年の瀬の反省@日本科学未来館
2018年11月にアクロストンを立ち上げ2か月が経ちました。
年の瀬らしく、振り返りますと(たった2か月ですが)あのnoteはこんな風に書いたほうが伝わりやすかったのではないか、あのworkshopではあの部分をもう少し掘り下げてもよかったのではないか、など反省もしきり。その中でも2019年の課題にしたいものと出会いました。日本科学未来館にて。
少し前ですが、家族で日本科学未来館に行きました
お台場にある、宇宙飛行士の毛利衛さんが館長の施設です。
この施設では「宇宙」とか「環境」とか「発明」とかがテーマの常設展をやってます。個性的なブースが豊富にあり、じっくり見たら一日では足りません。
日本科学未来館の展示は参加型の物が多く、ゲームをしながら学ぶものやちょっとした実験ができたりして本当に面白い。
ただ一つ、ここで懸念が生まれました。子どもがそこから持ち帰るもの(take home massage)が「あー面白かった!」という感想だけになっていないかと。テーマそのものについての知識や興味をどれだけ持ち帰れるのか、と。
たとえば大人気だった展示「未来逆算思考」
これはまず「芸術」とか「環境」とかのカードを選び、ゴール(50年後の地球)まで滅びないように障害物を避けるゲームです。
ここのゲームで学べることは、未来へ向けて計画を立てる際の考え方。現在から一歩一歩考える(ゲームでは積み立て型思考と名づけてたような気がする)のではなく、未来から逆算して戦略を立てていこう!というものです。
テーマが単純に「環境を大切に」とかポスターの標語的なものではなく、戦略を立てる際の思考方法というのが面白く、またゲームそのものもよくできており、大人気。子供も大人も皆、何度もチャレンジしていました。
私も子供と一緒に夢中になってゲームをしました。最初にどのカードを選べばいいかなども攻略して、そりゃ夢中で勝ちに行きました。
しかし、ここでふとした疑問が浮かんだのです。
「これ、子供にテーマが伝わってるのか?」「このゲームは未来逆算思考がテーマということを覚えている人は果たして何人いるのか。」
**たとえば「ぼくとみんなとそしてきみ」というtuperatuperaさんがキャラクターを手がけている展示。 **
ここは人間の脳がテーマ。「記憶」とか「模倣」とかの認知機能をちょっとした仕掛けとアニメーションで学べる場所です。
これも、とても良く出来ているんです。人間の認知機能という実際に目に見えないものを扱ってるのですが、解説も丁寧だし、アニメーションも面白い。こどもも楽しんで錯覚の実験をやっている。
でも、ここでも感じてしまったのです。
「これ、こどもは理解しているのか?」
私達は医師だから認知機能についての基礎知識があります。でも全く何の知識も無い子供が普段意識してない認知機能について突然見せられて、理解できるのかと。
日本科学未来館の批判をしているのでは全くないんです
この施設、扱うテーマは面白いし、展示の方法も良いし、安いし、ご飯はおいしいし、オシャレでキレイだし、と凄くよく出来てるのです。外国人旅行客もたくさん来てました。
私達も子どもがもう少し大きくなったら年間パスポートを購入しようと考えてます(これも安い!)。
ただ、それぞれの分野のトップランナーと優れたデザイナー達がこんなに素敵な展示を作ったとしても、作り手が伝えたいメッセージを伝えることってなんて難しいんだ、と感じたのです。
そこで、我が身を振り返ってどうなんだと。
noteで書いてるブログ、ツイッター、フェイスブック、ワークショップ、小学校での授業。
これってどうなのよ、と悩んだのです。
特に私達の中核を成すワークショップ。
伝わっているかに敏感でありたい
私たちの性の話のこども向けワークショップの目的は「親子で家庭内で性の話が出来るようにすること」「性の正しい知識を身に付けること」。
布や刺繍糸などカラフルで手触りもさまざまの素材から、子宮、卵巣、精巣、陰茎など性にまつわる臓器を子供たちが自分の手で作り上げ「赤ちゃんはどうやってできるのか」「生理・射精はどんな仕組みなのか」といったことを学んでいく内容です。
ワークショップでは出来るだけ分かりやすい言葉を使い、時には笑いをとりながら、丁寧に子供が理解できるようにと心がけています。
その場は楽しそうにしてくれる子が多いのですが、知識がどれぐらい得られたのか、今後に続き興味を持ち帰ることができたのか、冷静に評価していく必要があるのだと改めて思う年の瀬なのでした。
ワークショップの評価というのはとても難しい話なのでまたいつかnoteに書きたいと思いますが、ひとまず「伝えたいことが伝わっているか」に敏感に2019年の活動は進めていきます。
次のワークショップは未定ですが、希望者が集まってきたので3月頃にできたら開催します。2019年もよろしくお願い致します。
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