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地域の花壇と生物多様性~植物も私達人間も同じ一つの生き物だから~
8月28日日曜日、第5回府中コミュニティガーデン講座を開催しました。朝から生憎の雨模様。準備をスタッフがしているときはかなり降りましたが、幸い生徒さんが宮町中央公園に集合する頃には、一時的雨は小降りになり、無事に公園での実習を行うことができました。といっても、雨の予報もでているので、予定していたスケジュールを変更し、公園での講座は最小限に、残りはプラッツに行ってからという内容で実施しました。
☆この季節ならではの大胆な切り戻し
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前回の実習で「頂芽優勢」を学び、切り戻すことで、草花も更に花芽をつけようと成長することを学んだ生徒さんたち。
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GreenWorksの三浦先生、谷村先生が、切り戻しのおさらいを兼ねて、見本の作業をします。1番花壇では、ひまわり(サンフィニティ)が徒長して重さが出て、下に植えた植物の上に覆いかぶさり、日光を遮ってしまっていました。そこで、大胆に下の方を長く切り戻し、軽くしてあげます。切り戻しをしてもまだまだ元気に成長する力がある8月だからこそできる大胆な切り戻しで、9月にはここまでの大胆さでは切り戻しはできないとのこと。今日が最大のチャンスです!
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切り戻すときは、枝が分かれているところからハサミを入れてあげると、切ったあとの枝が見栄えが悪くなることも防げるます。そういった細かいところにも気をつけてできたらいいですね、と先生方からのアドバイス。
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実際にやってみましょうということで、短時間での切り戻しの作業。
皆さん、前回よりは思い切りよくはさみを入れられるようになったのは、前回切り戻した花壇が、2ヶ月経って、モリモリに復活していることを実感できたからだと思います。こちらの3番花壇では千日紅が伸び伸びと枝を伸ばしているので、思い切りよく切って行きます。
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かなりスッキリしたところで、雨も降ってきたので、お花をバケツに入れて、プラッツの会議室に移動しました。
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☆切り戻したお花で花束づくり
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プラッツに到着し、班ごとにテーブルに着席し、まずは切り戻したお花を使っての花束づくりを谷村先生の指導で実施します。プラスチックのコップを使って簡単にだれでもキレイに仕上がる花束づくりの方法。まずはコリウスを3本、茎をクロスさせて生け、その後自分が好きな花を入れていきます。各テーブルを行ったり来たりしながら、自分好みの花を入れていく生徒さんたち。「こういうの苦手なんだよなあー」と言っていた方もいつしか楽しそうに和気あいあいと作業されていました。
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どんなお花の組み合わせでも素敵にマッチして仕上がるのが自然が生み出す色の為せる技。
☆活動日誌をつけましょう
コミュニティガーデンのスリーステップ、みんなで「考える」みんなで「楽しむ」。みんなで「楽しむ」花束づくりで心がワクワクしたあとは、三浦先生の方から、ガーデン活動をする上で大事な内容を講義いただきました。
まずは「活動日誌」です。
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記録をつけると、次の活動がしやすいし、振り返りもしやすい。その日の作業に集まったメンバーで、作業することや優先順位などを共有した上で、作業に入ることがとても重要だし、作業効率も上がるとのこと。そうすることで、短い時間でも作業の達成感が得られ、欠席者への記録ともなる。といったお話がありました。今回は雨でできなかったので、次回以降の講座で実際に班ごとに記載していただきます。
また、道具の管理や片付けについても説明がありました。道具の管理はとても重要です。みんなのお金やときには税金で買っている「みんなの道具」。ガーデンに置き忘れたりすると、刃物などは子供にとって危険です。都立公園の講座などでは、毎回ハサミの泥やヤニを落として、錆止めを吹き付ける、後片付けもとても丁寧にしているそうです。丁寧に扱うことで、次回使う人も気持ちよく作業ができますね。といったお話がありました。
また、個人の道具を持ち込む場合でも、みんなの道具と混在しないように名前を書いておくことが大事です。裏技的なお話として、40℃のお湯に10分間つけるとヤニが落としやすくなるとの情報もいただきました、自宅でのお手入れにも応用できそうですね。
☆自然と仲良くするガーデニングとは
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さて、作業の実践的なお話を聞いたあとは、視点をぐっと地球レベルに引き上げて、「自然と仲良くするガーデニング」「生物多様性」というテーマの講義がありました。
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地球の歴史の中で生物が生まれたのは38億年前。その時に生まれた、たったひとつの単細胞微生物から生き物は進化を続けてきた、植物や人間もその一つとして「今」存在しているとのこと。
その生命は食べる食べられるとい関係以上に、生態系ピラミッドの中で一番底辺で支えている昆虫が、昆虫の食べ物を創出している草花が、草花を支えている土壌などの基盤が豊かで、充実していないと、私達も豊かに行きていはいけないというお話がありました。私達も生物の一つとして、謙虚に他の生物たちを捉えて、大切にしていかなければいけないと感じました。
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今の若い人たちはSDGsや生物多様性、環境への配慮といった視点は当たり前に持っているし、学校でも教えられている世代。世代間交流と言った意味でも、私達も若い人たちが当たり前に持っている感覚や知識を勉強していく必要がありますね、と先生のコメント。今後ガーデンを色々な世代の方たちとやっていく上でも「生物多様性」といった知識を持っていることも大事だなと感じた時間でした。
今回も盛りだくさんで、時間を少し超過するほどでしたが、久しぶりの講座で皆さんも充実した時間を過ごすことで、満足そうな様子が感じられました!
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次回は、9月17日土曜日 「花壇デザインの基礎知識と練習」となります。今回の切り戻した花壇がどのようになっているか、楽しみですね!また次回も元気にお会いしましょう! (文責:事務局 林 瑞恵)