「上海への道」レビュー(世界一周編)
皆さんこんにちは。以前、「休職中にやったこと」という記事において、ファミコンをやりこんだと書かせていただきました。そのなかで一番やりこんだのが「ファミリーマージャンⅡ 上海への道」という麻雀ゲーでした。せっかくやりこんだからレビュー記事でも書こうかと思い立ったのです。
そこで今回は、80年代の麻雀ゲーのレビューというどこに需要があるのかさっぱりわからない記事を書いていこうと思います。よければ最後までお付き合いください。多分、日本一詳しく解説している記事だと思います。
1.「上海への道」とは
(1)ファミリーマージャンの2作目
正式名称は「ファミリーマージャンⅡ 上海への道」で、ナムコが1988年11月25日にファミリーコンピューター向けに発売した麻雀ソフトです。題名のとおりファミリーマージャンシリーズの第2作として発売されました。
このゲームの特徴として、二人麻雀であることや「ポン」「チー」などの副露(鳴き)や「ロン」などの掛け声に音声があることが挙げられます。
ソフトには、CPUと半荘勝負をする「実践麻雀」、麻雀をしながら世界を旅する「世界一周クイズDE麻雀」、CPU7人と総当たり繰り返しながらラスボスを目指す「麻雀グランプリ」の3モードが搭載されています。
今回はそのなかの「世界一周クイズDE麻雀」をご紹介します。
(2)多分祖父の趣味
私とこのゲームとのであいは祖父の家にあったファミコンセットでした。ファミコンはいとこのために買ったと聞いていますが、このカセットは多分祖父の趣味なのでしょう。ロックマンとかマリオとかがひしめき合うなか、これだけが浮きまくっていましたから。
祖父が存命のころの私は麻雀なんてサッパリわからなかったので、プレイしているのを見物して、後述のクイズだけやっていました。「テンパイ!」「ノーテン!」という音声だけは印象に残っていましたね。
(3)私の雀力
私の現在雀力ですが、正直素人に産毛が生えた程度だと思います。大学のときにちょっとかじって、ルールや役をチョロチョロ覚えた程度ですから、打ち筋なんかは全然わかりません。対人戦だったら瞬殺されると思います。
そんな私でも全クリできましたから、ゲームの難易度自体はかなり低いといえるでしょう。
2.世界一周クイズDE麻雀とは
(1)麻雀版ドラゴンボール
ダイヤが埋め込まれた一筒(ダイヤイーピン)、4つ揃えた者には幸福がもたらされるという伝説があるものだそうです。
しかし、そのダイヤイーピンが盗難に遭ってしまい、世界各地に隠されてしまったんだとか。4つ揃えたら幸せになるのに犯人はなぜ世界各地にバラ撒いたのか甚だ疑問ですが、それは置いておいて。
そんなダイヤイーピンを世界中を旅して見つけ出し、東京に持って帰ってくるというのがストーリーになります。
要するに麻雀版のドラゴンボールだと思っておいてください。
(2)ラストチャンスがある
内容がドラゴンボールとはいえベースは麻雀ゲーですので、まずは普通に対局をします。対局は別にどうというものでもないただの2人麻雀です。
ただし、流局(アガリが出なかった時)時の処理が通常の麻雀とは違っていて、プレイヤーの手牌が聴牌(アガリの一歩手前)になっていたときは、ラストチャンスとして追加で3回まで自模ることができます。捨牌も不要。
それで当たり牌を引くことができれば普通に和了(アガリ)として処理がされますし、ちゃんと海底役(最後の1枚でアガった時のボーナス役)と、面前自摸役(自分で当たり牌を引いた時の役)がつくというお得仕様。
ただし、ラストチャンスの自摸は1回につき1,000点消費しますので、引いたものの当たらなかった場合は単純に損しますし、そもそも点数が足りない場合はラストチャンスすら引けません。
(3)ボーナスステージのクイズ
このモードのキーとなるのがクイズステージです。自分か相手どちらかが和了(アガリ)したらクイズが1問出題されます。そのクイズに正解することができればボーナス点獲得です。
ボーナス点は和了時の点数と同じ(ただし1万点が上限)です。なので、自身がアガった場合は持ち点をさらに増やすことができますし、仮に負けたとしても、クイズにさえ正解してしまえば失った点を取り返すことができるようになっています。
クイズは1988年(昭和63年)時点の情報をもとに作られているので、時事問題はやや古かったりもしますが、ほとんど一般常識問題なので今でも問題なく楽しめる内容になっていると思います。
(4)持ち点を消費して移動
対局とクイズを終えたら移動先を選択する画面になり、選んだ都市へ移動することができます。ただし、移動時の交通費は自分の持ち点なので、点数以上に費用がかかる場所への移動はできません。それと、移動直後は点数が少なくなってしまいますので、直後の対局で負けて飛ばされる(点数が0点以下になる)こともザラです。ご利用は計画的に…。
(5)点が増えやすく減りにくい構造
以上が大まかなルールですが、ご覧のとおりこのモードではプレイヤーは持ち点を増やしやすく減らしやすい構造になっています。
局内でアガり切れなかったとしても、ラストチャンスでアガれる可能性がありますし、クイズが合えば点数をさらに増やせる。仮に負けたとしても、1万点までなら取り返すことができる。
持ち点を交通費にするというシステムだからこその優遇だと思いますが、信じられないくらい勝ちまくります。仮に負けが込んだとしても、交通費の安い近場をウロウロすることである程度粘ることも可能です。
3.私なりの攻略法
(1)高目でテンパる
このモードをやりこんでみて感じた手早く攻略するコツは、とにかく高い役へ向かって進めることだと思います。
先述のとおり、テンパってさえいればノーリスクで3枚を自摸れますし、アガった点はクイズでカサ増しができる。仮にやられたとしても、クイズである程度は取り返せるので負けを気にする必要もありません。
ということで、通常よりもかなり攻めた打ち方をしたほうがかえって有利になりますから、通常の麻雀とはかなり異なった立ち回りが求められます(私そんなに通常の麻雀の作法を知りませんけど)。
(2)アジアでコツコツ稼ぐ
ゲームオーバーにならずに一発でクリアしたいのであれば、本格的な移動を開始する前にアジア(トウキョウ・ソウル・ペキン・ホンコン)をウロウロして点数を稼ぐのが良いでしょう。上記4都市であれば2,000点程度で行き来することができますので、交通費が勝ち点を上回ることも少なく、着実に点数が増えていきます。
地味~な作業にはなりますが、30分もあれば10万点くらいには到達しますし、それだけあればよほど負けが込まない限りゲームオーバーになることはないと思います。
(3)こまめにパスワードをとる
このモードでは、当時のゲームには珍しくパスワードをとることができます。ただし、パスワードをとれるのはトウキョウに到達した時のみなので、パスワードありきでプレイするときはトウキョウ周辺で点数を貯めます。
アジアで点数を増やしてからトウキョウへ帰ってセーブ、負けが込んできたらリセットしてやり直し、というこれまた地味~な作業をすれば、10万点はより近くなってきます。
(4)地名はGoogleで調べる
「世界一周」という名を冠しているだけあって、ステージはすべて実際の地名です。結構マニアックな地名も登場するので、地理に明るくない限りは地名を調べながら移動先を決めるのがよいと思います。
実際、私は地名を調べずに移動するプチ縛りプレイでやったんですけど、知らない地名を行き先に選んだら、飛行機が明後日の方向へブーンと飛んでいきました。
いくら作業で点数を貯めたとしても、無駄な移動を繰り返せばゲームオーバーのリスクは上がります。何より、元の場所へ戻るためには麻雀を打たないといけないというめんどくささ。忙しい方はスマホを片手に…。
4.総評
(1)爽快感がある作業ゲー
プレイヤーにとって非常に有利な条件で打たせてもらえるので、高目役を次々アガれる爽快感はあるものの、結局は麻雀を打ってクイズに答えて移動して…という作業をひたすら繰り返すだけなので、全体的にはわりと単調だったりします。
持ち点が交通費として消費されてしまう以上、点数が少なくなったら迂闊に遠出ができなくなりますし、ダイヤイーピンの1つは交通費のかかる場所に隠されているので、移動代を稼ぐために同じ場所をウロウロウロウロしないといけなくなります。私なりの攻略方法でも、序盤はアジアを延々と徘徊しますしね。
ということで、麻雀とクイズを少し楽しみたいライト層向けのモードだと言えそうです。逆に言えば、初心者であってもそう簡単に飛ばされない仕様だといえるので、ちょっとしたエンターテインメントくらいに楽しむのが適当だといえるでしょう。
(2)プレゼントコーナー
以上、上海への道(世界一周編)のレビューでした。近いうちにもう1つのモード(グランプリ編)も出そうと思っているので良ければどうぞ。
長ったらしいレビュー記事を読んでいただき、ありがとうございました。そんなあなたへプレゼント。
持ち点は圧巻の1,044,200点!全局負けつつ、一番高値の移動を繰り返したとしても使いきれないくらいの持ち点です。シンガポールフラグは立ててしまっていますが、ダイヤイーピンは未取得なので、得点を気にせずプレイしたい方はぜひこのパスワードを使ってみてください。
肝心のソフトですが、メルカリとかヤフオクとかを探せば1,000円くらいで買えると思います。別にプレミアゲームでもなんでもないですから。
【グランプリ編記事】
もう1つのモードの「麻雀グランプリ」に関する記事も書きましたので良ければどうぞ。