“雑草という草はない!” 夏のお手入れは優先順位をつけて手早く作業を@第4回紅葉丘中央公園
梅雨が明ける前から30℃超えだったのに、梅雨が明けたら夏がさらにパワーアップ。
人も植物も毎日ぐったりです。
ところが、今年はゲリラ豪雨も含めて定期的に雨が降っているため、
植物は枯れることなく、太陽の光を浴びてぐんぐん伸びていきます。
暑いからと、お手入れをパスしていると、あっという間に緑の海になってしまいます。
公会堂に集まって諸注意や連絡事項、前回の振り返りをみんなで共有したら、
さっそく紅葉丘中央公園へ移動です。
夏のお手入れは、短期集中が基本。
この日も小1時間で切り上げる予定です。
作業の前にまずはガーデンツアーで現状確認を!
公園についたら、まずは全員でざっとガーデンツアー。
1か月前にたくさん抜いたはずのハマスゲやスベリヒユなどの草以外にも
ブラジルミカンソウなど、前回にはいなかったニューカマーが我が物顔で幅をきかせています。
先月と同様、お手入れの目的をみんなで確認。
花壇のお手入れは、その場所の見た目きれいに保つためです。
限られた人数と時間で最大の効果を引き出すため、
お手入れは優先順位をつけて、効率的に行います。
前回紹介したお手入れの3つのポイントをみんなで再確認。
三浦先生から「3つのポイント、何だったか覚えていますか?」の声に、誰ともなくすっと声が上がります。
①茶色いものを取り除く
②エッジを際立たせる
③大きな草を取り除く
①の茶色いものは、すでに咲き終わっている花柄が該当しますが、今回は、③の大きな草を取り除くほうが、優先順位が高そうです。
そこで、5つの班を二つに分け、野の花の銅像側と、歩道側とでそれぞれ大きな草の草取りをすることに。
まだ植物の名前とシルエットが一致していない人にとって、「大きな草を取り除く」といわれても、どれなら取ってもよくて、どれは取ったらダメなのか、わかりません。
三浦先生、谷村先生は、そんな声を先回りして、取るべき草を並べて教えてくれました。
とはいえ、パッとすぐには覚えられないので、「どれか1つ、今日はこれを抜くと決めて作業をすると、迷わないし、草の名前と姿が覚えられて良いですよ」とのアドバイス。たしかに1つだけなら迷いません。
毎月1つずつ覚えていけば、夏秋のシーズンだけでも3〜4種類は覚えられるでしょう。
作業シートに記入し、班ごとに実践しながら覚えましょう!
それぞれ班ごとにまとまって、作業シートに記入しながら、班のメンバーの確認や、この日のお手入れ方針、使う道具などをチェック。作業開始です。
大きな草(あえて雑草とはいわない)は、花壇に植えた草花より背を高く伸ばし、上から覆うようにして映えています。こうなると、下にいる草花は光合成が妨げられてしまいます。
大きな草を取り除くのは、花壇の草花を本来の姿で輝かせるためにも必要なことなのです。
15分ほど作業をしたところで、いったん木陰に戻って飲み物&アメ休憩。
紅葉丘中央公園は大きな樹木があるので、夏は木陰を提供してくれてありがたいです。
一息ついたら、今度はみんなで通路側の花壇のお手入れです。
こちらは、入り口付近に前回たくさん取ったはずのハマスゲがどっさり復活していました。
こちらも人海戦術で取り除き、予定よりも10分ほど早く終了。
エアコンの効いた公会堂へ戻ります!
大変な作業のあとは、冷え冷えの公会堂でお楽しみのクラフトタイム!
びっしょり汗をかいた体に、エアコンの涼しい風が最高!!
みんな笑顔で気持ちよさそうです。
後半は、ラベンダーのリボンサシェづくりから。
三浦先生や谷村先生たちが所属するNPOグリーンワークスが指導している、新木場のハーブガーデンで収穫したラベンダーを使ったクラフトワークです。
自分の好きなリボンを選んだら、お茶パックにローズマリーを入れ、それをリボンでくるんで縛るだけ。
とっても簡単なのに、ラベンダーの香りがふんわり漂ってきて、部屋中いい香り。
ラベンダーには心を落ち着かせる効果もあるそうで、みんな穏やかな表情です。
このラベンダーは、グロッソといい、イングリッシュラベンダーとスパイクラベンダーを交配したものだそうです。
みんなのコミュニティガーデンも、生物多様性の維持に役立っている
世界に1つだけのリボンサシェができたら、次は三浦先生からのレクチャーです。
テーマは、生物多様性について。
みんながお手入れしているコミュニティガーデンが、実は虫や鳥など、小さな生き物たちの大事なすみかとになっています。さらに、こういった小さな緑のスポットと近隣の大きな緑地や公園がつながることで、生き物が行き来できる緑の回廊になる、それがほかの動物たちを支えていきます。
つまり、コミュニティガーデン活動は、動物たちの命を育み、生物多様性を守る手助けにもなるのです。
ちなみに、1羽のオオタカが生きていくために、何匹のイモムシが必要か、皆さんご存じでしょうか?
A 1万匹 B100万匹 C 1億匹
正解はCの1億匹。
オオタカは小鳥や小動物をエサとしますが、私たちの小さな花壇やガーデンも、彼らが食べるイモムシを支えているのかもしれません。
続いて、谷村先生からは、「どんな草を取ったらよいのか」除草についてのレクチャーです。
草が生える仕組みや、根がどうやって伸びていくのかを知り、その上で、放っておくと手間が増えるものを優先的に除草する、という考え方です。
ここでも、限られた時間と人員で、効率よく作業を進めるという、優先順位をつけて進める考え方が徹底されていました。
そんなこんなで、あっという間に12時に。
次回、8月24日(土)はボランティアデーです。
猛暑が続くと思いますので、できるだけ手短に作業を行う予定です。