トラックEQ 自動化プラグイン
楽曲作成のプチネタですが、タイトルづけに迷いました。
改めて書くとたとえば、
を補正してくれるプラグイン、と言ったらいいでしょうか?
Forcusriteの「FAST BALANCER」です。
実はこのプラグイン、同じ機能のものがフリーで配布されていた時期がありました。ベータ版扱いだったのかもしれません。当時の名称は「BALANCER」。すでにサイトが閉鎖されています。
今はこの「FAST BALANCER」となり、$44.99となってしまいました。私はMac版を持っていて今でも使えるのですが、メインPCをWindowsに乗り換えたため、フリー版が使えなくなり、購入してしまいました。
気がつけば、私は常に使用するプラグインになっていたので、こんなに地味なプラグインながらすんなり購入してしまいました。
とにかく時短になる
このプラグインがやっていることは、おそらくこうだと思います。
膨大な各パートの傾向情報から、最適なEQバランス(周波数特性分布)情報を蓄えている
それを、DAW上にある演奏データを比較する
乖離が大きい部分を最適化する
つまり、常識的なバランスを考えてくれて、よくあるそのパートの周波数特性にととのえてくれる、ということだと思います。
音は「基準」が置きにくい
自分の場合、
といったようなことが起こります。音の場合基準点が置きにくく、既に鳴っているパートに釣られるということが多々ある気がします。正直1日寝かせて次の日に聞くと即わかったりするのですが、それだと無駄な音補正時間を使うことになります。
そこで、こういう「客観視プラグイン」があると、冷静に再検討できるという感じです。
使い方が簡単なのがいい
まずターゲットになるトラックがボーカルなのか?楽器なら何なのかを選びます。そのあとトラックを再生してをLearnさせる、それだけです。
注意するとすれば、あまり特殊なフレーズをLearningさせるのでなく、一番その曲で安定した部分をやったほうがいいでしょう。
ベースで高音域ばかり弾いているところでLearningすると、プラグイン側が「低域さっぱりないな。膨らませよう」と動作するように思います。
全トラックで一旦使っています
EQを最適化するプラグインなので、ぱっと聞いただけだと「元音のほうが良かったのでは?」と感じることもあります。単純に聞き映えがするということだけなら、それは大いに起こり得ます。
しかし、楽曲制作ではパート間の噛み合いが大切なので、映えて聞こえるだけでなく最適バランスのEQかどうかのほうが大切です。
このプラグインで魔法のように解決するというよりは、「この音EQバランス悪いな」と気付きを与えてくれるもの、と考えたほうがいいでしょう。
自分的にはすごく頼りになります
とはいえ、実際のところこのプラグインが提案してきたEQバランスのほうが悪かった、ということは私に関してはほぼありません。場合によっては、根本的に音作りし直したほうがいいかも、と気付かされることのほうがほとんどです。
また、画一的に決まったEQバランスに強制変更するのでなく、元音はある程度維持して補正するような動作に聞こえます。意図して薄いベースにする、ということもありますから、ここは重要です。
地味ながらものすごく時短に貢献してくれるプラグインです。
これをもっと高機能に進めたのがiZotopのNeutronだと思いますが、そうなるとまたそこのパラメーターを操作し始めます。そうではなく、シンプルに提案してほしいので、私はFAST BALANCERのほうが使いやすいです。
無償のころに書けば、有意義な情報だったと思うのですが、これに$44.99出そうという人は少ないでしょうね。。。残念。