお手入れ作業ができそうですね。
「お手入れで大事なことは……?」
谷村さんから問いかけに、さっと声があがります。
茶色いものを取り除く
エッジを際立たせる
大きくなった雑草を取る
1の「茶色いものを取り除く」は、枯れた葉や花がらだけでなく、ジニアのように花の中心部分が黄色から茶色に変わったものも、切っても大丈夫だそう。また、大きくなったサンビリーバブルは、倒れかかったその下にある植物を覆うようになっているので、倒れた部分を根元から切って整理。すると下の植物が見えてきて、花壇が華やかに見えます。
先生たちからのお手入れのコツ講習が終わったら、いよいよ班にわかれて作業です。
日当たりのよい入り口そばの花壇に取りかかります。
前回はおっかなびっくりハサミを入れていた受講生の皆さんも、時間が経てば植物たちがちゃんと伸びてくるとわかったからか、今回はあまり迷うことなく、バシバシ切っています。何事も経験ですね。
水を張ったバケツには、切り戻した花で、あっという間にいっぱいに。
これらを持ち帰って飾る“お土産”もお手入れ作業のお楽しみです。
切り戻し作業が終わったら、みんなでたっぷり水やりをしました。
●30℃超えの府中で西府緑地の冬春テーマを絞り出す
今回はこれで終わりではありません。
外は30℃を超える夏日ですが、冬から春の花壇についてのテーマ出しです。
みんなで考え、みんなで楽しむ。テーマのように、みんなで決める必要があるものは、講座で集まった時に決めないといけません。ということで、夏の暑さをいやという程満喫しながら、冬から春の寒い花壇に思いをはせ(汗)、西府緑地の冬春をどんな景色にしたいか、付せんに書き出すワークをしました。
班ごとに自分たちの書き出したキーワードを発表し、それを三浦先生と谷村先生が模造紙に貼っていきます。3つの班が発表を終えた時には、真っ白だった模造紙が付せんでいっぱいになりました!
それらをまとめると、暖かい、風に揺れる、元気・カラフル、寒さに負けない、やさしさ・いやし といったキーワードが浮かび上がってきました。ここからテーマに向かって言葉の絞り込みです。
ランラン、ルンルンといったオノマトペも飛び出して、楽しそうなテーマになりそう。最終的に決まったのは
「春まちルンルン花壇」です。
まちをひらがなにしたのは、「春を待つ」という意味と、「春の街」という2つの意味を込めたため。テーマカラーは「レインボー」がいい! という意見も飛び出て、はたしてどんな冬春の景色が生まれるのか。暑さが一段落したあとが楽しみですね。
文責:小林 渡
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