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「どんな公園にしよう?」 みんなでガーデンの“ありたい姿”を言葉にする!

府中コミュニティガーデン講座

第6回「コンセプトワークと次年度に向けて」四谷西府緑地

 10月中旬になり暑さは収まり、薄曇りで作業はしやすくなってきました。

 これまでの講座では、公園のガーデンコンセプトの決定、デザイン、植え付け、管理などをしてきましたが、今回のテーマは、この四谷の公園でのガーデンコンセプトを考えることでした。皆さんで想いを出し合い、ガーデンのイメージを共有化して、みんなで育てるガーデンをつくる作業を行いました。

いつも綺麗で温かく迎えてくれるウェルカムフラワー(スタッフの林美穂さん作)

 今回も自治会館に集合してスタートです。

 今日も林美穂さんが用意してくれたウエルカムフラワーで皆さんを迎えてくれました。癒やされますね。そして今日は先生の在籍するNPOに実習に来ている実習生大学3年生の太田さんが受講生として参加してくれました。

 早速、小林さんの進行で講座が始まりました。

 はじめは林さんによる振り返りからです。細かく振り返っていただき、しっかり思い出すことができました。

林さんによる振り返り

 そして小林さんから前回アンケートの報告がありましたが、アンケートの中にあった質問事項への回答がありました。

 ご自分のガーデンでは、支給苗は一年草のため、半年ですべての花苗が変わってしまうことがもったいないという思いがあり、宿根草を一部植え込んでいるとのことです。この宿根草を植え込むことで将来的にトラブルはありますかという質問でした。
 先生からはトラブルとなることはないということでした。
 植物の組み合わせの状況でどうしよう、となっても、トラブルと捉えるのではなく植え替えや切り戻しなどにより環境を変更すればよく、その時々のベターな対処法、知識を持っていればいい。対処を楽しむことによりトラブルにならず回避できますとのことでした。いろいろな条件を体験、工夫する経験することで解決できる、楽しんでしまいましょうとの示唆がありました。

 ガーデンでは答えは一つではなくたくさん解決方法があるので、経験をすることが重要なんですね。

 確かに、現在のこの講座のガーデンでも宿根草を植えていたり、先行している宮町、後から始まっているいる紅葉ガ丘の各コミュニティガーデンでも宿根草も一緒に植えています。

府中市から説明をしっかり聴きます

 また、府中市では「府中まちなかきらら」というインフラ管理ボランティア制度)を導入しており、ここに登録されたガーデンで希望する団体には、年に2回、一年草の苗を支給しています。
 ちなみに、一年草としているのは、何かの理由でガーデン管理ができなくなった場合、宿根草だとその後のガーデンの取り扱いが難しくなるためだそうです。
  私たちの関わっているコミュニティガーデンは管理が行き届いていることから、他自治体の状況も勘案して一年草だけではなく緩和することも今後検討したいとのことでした。せっかくつくったガーデンですから、私たちもガーデンをきれいに管理し続けていきたいですね。

 そして、前回、今後管理のために必要な用具を伺ってきましたが、これら用具を入れておくストッカー(ボックス)についても設置の説明がありました。ストッカーに入れるものとしては、先行して講座が行われた宮町中央公園の事例などから、手箕(てみ)、ほうき、バケツ、ジョウロ、ハサミ、使い捨て手袋、小さめなカマが挙がりました。いずれも消耗的なものですが、府中市から提供されるものなので、とっても助かりますね。

 なお、ストッカーへの質問があり、ガーデンのためのストッカーであることは理解しつつ、公園の中のガーデンなので、公園自体の管理用品も入れることができますかとのことでした。回答としては、入るものならば入れることは可能との理解をいただきました。

 ここまでが前回までの振り返りでした。気になっていた質問や疑問もしっかりと聞くことができて、みなさん納得。こうして日ごろ気になったことを聞くことができてアドバイスをいただけるととっても安心(^^)

これからコンセプトワークの検討です

 これからが本日の本題です。

 はじめに四谷のガーデンのコンセプト作りからです。
 これまでもガーデンのつくるときの基本的な方針、いわゆるコンセプトワークはしてきました。しかし、今日行うのは、今後のこの四谷のガーデンを管理をしていくための軸となるコンセプトをつくる作業です。
 どのような公園にしたいのか、どんな公園になっていってほしいのか、それぞれの想いがありますよね。コンセプトはそのまま公園の名前として扱われることが多いことから、コンセプト=公園の名前をつける作業として、みんなで取り組みます。先生からは他の地域にあるコミュニティガーデンの事例も示され、まずは個々が考え、そのうち班内で話し合い、ワイワイと言葉に出したあとは、みんな黙々と付箋紙に書き出していきます。
 気がつけば、たくさんのワードが出てきました。京王線が近くて大きな音がするね、とか多摩川が近いねとか(笑)。
 皆さんがいろいろと意見を出し、悩んで悩んだ結果、「〜電車が見える〜 『四谷の風ガーデン』」となりました。いい名前に決まりましたね。

たくさんのキーワードが付箋に

 みんなでこのガーデンのイメージを共有化して同じイメージで管理できれば作業も効率化し、ガーデン全体のバランスもきれいにまとまります。普段管理に携わっていなくてもこのガーデンを見て心が和やかになったり、コミュニティの場になればいいですよね。

図鑑作成に参考図書

 コンセプトが決まったら、次は植物図鑑の作成です。
 先生からは、植物図鑑を作る目的や、植物の見方の観点ついてレクチャーが行われました。花には和名の他にも一般名、学名、科名などたくさんの分類名があり、なかなか取っつきづらいのですが、一度分類方法が理解できれば、学名を見ることで、原産地の気候型により育ち型がわかり、温度への耐性等もわかります。

気候型を知ると育ち方がわかる!

 これらを踏まえ、受講生の皆さんがそれぞれ自分のイチ推しの植物を題材に、図鑑づくりに挑戦です。スマホを片手に情報を検索し、図鑑づくり用に配られた用紙の各項目に記入をしていきます。
 調べながら「へーそうだったんだ」等と花への理解も深まります。書き込んだ図鑑の用紙は集められ、これからの図鑑の使い方も今後みんなで検討したいとのことでした。いったいどんな図鑑ができあがるでしょうか。

府中市の江内田さんからコミュニティガーデンに対する市の考え方について説明がありました。

 次は、今次年度以降についての活動についての検討です。まず府中市の江内田さんからコミュニティガーデンの基本的な市の考え方や、まちなかきららの制度についての説明。続いて、小林さんより、第1期のコミュニティガーデン講座が終了し、自主的な活動をしている“先輩”の宮町の事例について説明がありました。

 説明を聞いて、四谷でも来年度以降も活動を続けていこうということになりました。幸いなことに、この地域にはすでに植栽や草花を扱う団体が活動を行っており、その団体と合流する形で継続できそうです。
 活動日や活動時間など、細かな内容については、今後関わる方達で決めていけばよいということでした。
 また、1月、3月の活動日についても日程調整をし、
 1月21日(火)
 3月11日(火)

 に活動を行うこととなりました。そして、この「〜電車が見える〜 『四谷の風ガーデン』」の今後の管理と、市との連絡の窓口は、塩飽さんにお願いすることなりました。これからもよろしくお願いします!

 座学としてはここで終了。
 この日は、告知事項が二つありました。日比谷公園ガーデニングショーとワガマチ不思議発見ウォークのお話でした。楽しみな告知情報でした。

 さあ、次年度以降の方向が決まったので、休憩を挟んでガーデンへ移動します。

看板を出しておけば、何の活動かわかってよいですね!
お手入れ前
きれいに咲いていますね
花盛り!
まだまだ綺麗です

 

虫も遊びに来ていました

 今日は、ガーデンの隣に、近くの小学生が植物の観察に来ていました。

将来のガーデナーが出てくるかな


まずはガーデンツアーです

 まずは、いつもの通りはじめにガーデンツアーをし、前回のお手入れから約2週間がたった様子を確認、情報を共有しました。前回から期間が短いことと、マルチングの成果もあり、ガーデンのお手入れの優先順位である、いつもの3つのポイント(①茶色いものを取り除く②エッジを際立たせる③大きくなった雑草を取る)で見ても、大きな草もなく、エッジもきれい、ほとんど手を入れるところがありません。
 今日は花がら摘み程度でしょうか、というのが参加者みんなの感覚でした。

相談しながら作業シートに記入

 いつもの通り皆さんで作業シートに記入して、作業等を共有してからどの花殻をつむかを確認して作業に入りました。
 皆さんサクサクと花がら摘みをして、花壇がすっきりしてきました。
手間がかからずあっという間に今らしいガーデンにまとまりました。気持ちいいですねー。

みなさんサクサク作業中
グラスのミューレンベルギアはカマですくようにします。
カンナもまだまだ咲いています。
シェードガーデンのほうもお手入れしました。

 次回は11月21日(木)。
 いよいよ、コミュニティガーデン講座としては最後となる、冬春の一年草を植えます。次回も楽しみですね。

アオイロフジバカマの蜜を吸うチョウ。大事な蜜源になっています。
こちらはセイヨウヒイラギナンテンの黄色い実。
こちらの花もチョウが蜜を吸っていました。

(文責 萩原 康秋)


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