同情するなら愛をくれ
あなたのことが好きです。
そんな使い古された言葉を使った人は今の世の中どれだけいるだろうか。
僕は一度だけある。
一回たりとも何かを差し出せた事もない人に、
今となっても怖い思いをさせたと思ってる。
弁明はこれだけにしておく。
与太話だ、今回こそ聞いたって何にもならない。
だけど書きたいから書くよ。
一旦話を変えて、僕は相当恋愛に臆病だ。
それと人によく「興味なさそう」「性欲がなさそう」と言われる。
自分で思うところはないが、人の話を聞いてると
自分には性欲が薄いんだろう、枯れている方なのだなという事を実感する。
興味の有無は感情と共に、生まれた時点である様に見せてきただけのサイコパスの様なものだと思ってる。
恋愛に奥手なのは、男子校6年間なのもあるが、
小学校の頃に恥ずかしめを受けたのが大きい。
小五くらいの保険のアンケートだったか、「好きな子は居ますか?」「何人いますか?」というものがあった。
僕は好きだった人は何人かいた。
単に「かわいい」程度の評価のものだったと思う。
それを隣の男子に見られた。
秘密にすると言いながら、言いふらされた。
人なんて信じたらいけないと学んだよ。
噂をネタに周りの男どもからからかわれ続け、当人達に白い目で見られて恥ずかしくて恥ずかしくて嫌だった。
五年生の後半くらいだったか、京都かどこかから来た転校生が可愛かったし、一目惚れした。
けど一切関わらないで何も話さない事にしようと思って、遠目に眺めはしたが、勤めて違うことをしていた。
六年生ある日、防災関連か何かの班分けでたまたま一緒になった時、誰かが僕が転校生の事を好きなんじゃないかと冗談めかして言ってきた。
僕は何も反応しなかった。
今思えば、隠すのが下手だったと思ったが、正面きってまた噂が広がるのは嫌だった。
僕は当時ガラスを蹴破った人もいた為、女子が怖いものだとも思っていた。
男子校の中学に行き、その子は中学の間にまた転校したらしい。
そこで話は終わりだ。
あえてその後をまとめると、大学は男子大学がなくて正直怖かったが、二年も経つと意外と女子と話せたし、普通に一年目で最低限の会話はした。
冒頭の話に戻そう。
大学では二人、好きになったことのある人がいた。
片方は何も始まってなく友達として今もたまに駄弁ってる。
二つ下のサークルの後輩だった。
咳き込む声に惚れた。
結局、何もできず、向こうも就活で忙しく邪魔しちゃ悪いと思い、何もできず冒頭の通りになってしまった。
出身を聞いて尚更、共感する余地もないんじゃないかと感じたりもした。
こんな奴に好かれてもーー、心の底で今でもそう思ってる。
俺なんかと結ばれたら、共倒れになってしまうんじゃないかって思ってしまう。
だから多分一生、僕の人生は誰とも付き合うことのない事を祈ってる。
それとあの子は愛嬌が最強だから、いい男が見つかるだろうと思ってる。
ただやっぱり、可愛い女子は目につくし、
男子校故にか守備範囲は広いんだなと感じることがある。
喋らなければ真面目だし行けると言ってくれた友人もいるが、我の強さは捨てたくないのだ。
多分、僕は色々欠けている人間なのだと感じる。
だから、人を知る程身の焦げる様な気持ちに晒される今も。奇行に走り、可愛い女子には遠ざかってもらう様にしている。