カードゲームを作ってみよう
アクロス・ザ・ウォールというカードゲームを作っている龍野竜太郎と申します。今回は自分が行ってきたカードゲームの作り方をまとめていこうと思いますので、もし今後カードゲームを作ってみたいなと言う方の参考になれば幸いです。別にアクロス・ザ・ウォールがどうやって出来たかではないです。
1.どんなカードゲームにしたいかを決めよう。
まず初めに考えるのは自分はどんなカードゲームを作りたいかです。これが分からなければゲームは作れないですね。楽しいとか色んな人に遊んでもらえるようにとかは無しです。当たり前の事なので。要は世界観的なのをある程度考えてみましょう。
2.簡単なルールを決めよう。
勝利条件敗北条件を考えてみましょう。試しに今回はトレーディングカードゲームなどで見かける相手のライフポイントを0にしたら勝ち、自分のライフやデッキが無くなったら負けとします。
他にもデッキの枚数や手札の有無、デッキは共有なのか個別なのかなどなど。
3.どうやって勝つ?
相手のライフポイントを0にしたら勝ち、までは出来ました。次にその方法を考えていきましょう。
例えばモンスターや呪文があって、モンスターで相手に攻撃したり呪文でサポートしたりと良くある感じにしちゃいましょう。 でもこのままじゃありきたり過ぎて“だったら普通に他のTCGやるわ”って思われてしまうかもしれません。なので少し変わったものを考えていきましょう。
4.何で戦う?
モンスターと呪文がある事は確定しました。 でもこのままではありきたりなものが出来てしまいます。なのでここで一捻りしてみましょう。「自分はドラゴンが好きだからドラゴンだらけにしたい、せっかくならドラゴンを育成して戦えたら楽しそうだな」と考えました。 これでこのカードゲームは“呪文でドラゴンをサポートしながら相手と戦う”というコンセプトのゲームになりました。
他にも自分の好みなものをモデルにしたりとかでも良いと思います。
5.どうやって戦う?
どうやって戦うってそりゃドラゴンで戦うんでしょうって思ったかもしれない。そうではなくて、そのドラゴンはどうやって戦ってくれるのかを考えます。ドラゴンといえば口から火とか吐いてるイメージがあるのでここでとりあえずドラゴンの技のカードでも考えておくか、適当に“ファイアブレス”とでもしておこう。でも色んなドラゴンが火を吹くわけでは無いよなぁ…火があるなら水とか電気とかあってもいいよね。追加で“ウォーターブレス”“エレキブレス”とかも作っておこう。とりあえずこれは一旦置いておこう。
そもそもそのドラゴンは無尽蔵に技を出してくるのかな、ゲームにするならコストみたいなのは必要だよね…ちょっとここで他のゲームを参考にしてみようかな、他のゲームでは技を出す時どうしてるかなと考えた時MPとかを消費して技を出してるな…これを参考にしてみよう。
上の項目で育成要素を取り入れたいなと書きましたね。育成するにはどうしたらいいかと考えた時、他のゲームでは敵を倒して経験値を得てそれでどんどん強くなる…を繰り返してますね。これも参考にしちゃおう。
MPを消費して技を出し敵に攻撃して経験値を得て、その経験値でドラゴンを強くしていく…強くなれば強い技も使えるようになりそうだな…よし、いい感じに戦い方までは出来たかもしれない。
6.ゲームの進行や他の細かいルールはどうすれば…?
戦って育成して強くなって…まで出来ましたね。ここまで来るとゲームの大体の流れが見えてきます。次の問題は育成するのはいいけど、どうやってそれを表そうかな。ここは深く考えずドラゴンのレベルがアップする事により強くなっていくと言うのを表現しよう。カードにレベルに応じたドラゴンを描いていこうかな。あとレベルが上がったならよりたくさんMPを消費して強い攻撃が出せるようにしたいよね、高いレベルのドラゴンのカードの隅っこにでも使用できるMPの最大値とか書いておこう。技はどうしようかな…せっかくなら色んな技を出せるようにしたいな、何か良さげな参考にできるものは無いかな…?そういえば◯ケモンは自分で技の構成を組めたよな…これをちょっと参考にして技を固定ではなくそれぞれカードにしてついでに属性も付けて…弱い技のMPは少なく、強い技のMPはたくさんにして………大変なことになってきたなぁ。
他にも手札を増やしたりするにはどうすればとかMPの支払いはどうすればとか色々残ってる…それも調整段階で色々試していこうね。
7.フィールドも考える。
とても大事なものを忘れていた、このドラゴンたちはどこで戦っているのだろう。地上?空中?アナログなので細かい事は気にしないでおこう。とりあえずドラゴンのカードは自分の場に何枚まで出せるのか、1枚だけ?それともたくさん?ここら辺も調整段階で決めていこう。ドラゴンたちを置く場所、デッキを置く場所、MPを表すための道具を置く場所、使い終わったカードを置く場所を決めていってみよう。
8.サポートカードを考える。
ドラゴンたちを支えるためのサポートカードも考えなきゃね。ここで大事なのは何が主役なのかを頭に置いて考えることだと思う。このゲームの主役はドラゴンたちでありプレイヤーはあくまで指示やサポートをする側だ。直接相手に殴りかかるようなカードを作ってしまってはドラゴンたちはただの置物になってしまう。なのでこのゲームではドラゴンたちをサポートするのに徹したカードにしていこう。そうすれば主役が主役として活躍できそうだ。
ドラゴンのカードもサポートのカードも出来た、よし遊ぼう。
9.カードの調整
ここまで来れば6〜7割出来たといってもいいだろう。イラスト?それはまだ先。
とにかくここからが地獄と言ってもいいだろう。無限にテストプレイを繰り返すのだ。テストプレイ、調整、テストプレイ、調整、テストプレイ、調整…これを納得のいくまでやるかその手前でやめるかは作り手次第。
とにかくとにかくとにかくとにかくテストプレイをする。俺もそうした。正直この段階で遊べたものでは無いなと思ったらカードの調整ではなくルールの整備をしよう。ある程度ルールが整ってくるとそこまで調整していないカードたちでもそれなり遊べるようになってくると思う。
10.完成まで。
ここまで来たらあとはカードイラスト、カードの枠、プレイシート、その他諸々作って終わり。やったね!
11.終わりに
ここまで長々と書いていったがこれが大体自分がやって来たことです。カードもルールもめちゃくちゃ書き直した。大変でしたね。カードゲームを作るときは複数人で作ろうね。1人は倒れる。ちなみにカードの調整はそれぞれの効果に点数を付けて一定の数値になるように調整してます。楽なので…
これが誰かの役に立ったらいいなぁ。今回はこの辺で終わります。アクロス・ザ・ウォールをよろしくね。
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