【遊戯王マスターデュエル】シンクロ召喚型ヴァリアンツの模索
里パキケをやりたくない逆張り重症患者なので別の方法で先攻制圧を目指す記事
はじめに
筆者は逆張りが大好きなので個性的な挙動に惹かれてヴァリアンツを握り始めたが、筆者は逆張りが大好きなので里パキケをやりたくなかった。
というわけで、本記事はヴァリアンツの王道から外れたデッキ構築について備忘録的に書き残すことを主目的としている。ヴァリアンツの基本的な使い方については割愛するため、ヴァリアンツ初心者の方はまず別の情報を当たってみてほしい。
前置き ヴァリアンツの拡張性
デッキ紹介に先立って、「ヴァリアンツのどこに外部の要素を差し込むことができるか?」という部分に触れておく。興味が無ければ読み飛ばしてもらって構わない。
まずは一般的な展開の流れを紐解いてみよう。
基本的にはこのような流れになるだろうか。デッキからカードを引っ張ってきてリソースの総量を増やすのは①②④のタイミングである。
このうち④《軌跡の魔術師》のサーチ効果は上スケール用のテーマ外Pモンスターに使うと仮定して、それ以外に展開に必要なリンク素材・下スケールに関しては①のテーマ内でサーチ可能なカードで事足りる場合が多い。
つまり、ヴァリアンツのギミックを充分に回すことができれば《エレクトラム》による擬似サーチ1回分の余裕があるということになる。幸いヴァリアンツではEXデッキからの特殊召喚に縛りがつかないため、ここで任意のPモンスターにアクセスできることによって安定して出張要素を組み込めるというわけだ。ヴァリアンツの一般的な制圧手段である「里パキケ」においても、「里」のサーチにこの部分を利用したものと言えるだろう。
そこで、今回はPモンスターの中では比較的扱いやすいチューナーである《ライブラの魔法秤》に着目し、ヴァリアンツにシンクロ召喚を取り入れてみることにした。
構築例
以上を踏まえて、筆者が実際に使っているデッキがこちら。
最終的な出力を大きく左右する初動カードの素引きのために40枚に収めている。強さの程はどうとも言い難いが、一応ランクマッチでマスター1に到達できる程度のパワーはあったことを報告しておく。
- ヴァリアンツ関連カード
初動と展開中のリソースに直結する《東雲》《ヴァイカント》《ソロアクティベート》は3枚採用。その他は《マーキス》の効果の成功確率を上げつつ事故らない程度に、という意識で1〜2枚採用している。《北条》は召喚先を入れていないこと、《マスターフェイズ》は扱いにくいことからお留守番。
《始まりの地》と《ポジションチェンジ》の採用は意見が分かれるところだろう。《始まりの地》の追加効果は任意のPモンスターを展開の上振れに必要な“横方向への動力”に変換できるほか、墓地効果によって3ターン目のリーサルを組みやすくなる点も筆者は好んでいる。一方で手札事故の元でもあるため、下級Pモンスターや汎用手札誘発に替えたり、フィールド魔法そのものの枚数を増やすことでも旨味があるだろう。
EXデッキには、先攻制圧に使えて比較的出しやすい《アルクトス》のみ採用した。《幻中》は召喚のコスパの悪さが気になり不採用。《グランデューク》は展開に利用することもあるものの必須ではなく、筆者はそれよりもシンクロモンスターに枠を割きたかったため不採用としている。
- テーマ外カード
《ライブラの魔法秤》
今回のコンセプトであるシンクロ召喚のためのチューナーとして供給するカード。後述の《レスキューラビット》のために2枚の採用としている。通常モンスターゆえに一部リンクモンスターの素材になれない点に注意が必要。
あまり使うことはないが、P効果でフィールドのモンスターのレベルを変動させる事ができる。例えばレベル4、レベル6のヴァリアンツモンスターを対象に「1」を宣言し、両方をレベル5にすることで《アルクトス》の召喚が可能となる。
《レスキューラビット》
召喚権を使うものの、1枚から《ライブラの魔法秤》を2体リクルートして手軽にリソースを増やせる。そのまま《エレクトラム》のL召喚に繋ぐこともでき、《東雲》へアクセスすることで初動として機能する。
相手の視点では得体の知れないウサギがいきなり出てくるということで、高確率で手札誘発を切ってくれるという副次的な利点もある。むしろPテーマ特有のマストカウンターの存在を悟らせないよう、これ以外の情報を与えないまま召喚したいところだ。なお《レスキューラビット》自身は効果発動時点ではフィールドに居ないために、チェーンされた《灰流うらら》などに《PSYフレームギア・γ》で返すことも可能。
初動として強いものの、最初の1手目に通常召喚する以外の使いどころが無いため2枚にとどめている。……という建前だが、URの生成がしんどいという理由もある。
《EM稀代の決闘者》
ヴァリアンツの上スケールとしてお馴染み(?)。戦闘破壊を1度だけ防げるP効果は、先攻制圧の戦略を取る上ではやはり外せない。
《ペンデュラム・ウィッチ》
下級Pモンスターをサーチする効果を持ち、《東雲》をサーチすることで召喚権を使う初動として機能する。サーチ効果には他のPモンスターも消費してしまうが、その後に自身をPゾーンに置くことができるため《始まりの地》や《エレクトラム》のコストに利用すると無駄がない。
Pスケールが8であることも都合が良く、コストとして使った後に《奇跡の魔導剣士》で回収して上スケールに使う選択肢もある。
《EXP》
発動すると2回目のP召喚が可能となる。そもそもP召喚の準備が整う前提である上振れ札に過ぎないが、決まった時の爆発力はなかなか楽しい。
このデッキにおけるチューナーの供給は通常召喚+P召喚の2回が限度なのだが、P召喚の回数を増やすことでより多くのシンクロモンスターを並べやすくなる。
《デュエリスト・アドベント》
前述の《ペンデュラム・ウィッチ》と《EXP》のサーチ札。状況によって対応できるよう、サーチ先はピン刺しの上でこちらを複数投入している。
《騎士魔防陣》
突然の別テーマだが、後述の《騎士皇アークシーラ》を介して罠による妨害を構えるための採用。先攻制圧に使うカードとして他を差し置いてサーチするほどには強くない気もするが、制圧手段がモンスター効果に偏るのも良くないだろうという考えで採用に至った。
サーチの効くテーマ名称持ちカードでありながら、発動の条件が無く素引きしても1枚で機能する点がえらい。
- 汎用妨害札
先攻展開を通して勝つことを前提としている点、展開にカードを多く使いたいためメインデッキの妨害札を少なく抑えたい点、相手に《増殖するG》を通されると確実に致命傷となる点を考慮し、《PSYフレームギア・γ》《灰流うらら》《墓穴の指名者》の3種のみとした。
《PSYフレームギア・γ》の発動後は《アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン》を利用してレベル10のシンクロ召喚に繋ぐのが強力だが、下級ヴァリアンツのP効果にチェーンする形で使った場合はそれが不可能になる。その場合は他の組み合わせでのシンクロ召喚に利用するか、《エレクトラム》のコストなどに利用したい。本来の展開を阻害しないよう、置く位置には注意する必要がある。
《増殖するG》は先攻展開にほとんど貢献しない点から引いても嬉しくない場面が多く、思い切って不採用としている。
- EXデッキ
リンクモンスター
Pテーマの展開をサポートする《エレクトラム》と《軌跡の魔術師》
リンク4に繋ぎやすい《奇跡の魔導剣士》
制圧の要となる《アポロウーサ》
リーサルを狙いやすい《アクセスコード・トーカー》
手軽に妨害を作れる《I:Pマスカレーナ》と《S:Pリトルナイト》
という布陣。《I:Pマスカレーナ》と《S:Pリトルナイト》は、《増殖するG》を通された時に少ない手数で用意できる妨害としても重宝する。全てほぼ必須のカードであり、これ以上削ることは難しいのではないだろうか。
シンクロモンスター
ここに採用するモンスターは比較的自由度が高いため、使用者ごとに個性が出ると勝手に思っている。
筆者の構築では、
先攻制圧用に《騎士皇アークシーラ》《氷水啼エジル・ギュミル》《フルール・ド・バロネス》
高レベルに繋ぐ中継用に《振子特急エントレインメント》《アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン》
後攻捲りを想定した《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》《メタファイズ・ホルス・ドラゴン》
の7種類を採用している。個人的にシンクロ召喚が好きなので厚めに入れているが、そうでなければリンクモンスターやヴァリアンツ融合モンスターに枠を譲っても良いかもしれない。
・・・
《騎士皇アークシーラ》はレベルが12と高く、直接の召喚は難しい。しかし《振子特急エントレインメント》による《ライブラの魔法秤》の特殊召喚を介して2回のシンクロ召喚を行うことでも召喚でき、センチュリオン罠をサーチすることで妨害の分散を図っている。
・・・
《メタファイズ・ホルス・ドラゴン》は効果を持つPモンスターを非チューナー素材とすることで、モンスターの効果無効化とコントロール奪取の2つの効果を同時に発動できる。いわゆる“チェーン隠し”を単独で行うことができ、例えば相手の《アポロウーサ》の制圧下でチェーン1の効果を通して無力化するなど、後攻捲りに重宝する。
《スモール・ワールド》の検討
本格的に執筆を開始した時点(前述の構築でランクマを登り切った時点)では視界に入っていなかったが、今になって《スモール・ワールド》もかなり強力なカードであることに気づいてしまった。というわけで、このカードを採用する可能性について考えてみる。
- サーチ経路
上図はこのデッキで《スモール・ワールド》を使った時に繋ぐことができる経路を示したもの。経路の検索と図の出力には「遊戯王 スモールワールド検索ツール」を使わせていただいた。こういうの本当にありがたい。
さて、この図からもわかるように、一例として以下のような経路でサーチを行えるようだ。
《ペンデュラム・ウィッチ》の効果によるサーチも合わせれば、実質デッキ内のすべてのモンスターを《東雲》に変換できる。《PSYフレーム・ドライバー》や重ね引きした《レスキューラビット》といった手札で腐るカードも活かすことができそうだ。
- 初動の引き込み確率の比較
「初期手札と《エレクトラム》の効果までで《東雲》と《ライブラの魔法秤》両方にアクセスする」という展開を理想として、先攻でそれが可能な初期手札になる確率を計算してみた。具体的には以下のような条件となる。
《東雲》または《ソロアクティベート》を引く
《ペンデュラム・ウィッチ》による《東雲》のサーチが可能
《ライブラの魔法秤》または《レスキューラビット》のいずれかを引いた上で、《エレクトラム》の効果で《東雲》を手札に加えられる
《スモール・ワールド》による《東雲》のサーチが可能
すると、先ほど紹介した構築では 84.7% 、そこにただ《スモール・ワールド》を3枚足しただけの43枚構築では 89.4% という結果となった。初動の引き込みだけで言えば間違いなく入れ得である。
とはいえ枚数を増やすと《増殖するG》への対策を引きにくくなってしまうのがネックとなる。それを回避するため、試しに《バロン》《ヴァイカント》《西園》を1枚ずつ減らした40枚にしてみると初動確率は 90.6% に、《始まりの地》《ポジションチェンジ》《騎士魔防陣》を抜いてみると 91.9% にまで上昇した。
コストとしたカードが裏側除外されてしまうことを考えると枚数配分には検討の余地があるものの、やはり《スモール・ワールド》は強力そうだ……。
入れよう!
先攻展開のTips
正直なところアドリブがものを言う部分が大きいのだが、参考のために筆者が普段使っている展開について書いておく。ヴァリアンツの展開は手順が複雑で長くなりがちだが、P召喚を境目として「リソースを増やしながら盤面を整えてP召喚の準備をする前半」と「用意したリソースで制圧盤面を形成する後半」に大別できる。それぞれ分けて考えることとしよう。
例によってヴァリアンツの基本展開の解説は割愛するため、特定の手札からの展開手順などについては他をあたってほしい。
- 前半:《東雲》初動でシンクロ召喚を差し込む
初手に《東雲》か《ソロアクティベート》を引けている場合は召喚権を使わずに展開を進められる。そのため《ライブラの魔法秤》を手札から通常召喚する余力があり、P召喚の前から《フルール・ド・バロネス》を立てて以降の妨害をケアできる場合がある。
例えば、《ヴァイカント》+フィールド魔法の効果などでレベル6ヴァリアンツを余分に特殊召喚できる場合、《エレクトラム》の効果で《ライブラの魔法秤》を手札に加えてから通常召喚することでレベル10のシンクロ召喚が可能だ。
ただし前半のうちからリソースを消費するため、P召喚まで繋げられることを確認してから行うように注意する必要がある。
- 前半:《ペンデュラム・ウィッチ》を使った初動
《エレクトラム》に頼らずに《東雲》をサーチする手段として《ペンデュラム・ウィッチ》を使うことができる。召喚権を使うためシンクロ召喚の回数は減るものの、やはり《東雲》から動いた方が強い。例えば以下のような使い方ができる。
不要なPモンスターをPゾーンに発動。
《ペンデュラム・ウィッチ》を通常召喚。効果で自身とPゾーンのカードを破壊し、デッキから《東雲》をサーチ。破壊時の効果で《ペンデュラム・ウィッチ》をPゾーンに置く。
《東雲》を発動→特殊召喚。効果で《始まりの地》をサーチ。
《始まりの地》を発動し、フィールド魔法のいずれかをサーチ。追加効果で《ぺンデュラム・ウィッチ》を破壊して《ポジションチェンジ》をサーチ。
この手順で《東雲》と移動手段の確保まで可能だ。
また、《ソロアクティベート》かフィールド魔法を素引きしている場合は《ペンデュラム・ウィッチ》を破壊しないまま展開を進めることもできる。
画像は「《ペンデュラム・ウィッチ》の効果を使用して右に置いた後、左から《東雲》を特殊召喚し、サーチした《ソロアクティベート》で左にモンスターを置いた」という状況。素引きしていたフィールド魔法を発動できているため、《ソロアクティベート》の墓地効果で《東雲》を移動できる。
移動したことで再び左からヴァリアンツモンスターを特殊召喚でき、このまま《エレクトラム》に繋ぐことができる。《エレクトラム》の効果のコストにこの《ペンデュラム・ウィッチ》を再利用することで、ヴァリアンツモンスターを消費せずとも1ドローが付いてきて大変お得というわけだ。もちろん上スケールとして残したままP召喚まで持っていっても良いだろう。
《ペンデュラム・ウィッチ》を破壊して展開を進めた場合は、《奇跡の魔導剣士》を召喚することで上スケール用に手札に戻すこともできる。《軌跡の魔術師》と比べるとリンク値の損失を抑えられ、P召喚のためのリンクマーカーも増やすことが可能だ。
- 前半:《レスキューラビット》を使った初動
最初に《レスキューラビット》を通常召喚して効果を使用することで、《ライブラの魔法秤》を2体特殊召喚して一気にリソースを増やすことができる。そのまま2体で《エレクトラム》をリンク召喚して《東雲》を持ってくることも可能であるほか、《東雲》か《ソロアクティベート》も素引きできている場合はそのままシンクロ素材や各種コストにも利用できる。
《ライブラの魔法秤》2体はこの位置に置くのがおすすめ。両側のPゾーンからの特殊召喚を邪魔せず、左側は移動のためのスペースも空いている。画像の状況ではここから、
《東雲》を左から特殊召喚し、フィールド魔法をサーチして発動。
《マーキス》を右から特殊召喚し効果を発動。運が良いと手札が増える。
《マーキス》と右側の《ライブラの魔法秤》を素材に《フルール・ド・バロネス》をシンクロ召喚。
《ソロアクティベート》で左側に《ヴァイカント》を置く。
《ソロアクティベート》の墓地効果で《東雲》を移動。サーチ先は《南月》あたりが良いだろうか。
《東雲》と残りの《ライブラの魔法秤》を素材に《エレクトラム》をリンク召喚。
といった手順でこのような盤面に持っていき、ここから《ヴァイカント》を《南月》で移動するなどしながらさらに盤面のリソースを増やせる。
- 後半:大まかな展開方針
《軌跡の魔術師》をリンク召喚してP召喚の準備が完了した状態を仮定しよう。多くの場合は上の画像のような状況になっているはずだ。
ここから盤面に出力された以下のリソースを利用して最終盤面を目指すのが後半の目的となる。
《軌跡の魔術師》によるリンク値2
フィールドに存在する他のモンスター
EXデッキからP召喚するモンスター
手札からP召喚するモンスター
Pゾーンのヴァリアンツモンスター(P効果を使っていない場合)
今回紹介した構築では、これらのリソースから「2体を素材として1体の大型制圧モンスターを立てる」のが基本と言える。これはリンク4の《アポロウーサ》においても同じで、《軌跡の魔術師》+Pモンスターの2体で《奇跡の魔導剣士》を召喚すればその効果でリンク4まで繋がるのである。
利用可能な制圧モンスターとその召喚に必要なリソースは以下の通り。筆者はこの中から、概ね上から順に優先して立てるようにしている。
《アポロウーサ》:《軌跡の魔術師》+任意のPモンスター
レベル10シンクロ:レベル6ヴァリアンツ+《ライブラの魔法秤》
《アルクトス》:レベル6・8ヴァリアンツ ×2
レベル12シンクロ:レベル4(8)ヴァリアンツ+《ライブラの魔法秤》
《I:Pマスカレーナ》:余ったモンスター ×2
《西園》または《デューク》(移動時の妨害効果をもつヴァリアンツ)
当然だが、これらの素材として必要なモンスターには前半の展開中にアクセスしておく必要がある。特に《アルクトス》はやや素材を揃えにくいため、序盤の《東雲》などでサーチするカードはこれを見越して選びたいところだ。
- 後半:《EXP》を使った展開
《EXP》を引けている場合は、後半の展開の途中でさらにもう一度P召喚を行ってリソースの補充が可能だ。ただしカードが増えすぎると位置によっては展開が止まってしまうため、置く位置に注意する必要がある。
実際の展開例を順に見ていこう。《軌跡の魔術師》まで展開してP召喚の準備が整い、手札に《EXP》がある状況からスタートする。
まずは1度目のP召喚。今回はフィールドにいた《ヴァイカント》をこの後のリンク素材に利用できるため、レベル6ヴァリアンツと《ライブラの魔法秤》をP召喚してそのまま《氷水啼エジル・ギュミル》を召喚する。
この後に2度目のP召喚のためのスペースが必要になること、Pゾーンの《西園》が特殊召喚可能なためその前を空けておきたいことを念頭に置き場所を決めていこう。制圧モンスターは《EM稀代の決闘者》が置かれている側に詰めて置いていく。
さらに盤面に残っているモンスターの消費とリンクマーカーの確保のために《アポロウーサ》を作る。《軌跡の魔術師》と《ヴァイカント》で《奇跡の魔導剣士》を作り、適当なヴァリアンツモンスターをEXデッキから回収→特殊召喚するとそのまま《アポロウーサ》まで繋がる。
ここで《EXP》を発動し、2度目のP召喚を行う。この時、最後にPゾーンの《西園》と合わせて素材にするモンスターを端に置かないよう注意が必要だ。
レベル6ヴァリアンツ2体で《アルクトス》を作る。
最後にPゾーンから特殊召喚した《西園》と残った《ライブラの魔法秤》で《騎士皇アークシーラ》を作りにいく。まずは《振子特急エントレインメント》を召喚し、その効果で《ライブラの魔法秤》を使い回すことでレベル12まで繋がる。サーチした《騎士魔防陣》を伏せて展開終了。
最後に《フルール・ド・バロネス》などでフィールド魔法を忘れずに処理しよう。展開途中に《アルクトス》の効果で《西園》の移動時の効果を誘発し、2分の1の確率で手札に戻すことを狙ってもいいかもしれない。
ちなみにここまでやっても《禁じられた一滴》だけで黙らされて後攻ワンキルされたりする。
より確実に勝ちたいなら里パキケをやった方が良い。
おまけ 別方向のヴァリアンツ
作ってみたもののいまいち手触りの良くなかった派生構築もついでに紹介しておく。
- ディーヴァ初動型
《深海のディーヴァ》の通常召喚から《黄紡鮄デュオニギス》と《深海姫プリマドーナ》を介して《東雲》のリクルートが可能! というギミックを取り入れたデッキ。
《深海姫プリマドーナ》をシンクロ素材として出したモンスターは相手のモンスター効果に対して対象耐性がつくため、《西園》《ヴァイカント》《ペンデュラム・ウィッチ》のいずれかと合わせてレベル10~11のシンクロモンスターに繋ぎたい。ところがこれが絶妙に扱いづらく、素引きすると仕事がなくなる《黄紡鮄デュオニギス》へのストレスもあって断念した。
- シャドール出張融合型
こちらはシンクロ召喚ではなく融合召喚の可能性を模索したデッキ。テーマ外Pモンスターとして「シャドール」から《オルシャドール-セフィラルーツ》を取り入れ、《No.60 刻不知のデュガレス》のX素材にすることでリソースを稼ぎながら墓地に送り、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》で《円融魔術》を撃つことで《エルシャドール・ミドラーシュ》を出す……というなんとも回りくどい制圧を目指すデッキとなっている。
《レスキューヘッジホッグ》からシャドールモンスター《影霊の翼 ウェンディ》とPモンスター《召喚師ライズベルト》をリクルートして展開を補助するギミックや、《幻中》を出すための《ペンデュラム・フュージョン》も搭載している。ところがいまいち噛み合いの悪い部分も多く、安定感の低さは否めない。
おわりに
真似して使うのはおすすめしないが、これを読んでどこかで新しいデッキが生まれてくれたら嬉しい。
あとマスターフェイズをサーチさせろ
おわり