ナナホシマネジメントの視点~焼津水産化学工業株式会社への提案内容を踏まえて~①
今回は焼津水産化学工業株式会社(以降焼津水産化学工業と表記)へのエンゲージメントの公表を受け、ナナホシマネジメントがアクティビストとして活動を開始したことが判明しました。
今回は焼津水産化学工業への提案内容を基に、ナナホシマネジメントが「どういった視点を持って投資をしているのかについてまとめていきたいと思います。
今回はまず第1弾として、焼津水産化学工業への提案内容について振り返っていきたいと思います。
■ナナホシマネジメントによる焼津水産化学工業への提案内容
●ナナホシマネジメントの概要
日本生命保険相互会社、ストラテジックキャピタル等で株式投資業務を経験した松橋理氏がオーナーを務める会社。
ホームページは以下になります。
Welcome | Nanahoshi Management | ナナホシマネジメント (nanahoshimgmt.com)
●保有株式数
57,800株保有(2023年3月31日現在)
●主な提案内容
主な提案内容は以下6点です。
増配~株主資本コストと同水準であるDOE10%相当の配当を行うこと
別途積立金を取り崩し、経営判断の硬直化を防止すること(※)ナナホシマネジメントの代表取締役を、焼津水産化学工業の取締役として派遣すること
剰余金処分を取締役会のみに任せず、株主総会にて決定すること
気候変動リスク対応として、ネットゼロ移行計画を策定・実行し、株主資本コストの低減を図ること
買収防衛策を廃止すること
※株主総会に先立ち、取締役会決議で別途積立金の取崩しを決議したことを受け、株主提案の一部を取り下げる旨の書簡を送付しました。
●提案の主因
低PBRを問題視
資本コストが高まる一方で資本効率性が低位にとどまっていることが問題と指摘、資本コストを低減させ、資本効率性を高めることで株主価値は向上する余地があると見ています。
例えば、株主資本コスト以上のDOEを設定すれば、株主は安定的で魅力的な株主還元に期待でき、株主が焼津水産化学工業に投資するリスクの低減につながると考えています。
そのためナナホシマネジメントは株主資本コストを10%程度と算定していることから、DOE10%に相当する配当を提案しています。
今回は焼津水産化学工業への提案内容と、その提案理由についてまとめました。
次回はそれを踏まえて、もう少し深くナナホシマネジメントの投資に対する考えを考察していきたいと思います。