Oasis Managementから株主提案を受けたフジテック社の2023年2月の臨時株主総会について③
皆様。
前回は第2弾となる、Oasis Management(以降オアシス表記)から株主提案を受けたフジテック社(以降フジテック表記)の2023年2月の臨時株主総会について②を投稿させていただきました。
第1弾、第2弾と今回の第3弾に繋がっている内容となっておりますので、御覧になってから、こちらのNoteをお読みいただくとより内容が分かりやすいかと思います。
それではどうぞ。
■臨時株主総会以降の動き(2023年2月24日〜)
①2023年3月28日:フジテックが内山高一氏を会長の職から解任
臨時株主総会を経て刷新されたフジテックの取締役会による決議の結果、
前代表取締役社長兼執行役員社長である内山高一氏は、任期満了により取締役を退任することに伴い代表取締役を退任しました。
また、同氏を会長から解職するとともに、フジテックと同氏との間の一切の契約を解除することが決定しました。
【関連資料】
・人事異動(会長の解職)に関するお知らせ
・会長の解職に関する当社独立社外取締役5名からの声明
②2023年3月31日:フジテックが社外取締役である遠藤邦夫氏の辞任を公表
遠藤邦夫氏より当社取締役会の新体制を踏まえ、取締役会の運営の活性化が加速していくために社外取締役就任4年が経つ自身が辞任することが最善と考え、辞任したいと申し出を受けたため、フジテックはそれを受理しました。
これによりフジテックのコーポレートガバナンス体制は以下の通りとなりました。
・フジテックのコーポレートガバナンス(2023年4月10日更新)
【参考資料】
・社外取締役辞任のお知らせ
③2023年4月26日:フジテックはウチヤマ・インターナショナルから、株主提案に関する書面を受領
元会長の内山高一氏率いるウチヤマ・インターナショナルは、以下のように、この提案を通してオアシスを含むアクティビストに対抗するメッセージを発信しています。
「アクティビストの多くは、短期間で高い利益を追求し、速やかに株式を売却することを重視しています。しかし、この姿勢は会社の長期的利益とは相いれません。その結果、経営戦略の議論よりも会社の売却や資産の売却、外部への資産流出を追求することが生じることが懸念されます。フジテックでも、このような現象が起きているとの懸念があります。」
しかし、これまでオアシスが打ち出してきたキャンペーンによって、内山氏の信頼はかなり失われていると見ていいので、今後どうなるかは注視していく必要があります。
また、ウチヤマ・インターナショナルは「Free Fujitec(フジテックを解放する)」というキャンペーンサイトを立ち上げています。
【関連資料】
・株主提案に関する書面受領のお知らせ
④2023年5月9日:元会長の内山高一氏がオアシスを名誉毀損で提訴
元会長の内山高一氏は、オアシスが事実無根の指摘をしたことで名誉を毀損されたとして、オアシス側に損害賠償15億4千万円と謝罪広告の掲載を求めて東京地裁に提訴しました。
⑤2023年5月23日:定時株主総会の付議議案及び株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせを公表
株主提案に対しては全て反対。
そして会社提案に関しては前回総会まで社内取締役だった方々が全員退任し、新たな社内取締役が選任されております。
つまり昨年の定時株主総会時までいた社内取締役は全員いなくなったという状態です。
これまでのフジテックを断つという考えが非常に感じられます。
【関連資料】
・定時株主総会の付議議案及び株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ
・新任取締役候補者、新任監査役候補者及び補欠監査役候補者の選任に関するお知らせ
■まとめ
お疲れ様でした!
全第3弾と非常に長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただいた方、お付き合いいただきありがとうございます。
今回の臨時株主総会を通したオアシスとフジテックの攻防は、様々な議論が繰り広げられ、双方につつくことのできる弱みがある状態でしたが、
株主提案によって社外取締役が解任されるという極めて異例な結末を持って一旦収束しました。
信頼関係が非常に重要と言われる建設業界で、新しい取締役会はどのようにフジテックをより良い方向に導くのか、はたまた悪い方向に行ってしまうのか注視していく必要がありますね。
ちなみに直近の株価動向は以下になります。
提案以降から株価は約3割程度上昇しております。また心なしか出来高は増加しているなと思います。
また、フェーズは『オアシスとフジテック社の対立』から『オアシスと内山氏との対立』に移り変わっております。株価そしてそれらの動向含めて追っていきたいと思います。
進展があり次第情報を更新していこうと思うので、ぜひまたお会いしましょう。