件の知事はどんな「重い判断」を下すか?【公務員が考察】
昨今ワイドショーを賑わせている某都道府県知事の不信任決議案が、昨日(9/19)可決されました。
同業の公務員、かつ、居住地域が近い私にとって、この話題は大阪都構想なみに注目度が高く、今後の動向が気になります。
知事に残された選択肢
地方自治法では、首長の不信任決議案が可決された場合、10日以内に議会を解散させるか、議会を解散させない場合は失職すると規定されています。
なお、議会の解散を選んだ場合でも、総選挙直後の不信任決議案が再び可決されると失職します。
ちなみに、不信任決議による「失職」と自ら辞める「辞職」とでは少し勝手が違います。失職からの再選では、任期は通常どおり4年のところ、辞職から再戦の場合、任期は当初の期間までとなります。辞職からの再選だと任期が短くなるんですね。
現在、知事が取れる選択肢は主にこの4つだとテレビでは言っていました。
①10日以内に辞職
→ 出直し選挙
②10日経過して失職
→ 出直し選挙
③10日以内に議会を解散
→ 県議会総選挙後、再度不信任決議にかける
④10日以内に議会解散&辞職
→ 県議会総選挙と出直し選挙
以上をふまえ、現役公務員&昨今のニュースで情報をかじっただけの私が、知事はどんな「重い判断」を下すか考察します。
失職を選ぶと思う
結論、②10日経過して失職(からの出直し選挙)を選ぶと私は考えます。
というのも、私がもっている知識(といっても報道レベル+浅い公務員経験ですけど)では、辞職と解散を選ぶ理由が見つからなかったので、消去法的に失職かなぁと。
件の知事は、知事職を続けたいという意思を一貫して表明しています。その理由が県民のためなのかお金のためなのか見栄のためなのかは私が知るところではありませんけど、知事をやり続けたい気持ちは本当なのでしょう。
それに、これまで散々言われても辞職しなかったことを考えると、さすがにここで「はい、辞めます」とはならんかなぁと。
また、政治的戦略で見たとしても、辞職した場合は再選しても任期が残り少なく、すぐにまた選挙になるので旨味が少ない。
ということで、辞職はまずないだろうと。
議会の解散は、これまでの言動(報道レベル)からして十分に考えられます。しかし、今解散をすれば、選挙は間違いなく知事VSアンチ知事という構図となり、報道や関係者の動きによってヘイトをさらに高めそう。そして勝てなさそう。
てか、こんなんで解散総選挙だと、アンチ知事を謳うだけで当選しそうですよね。私も出ようかな…。無理か。
そう考えると、解散も考えづらい。議会に対するせめてもの抵抗という意味ではあり得るのかもしれませんが…。
ということで、辞職も解散もなく、不信任決議をもって失職。信を問うために出直し選挙が1番ありえるんじゃないかなと。月並みな意見ですが…。
強いて次点をあげるとすれば、連休明けに解散と予測。それ以外は…ちょっと考えられないなぁ…。
私見ですが…
ところで、件の知事に対する昨今の報道や国民の反応は、正直行き過ぎているような気がしています。さすがに攻撃的すぎ、煽りすぎ。
もちろん、報道されている内容が事実なのであればそれは許されないことですし、被害者がいることなので、かれらへの向き合い方は考えるべきです。
そもそも、ここまでの大騒動にしてしまったこと自体責任ありです。多分、総務部の職員がめっちゃ電話対応してますよ。毎日お疲れさまです。
ただ、かれが在職中に業績をあげたこともまた事実なようで、公用車の見直しや知事報酬のカット、公共事業の縮減などを実現した(らしい。今調べました…)点は評価されるべきだと思います。
不信任が通った時点でどうせ選挙にはなるんですから、選挙の折には、かれを含む候補者の業績と失敗両方が見られるべきであることは申し添えます。まぁ今は難しいか。
前提として、首長なり議員なりを選んでいるのは住民だということを忘れてはいけません。そして、いったん選んでしまえば、本人が辞めると言わない限り辞めさせることはかなり難しい(手間がかかる)ことはよくわかったと思います。だからこんなに報道されているのか…?
今回を機に、ひとりひとりが選挙や政治に対する向き合い方を見直す必要はあるでしょう。
おわりに
件の知事がどういう選択をしようとも、最低1回(解散+出直しなら2回)は選挙確定。ちなみに、選挙時に投票所を運営するのは自治体職員です。
県下の職員各位、頑張ってください…。