女性特有の内臓との付き合いについて②
38才になったばかりの晩夏、人間ドックをきっかけに発見された卵巣嚢腫。
その診断が下る直前にたまたま(←)婦人科系に手厚い医療保険に加入しており、「必要ならいつでも切る(保険も降りるし)」という心構えで各種の事前検査を受けました。
はじめに検査をしたクリニックではMRIで悪性でないかどうかまでを診断。腹腔鏡下の切除に対応してくれる総合病院に紹介状を書いてもらって改めて診断を受けたところ、やはり切除が妥当と判断されて手術日程を予約しました。この間約半年。はじめの診断の晩夏から年を越えて春になっていました。
直近で手術の予約ができる日程はゴールディンウィークの飛び石の平日が空いていると紹介され、入院日程を決めました。
当時は知識がなかったため、月末の入院となったことによる諸々の面倒は後々本当に悔やむことになりましたが、それはまた別の話。
月を跨いで医療費がかかるといろいろ面倒、というのは常識なんですかね…?恥ずかしながら存じ上げませんでした。
ともあれ、入院が決まり、退院後の自宅療養期間の休暇を考慮すると、カレンダーが赤い日が多い日程であったほうが、業務上は差し支えが少なかったことも当時考えていたことでした。今ならそんなことは構わずにコレサイワイと休暇をとりますね。コレは余談。
さて、入院し、全身麻酔を体験したことはなかなか興味深い経験でした。薬がはいった瞬間から目が覚めるまでの記憶は一切ない。目を覚ました瞬間まで寝ていた感覚も夢を見ていた感覚もなかった。
手術中は両腕を上げた姿勢だったらしく、麻酔が覚めたあとの肩こりが何より辛かったかもしれません。痛みを訴えても湿布が処方されただけでした。マッサージが恋しかった。
全身麻酔後の食事は重湯からスタート。重湯→五分粥→全粥→普通食、と説明されていました。粥をどんな気持ちで食べていたかはあまり記憶がないけれど、普通に毎食完食していたと思う。ただ、食べたあとの疲労がすごかった。内臓が消化のために動くことって体力使うんだー!と実感しました。5限目の体育というか、食べたあとすぐ走ったときみたいになりました。ある程度消化が進むまで起き上がれず、胃の動きが体の痛みになって、食後はずっと横になっていました。
粥ですらそんな状態で消化が大変なのに普通食って大丈夫かな、と不安に思っていたその日は土曜日。
土曜日は定食スタイルの食事ではなく「お楽しみメニュー」みたいな設定だったらしく、その日の献立はなんとカツカレーでした。
前日まで粥の消化に苦労していたのに、いきなりカツカレーてまた極端な!いいんか?もうちょっと配慮してくれんもんか?病院が配慮してくれないなら自分が気をつけてカツは残すか?などと思いましたが、結果完食して、消化も苦もなくできました。
回復を実感できて嬉しかったものですが、なんとも人体の神秘ですね。(わたし個人の消化力というポテンシャルが高かったのかもです)
退院の日、切除したものを見せてもらいながら説明を受けました。
卵巣の嚢腫には髪の毛状の物が詰まっていたとのことでした。
また、子宮には筋腫が小さめのものも含め7つあったのでそれもついでに切除したと聞かされました。
卵巣そのものは残すことができたので、今後子どもをもうけることも問題なくできますよ、と説明されました。
当時、子の親になりうるパートナーもおらず、聞き流していましたが。
39歳になるまであと3ヶ月、という頃でした。