マイナポイント窓口に見る市役所の未来
皆さんこんばんは。ここ数日は壊滅的にモチベーションが上がらず、かつ睡眠不足による集中力の低下から、全く仕事に身が入っていません。今日は机の整理だったり、不要不急の事務だったり、窓口の応援だったりをして、時間を流しました。働いてただけ奇跡なくらい魂抜けていました。
ここ最近はいかにして定時を迎えるか。いかにして週末を迎えるかばかり考えていますし、なんとしてでも異動してやるというモチベーションだけで体が動いています。睡眠不足やストレスが蓄積すると脳までおかしくなりますね。今日はおとなしく寝ます。
そういえば、最近はマイナポイントのサポート窓口が展開されているのを街中でよく見るようになりました。それだけ、関心が高くなっているということなのでしょう。
私の勤める自治体でも小規模ではありますが、マイナポイントの窓口を開いています。その窓口には日々人が殺到し、絵面はかなり地獄です。まぁ、人口規模大きな自治体では、マイナポイント窓口は阿鼻叫喚みたいですので、その点ではマシだとは言えますけど…。
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最近、マイナポイント窓口を見て、「これが市役所の未来かもな」とふと思うことがあります。そこで今回は、マイナポイント窓口を見て、私が何を思っているか、オンエアギリギリのトークを展開しようと思います。
怒られませんように。
1.マイナポイントは家でもできる
マイナポイント第2弾はややこしい。いや、実際は結構単純なんですが、ややこしいという印象を国民に植え付けてしまいました。だからポイントの手続きをするのに市役所を訪ねる人が後を絶たず、窓口が地獄になります。
しかし、大前提として、マイナポイントは「家でもできる手続き」です。私たち職員は動作確認のためにリリース当日朝のバスで申し込みましたし、カードを新たに受け取った人の大半は自宅でやると言って帰っていきます。
申し込みサイトのUIもかなり改善されました。たしかに、第1弾のサイトは粗末なものでしたけど、第2弾ではかなり見やすく・使いやすくなっています。申し込み方法をまとめたサイトも増えてきており、ちょっとネットが使えれば問題なく手続きができるようなってきています。
職員側がこんなことをいうのは傲慢かもしれませんけど、マイナポイントの窓口は「手続きをしに来てもらっている」のではなく、「手続きをしてあげている」という特性があります。ここは他の窓口と若干異なりますね。
2.行政手続きのオンライン化は進む
政府は、今年度中にマイナンバーカードを全国民へ普及させると宣言しており、自治体も目標達成に向けて奔走しているところです。さすがに全国民へは普及しないでしょうけど、今年度中に過半数は超えるでしょう。
そうなってくると、マイナンバーカードの電子証明書を使ったオンライン申請を拡充していくことが予想されます。これまでは市役所へ来ないと出来なかった手続きが、マイナンバーカードがあれば自宅でもできるようになっていくのです。
電子証明書を使ったオンライン手続き…マイナポイントがまさにそれです。そういった意味で、マイナポイント窓口は、時代を先取りした窓口の形だと私の目には見えています。
3.広がる手続き時間の格差
オンラインで手続きができる人とできない人とでは、手続きにかかる時間に差が出ます。オンラインでできる人は、自宅で5分、できない人は、役所へ来て2時間待ち。手続きは同じなのに、かかる時間にこれほどの差が生まれるのはあまりにも残酷です。
この図は、携帯ショップと同じですね。オンラインで手続きができる私は5分で機種変更とプラン変更が終わる。一方それができない人はショップへ行って2時間待たされる。
やる手続きが一緒なら、所要時間は短いほうがいい。手続きにかかる時間の大半は、順番待ちの時間です。じゃあ、順番待ちしなけりゃいいじゃん。順番待ちせずに手続するには、オンラインしかない。そういうことです。
近い将来「行政の手続きはなんでこんなに待たされるんだ?」という文句対して、「それはあなたがデジタル弱いからだよ」と論破される未来が来るかもしれません。
そんなわけで、オンライン化の波に乗れる人は自宅から・サクッと手続きを済ませ、そうでない人は対面で地獄を見る。そんな未来が市役所に訪れると私は予想しております。そんな地獄の最前線に立つのが職員ですから、今からかなり震えています。これからはどうなっていくのでしょうか。
4.デジタルとの向き合い方
そんなわけで、デジタル化がどんどん進み、格差が広がっていきそうな気配ですけど、私個人はデジタルに弱い人を取り残さないよう極力努力しているつもりです。
私の両親もデジタルが苦手ですから、そのサポートは可能な限りしています。マイナンバーカードも私がオンライン申請して取りに行かせましたし、ワクチン接種証明書アプリも面倒を見ました。その他、実家のパソコンの
メンテナンスは基本的に私が請け負っています。
私が両親のデジタルをサポートしている理由は、次に技術革新があったときには私がついていけなくなると思っているから。そして、そのときは得意な人(多分自分の子世代)に助けてもらうことになると思っているからです。世代間での助け合いは不可避。今は私が助けてあげられる側なんだから、できることはやるべきだよねという考えです。
社会全体もそうであってほしい。困ったときに頼れる場所がある、困っている人に手を差し伸べる風潮がある。そんな社会のほうが安心できます。私も微力ながらそんな風潮を作る礎になりたいと思います。
とはいえ、デジタル絶対反対!国家の陰謀だ!的な人に対しては手の施しようがというのもまた事実です。そんな覚悟があるのなら、未開の地で生き続けていただければと思います。今の時代、相当不便だと思いますけど。
あなたはデジタル化とどのように向き合いますか?