Studio Oneの「コードトラック」がすごい
いつもAudiostockでの活動報告ばかり書いている私ですが、ちょっとDTMの小技やプチ情報も書いてみようと思います。
今回はStudio Oneのコードトラックについてです。これはここ数年で一番、曲作りPC系ツールで画期的だな、と思ったためです。
正直、これが使いたくてStudio One Professinalを使い始めた、という感じです。なので、今となってはLogicやAbleton Liveで作り始めると「あ、コードトラックがない・・・」となってしまいます。
オーディオデータのコード解析
下の画面のような、DAW上のオーディオトラックを解析し、そのオーディオからコードトラックを生成してくれます。手順はドラッグ&ドロップのみ。
そうすると、こんな風にコードネームが並びます。
MIDIデータからコードを解析する機能は他のDAWでもありそう(確かCubaseはできたような・・・)ですが、Studio Oneの場合、オーディオデータでこれをやってくれるのがいいですね。
Studio Oneに付属しているループはもちろんのこと、別途購入したループも即座にコードを確認できます。
新しいトラックにコードを生成できる
単純にこのコード進行で白玉音符のMIDIデータが欲しければ、コードトラックをMIDIトラックにドラッグ&ドロップすればOKです。
ストリングスアンサンブルやシンセパッドを、コードに合わせてとりあえず重ねてみたい、というようなことが即できてしまいます。
また、アルペジオ系のシンセ音源をここに用意すれば、16分音符のシーケンスを重ねる、なんていうのもできますね。
トラックをコードトラックに従わせられる
また、指定したトラックのコード進行を、コードトラックにしたがって変更するのも即できます。
例えば、下の画面の3トラック目は全然関係ないコードで弾いていますが、
「コードに従う」をオンにするだけで、
コードが揃います。(画面下部の和音を見比べてみてください。)
この例はちょっと強引でしたが、例えば上記で言えば「C7のところを別のコードにする」というのも、コードトラックのコード名変更だけでできますね。
実際に私が使った例
先日Audiostockにエントリーした曲がHouseっぽいBGMだったのですが、
最初は「Aパート - Bパート」の進行でつくっていました。しかし、BGMらしく淡々とするならAパートのコード進行でずっと通した方がいいんじゃないか?と思いました。
しかし、後半に向けてじわじわとトラックを重ねているので、トラックのコピー&ペーストというわけにもいきません。
こういうときに、コードトラックだけ変えるだけで9割方解決した、ということがありました。
この例は曲進行をシンプルにする例ですが、より細かなコード遷移にしたいとか、サビ1回目と2回目では少しコードを変えてみるとか、より細かいアレンジにはさらに便利だと思います。
まだ完璧ではないですが、いい感じです
ここまでベタ褒めで書いてきましたが、やはり「なんでそうなる?」というようなコードを生成してきたり、ギターのトレモロエフェクトの揺れ周期に合わせて同じコードがずらっと並んだりと(かなり滑稽でした)、ピアノの余韻部分にコードチェンジがくると摩訶不思議な感じになったりと、もう少し進化して欲しいなと思う部分は多々あります。
また、好きな曲を耳コピするのは、制作とは別にいまだに楽しいので、そのためのツールとしても助かります。
今後のバージョンアップも期待すれば、こういう風に曲データを俯瞰・制御できるのはかなりの時間短縮&制作者の負担軽減になるので、いろんなDAWでこの手の機能がついてくれると嬉しいですね。
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