#14【ゲスト回】コンサルからVCへ!注目VCのSpiralCapital植木修造さん
Acompanyは3月12日(火)、3名の社外取締役就任を発表しました。
これを記念し、AcompanyのPodcast番組『アカン経営トピック』では、3回連続で、新たに社外取締役に就任した方々と高橋との対談を公開しました。
こちらの文字起こしは、第二弾として収録した、SpiralCapital株式会社 植木修造さんの回です。
SpiralCapital株式会社 植木修造
植木さんの自己紹介
高橋
今回はゲスト回、第2弾ということで隠れた傑物である若手注目VCのSpiralCapital植木さんをゲストとしてお迎えしたいと思います。このゲスト回は、前回のBeyond Next Ventures伊藤さんよりスタートした、社外取締役就任記念企画の第2弾となっております。
植木さんにはこの度Acompanyの社外取締役に就任いただきました。元々は2022年に実施しているシリーズAのラウンドから出資をいただき、そこからAcompanyのご支援をしていただいております。では植木さん、よろしくお願いします。
植木
よろしくお願いします。
高橋
今回は雑談から始めることができればと思っています。ちなみに、冒頭「おはようございます」と言ったんですけども、ガッツリもう夕方ですね。収録は華金にSpiral Capitalさんのオフィスにお邪魔して、対面収録をさせていただいています。ここって、いろいろ話題になった麻布台ヒルズですよね。
植木
だいぶ話題になってますね(笑)。今でもまだ、だいぶ人が多いですからね。移転してちょうど4ヶ月ぐらいです。麻布台ヒルズは結構ハイソな感じの店が多くて。まだ、あんまり店舗には行ってないんですよね。
高橋
あ、あまり開拓ができていないんですね。
植木
そうなんですよ。結構、混んでもいるんですよね。
高橋
人もめちゃくちゃ多いですし、お店の雰囲気もいいので、僕も気後れする感じだなと思いながら、来ました(笑)。
さて、場も和んだと思うので、やっていければと思ってます。
まずは植木さんに、簡単な自己紹介をお願いできればと思います。
植木
初めまして。SpiralCapitalの植木と申します。よろしくお願いします。
私自身は元々5年ぐらい戦略コンサルで働いてまして、その後コロナが来る直前の2020年の1月に、このSpiral Capitalに入社した経歴となっています。
コンサル時代は一番長かったのが、ヘルスケアとか製薬業界に関わることろだったんですけれども、その他にもエネルギーとか、製造業、保険みたいな感じで、結構いろんな業界をまんべんなくやってきました。
高橋
結構ディープな領域が多いですね。
植木
そうですね。割とテックっぽい感じの領域は多いかもですね。フラフラとやって来てるというような感じです。
比較的ヘルスケアが多めで、ざっくり僕が見てる先の4割ぐらいの投資先はヘルスケアで、それ以外はバラバラにいろんな領域に投資してるみたいな感じになってます。改めてよろしくお願いします。
高橋
よろしくお願いします。植木さんと僕は同年代ということで、同じ1993年生まれなんですよね。Acompanyの株主の方は比較的、年代上の方が多かったので、同年代で話しやすくて普段からお世話になっています。
とはいえ僕、植木さんがこれまでガッツリどんなことをやってきたのかとかは、あまり聞いてこなかったなと。それで、このポッドキャストを収録するために、植木さんのことを調べたんですよ。でも、全然情報出てこなくて。
なので、植木さんについてこれまでの話とかを深掘って、このポッドキャストで丸裸にできたらなと思っています。
植木
怖いですね(笑)。
高橋
そもそもまずベンチャーキャピタリストでも、いろんなタイプの方がいらっしゃるじゃないですか。前回だと伊藤さんが「ディープテックの人」として確立した領域でやられてる感じなんですけど、植木さんの場合はどんな投資家なんですか。
植木
そうですね。もちろんディープテックに絞っているとかそういうことではなく、先ほども少し触れた通り、ヘルスケアも割とまんべんなく見てるところはあります。前職の影響もあるのかもしれないですけど、比較的社会的意義みたいなものは重視するのかなって思いますね。
高橋
おお、なるほど。
植木
最後には共感がないと、自分も投資した後にちょっと頑張りきれないので。少なくとも社会的意義に共感できるような要素があるというのは、見ていたりするかもしれないです。
高橋
面白い。それでいうと本当ヘルスケアとかなんて、まさにど真ん中という感じですね。
あとは結構面白い企業さんに投資されてることは、僕も印象に残ってて。例えばドローンだったりとか、産業軸でもインパクトがありそうなところというか、ジャンルが様々というところでも、植木さんの「社会的な価値」みたいなところに何か軸を重要視されているんだなってというのは、面白い観点だなと。
元々コンサル出身というのが一つ特徴なのかと思うんですけども、コンサル時代の植木さんは、どんな感じだったんでしょうか。
コンサル時代の植木さんとは?
植木
どんな感じ。そんなにエッジが効いたところはなかったと思いますね。担当していた案件は、基本的に新規事業系でした。いわゆるコストカット系のプロジェクトとかは担当していなかったですし。
高橋
それは前職自体がやっぱり新規事業に強い特徴があったからですかね。
植木
もう1個、前職の特徴として、いわゆるロビイングというか、割と政策に打ち込んでいくみたいなところがありました。なので、いかに社会的意義を説明しながらビジネス化するかみたいな話になってくるので。
学生時代には、それこそ官僚になりたいとかは思ったりはしていました。
高橋
そうなんですね。植木さん、東京大学の法学部出身ですよね。やっぱり法学部だと、官僚志望の方とか多いですか?
植木
やっぱそうですね。ざっくり1学年400人ぐらいいて、どうですかね100人ぐらいいるのかな。
高橋
もう4分の1ぐらいは官僚になったと。
植木
そうですね。とはいえ、僕が卒業した2015年前後、民間に行く比率は増えていきました。それでも多分4分の1はやっぱり官僚になったんじゃないかなっていう気はしますね。
高橋
元々、官僚に興味を持った部分だったり、ロビイングみたいなことをやったりしていたことを踏まえると、新しく何かをやってくところは、志向性の軸として近い部分なのかもですね。
植木
そうですね。結果的にはそこまで考えていたわけじゃないですけど、何となく法学部にもいるし、官僚とか政府系金融機関に行きたいなあぐらいでしか思っていなくて、大して深い考えはなかったというところが、まずぶっちゃけなとこなんですけどね。
高橋
最初の1社目は、どんな形で、決めたんですか。
植木
もう偶然ちゃ偶然で、先ほども触れた通り、全然考えてなかったんで。
元々コンサルという仕事も知らなかったんですが、就活をしていて、2日間のインターンでコンサルワークっぽいプログラムへ参加して、普通に面白いなって思って。
高橋
就活の中のワークで、自分の適性がコンサルに向いているかもと思ったってことですか?そのときはロジック立てたりとか?
植木
テーマは詳しくは何か忘れましたけど、コンサルという仕事を擬似体験したんですよね。「こんな仕事あるんだ」なみたいな感じで、後から知って慌てて受けてみたいな感じで、結構行き当たりばったりだったんですけど。
でもいろいろハードルもあって、英語面接とかもあったんですよね。英語はめっちゃ苦手かっていうと微妙ですけど、別に全然得意ではないので。そういうハードルもあったんですが、幸いにも採用してもらえたので、結果入社したみたいな感じで。
高橋
そうなんですね。いや、でも、今の植木さんは本当に僕らの目線から見ると、すごいやり手感あるので。
植木
ありますかね?
高橋
ありますあります。僕も本当に、植木さんと視聴者の方がお話したことがどれだけあるかってのは怪しいところではあるんですが、でも本当にすごくクレバーだし、思考も深いし、戦略的に物事捉えながら考えられているなあと思っています。
これはもしかしたら、コンサル時代に身につけた後天的なものですか?
植木
後天的なのかなと思うんですけど、どうなんですかね。要領は多分結構いい方だと思います。割と今までのキャリア観的な話でいくと、偶然性が大きいみたいな感じはしますけれど。
高橋
なるほど。
実際、コンサル時代の経験とか、そこで身につけたフレームみたいなものが、今のVCでの働きにポジティブに効いてるものなんですか。
植木
それは本当にそう思います。いろんな要素ではあるんですけど、一つはやっぱり常に新しい領域を見ていくコンサルの仕事は、数回会っただけのクライアントに対して、「僕たち詳しいですよ」という顔をして話さなきゃいけない仕事なので。そういった意味でも、常に新しいテーマに対してどの辺が重要そうなのか、どうやって早くキャッチアップするのかとかは、プロジェクトの初期動作で必要なフレームワークとして備わったのかもしれません。
それもあって、VC時代でも常にいろんなスタートアップと会って、いろんな事業も技術も見ていくことになるんですけど、新しいことをなるべく早くキャッチアップするみたいなところは、コンサル時代と近しいのかなと。
高橋
面白いですね。
今ちょっと聞いてて感じたのが、コンサルティングの場合って、やっぱりそのお客さんに専門家としてのバリューを出さないといけないじゃないすか。それゆえに要所をまず捉えて、周辺のキャッチアップも一緒に行い、深さを出していく必要がある。そこってVCとしての投資検討とかでも、めちゃくちゃ同じ構造なのかなって思いましたね。逆にニーズがありそうなのかどうかの判断も、コンサルの仕事とVCの仕事は似てるのかもしれないと思いました。
植木
そうですね。でも本当、コンサル時代に身につけた要素は、活きている感じはしますね。あとは専門性もありつつ、違う業界に出会ったとしても、過去に出会った業界と同じような構造してるなと思うことは、やっぱりあったりするんですよね。
コンサルいたときも、顧客が対象としてる業界じゃないところから、実際の例を引っ張ってこれたのは、多くの業界をクライアントより見てきているからなんですよね。やはり、専門性だけだとクライアントの方が当然知見もあるので、なかなか価値は出しにくいので。
植木さんがVCになった理由
高橋
面白いですね。今のVCとコンサルっていうところの連動性とかシナジーみたいなところがあるんですね。
植木さんが、コンサルが面白いなと感じてやられてた中から、VCになっていく過程で、スタートアップにより深く関わる仕事をしたいと転職を決断した話があったと思うんですけど、このときになぜ、VCを選択したのでしょうか。また、なんでそもそもスタートアップに深く関わる仕事をしたいって思われたのでしょうか。
植木
そうですね。当時転職を考え始めたタイミングは、大企業向けのコンサルと、スタートアップ企業の資金調達支援を並行してやってたタイミングだったんですよね。いわゆる週の半分で大企業向けのコンサルを、また週の半分で起業家と一緒にVCを回る側をやっており、全然違う仕事を並行して走ってるみたいな感じになっていました。
何に面白さを感じるのかというのはありますけど、シンプルにやっぱりスタートアップの方が起業家なんで、事業に人生かけているので必死さと、本気でやり切ろうというマインドセットと向き合うことができました。
高橋
そういうことですね。
植木
大企業向けのコンサルの場合、プロジェクトが見据えてるテーマが時間軸長かったりとかするので、「そのときってもう担当替えであなたいないですよね」みたいなのもあったりして。ちょっと本気度が違うなとは思っていたんですよね。
高橋
なるほど
植木
スタートアップに関わっている人と、大企業の中でやってる人とどちらを応援する立場になりたいかとなったときに、スタートアップかなと思ったのが一番大きかったですかね。
もちろんスタートアップの方がよりエッジが効いてるというか、本当に一点突破していく感じだと思うんで、よりエッジの効いた技術が触れたいと思ったことが大きいですね。
その中でなぜVCを選んだという理由は、素直に言うと結構消極的でした。26歳ぐらいのときに、まさに転職を考え始めてたんですけど、初めは結構スタートアップを見てたんですよ。比較的VCに行くかってよりは、何かスタートアップに行くかなみたいな感じで探してたんですけど、シンプルにここから5年とか10年かけたいなって思う事業に出会わなかったんですよね。まだそこまで決め切るほど、自分に主体性がなかったんだと思うんですけど。
コンサルを曲がりなりにも5年ぐらい続けた理由も、常に新しいテーマに触れられることができて面白いなと思っていて。どこか1社を選べなかったっていうところと、いろんなテーマに触れられる好奇心的なところも踏まえて、やっぱVCなのかなって思って、VCを選択しました。
高橋
なんか面白いですね。消極的な理由とおっしゃってはいましたけど、やっぱり5年、10年かけるっていうところをちゃんと何か軸として持ちながら動いているところが、普通にすごいなって思いましたけどね。
植木
でもやっぱり、時間はかかることはわかっていたんで。それはVCに行くにせよ、スタートアップに行くにせよ、時間軸は覚悟を持つべきだなと思っていたので。
高橋
なるほど。これでも本当にタイミングと縁というか。そこが単純にスタートアップを探してるって観点だと、植木さんのタイミングに会う会社はなかったっていうことで。
逆に今はもう植木さんは、僕の推しのベンチャーキャピタリストということで、本当にすごいと思ってるんですよね。その支援の質みたいなところもそうだったりとか、いろんな観点はあると思ってるので、僕としては今後も台頭してくる人だよなって思ってるので。
植木
何とかそうならないといけないですね。
Acompanyと植木さんとの出会い
高橋
ちょっとここから、ぜひ植木さんと、Acompanyとの出会いの話に入っていけたらなと思いまして。元々、植木さんと初めてお会いしたのは、あるイベントがきっかけでしたよね。
植木
最初は、15分ほど話しましたよね。
高橋
はい、スマートラウンドさんのやってる壁打ちイベントでお会いしました。1時間半で5、6社お話しするみたいなやつで当時、お話させていただいたところからスタートしました。
ちょうど僕らも次のラウンド始めようかなぐらいのタイミングで、イベントもタイミングよくあったので、ちょっと出てみるかぐらいな感じで。当時、植木さん視点で、Acompanyの投資のプロセスはどんな感じだったのかなっていうのをぜひ聞けたらなと思うんですけど。
植木
初めて高橋さんに会ったときにも少し話したかもしれないんですけど、元々高橋さんの名前自体は知ってたんですよ、お会いする前から。
高橋
はい。
植木
もうこれ、本当偶然なんですけど、1992、93年生まれの人たちでの飲み会があったんですよ。そのときに全然たまたま出てきたトピックで、「93年生まれで優秀な起業家は誰なのか」みたいなトピックをたまたま他の人が出して。そのときに、高橋さんの名前が挙がってて。当時は「そんな人いるんだ」みたいな感じでゆるく聞いてて。
高橋
へー!
植木
多分それがちょうどAcompanyで行くと、note「秘密計算スタートアップを辞めます」を打ち出したぐらいのタイミングでした。
でも当時は、まだあんまピンと来なかったというか、「どういうユースケースなんだろうな」というのはあんまりイメージ湧かなくて。へーって思ってそのまま終了したので。
それでたまたまさっきのスマートラウンドのイベントで、見てたら「いるじゃん」って思って。「これは噂のAcompanyの高橋さんだ」と思って、僕から希望をして、その壁打ちに入ったっていうのが一番最初だったんですよね。
そういう意味では、元からある意味人づてで知ってたってところが最初のとこですね。
高橋
はい。
植木
15分しかなかったですけど、話したときに聞いたユースケースはめっちゃわかるなとは思ったんですよ。もちろん技術とかはまだ全然分かんなかったんですけど、少なくとも冒頭でも触れた通り、ヘルスケア周りで投資をする中でも、データ連携とか同意の取得が難しいよねみたいな話あるんですよね。その辺はネックになってるのは肌感で感じていて。この問題が解決できるっていうのはすごい面白いなと思ったのもあって、強いインパクトは残っていました。そこから投資を本格的に検討し始めました。
高橋
僕、以前、調達の振り返りnoteを出したんですよね。シリーズA終わったタイミングで。
植木
去年の頭くらいのやつ。これ読みました。
高橋
このnoteについて、植木さん視点をぜひ聞きたいなと思います。
植木
そうですよね。まずシンプルにAcompanyは結構複雑な事業なんですよね。
公開されている外側だけ見たら別にそこまで複雑ではないですけど、その裏にある秘密計算の技術もそうですし、どういうふうに法律絡んでんだっけとか。特にその辺の技術法律との絡みで、まず理解が大変だったなっていう記憶はあります。
高橋
いや、めちゃくちゃ多分、植木さんが投資検討されてた中で、一番理解されてたと思いますよ。
植木
ここは唯一、法学部出身が活きたタイミングでした。
高橋
専門を活かして。
植木
法律を原文で読める話とかも含めて、理解難易度はあるなって思います。パパッと見ると、法律論点をちゃんとクリアできているのか?みたいな部分もあって。その辺を正しく理解することが大変な点でしたかね。
ただニーズがあることは、さっきのヘルスケアの話じゃないんですが感じてはいたので、そこはなんか大丈夫じゃないかなとは思いつつ、でも感度がやっぱ業界ごとに違うんだろうなとか思ったので、最初に行くのはデジタルマーケティングとか、そっちの方が先には行くだろうなとか。実際そのときの事業状況もそんな感じでしたし、ニーズはわかるけど、どの業界でどこまでスピード速くいくんだろうなっていうのは、見極めが難しいなと当時は思いましたかね。
でもそこら辺は、基本シリーズAで入ってるし、全然負ってもいいリスクなのかなというふうには最終的に思って。当時それこそ、事業連携もすぐ実現しそうだったんで、その辺りも見ながら、最後顧客インタビューしたのがやっぱデカかったんですかね。
高橋
あーそうですね、あのときは10社以上のVCが参加していましたよね。
植木
あれでインタビュイーだった方々もめちゃめちゃしっかり理解されていることが非常に伝わってきたし、その人たちから信頼を得て、議論できてるってところは、最後の決め手としては大きかったような気はしますね。
大丈夫そうなチームというか、会社なのかなというふうには思いましたね。
高橋
なるほど。経営陣の強みを見ることが植木さんの重視している投資観点とインタビューで拝見しました。Acompanyってどんな印象を持たれてたんですか。
植木さんから見た、Acompanyの強み
植木
そうですね。まず、表面っぽい話になっちゃいますけど、ビジネスと法律と技術が全部揃っていないと厳しそうな感じはありましたね。
特に先ほどの顧客インタビューのときとかも、「ここまで法的な論点も含めて議論できる会社は初めてだ」ぐらいの回答で、何か一部でも欠けるときつそうだなと思ったんですけど、そこは大丈夫そうだなと。ただ、ビジネススタイルは、やっぱり人少なそうなんで大丈夫かなみたいな感じではありましたけどね。
高橋
そうですよね。
植木
あとは、そのビジネスの中の話だと思うんですけど、基本的にはエンタープライズ領域なので、まずその案件自体のデリバリーもそうだし、意思決定の力学を理解して動かせるかとか、この辺がやり切れるのかどうかみたいなところが、Acompanyの場合はポイントでした。そこらへんCOOの佐藤さんはいましたが…。
高橋
当時、佐藤さんしかいなかったですもんね(笑)。
植木
当時はそうですね。
高橋
聞いてる方にも補足をしておくと、AcompanyのCOO 佐藤は、元々新卒アクセンチュアで10年ぐらいやって、前職だとデータ系のスタートアップで上場しているエクサウィザーズで事業開発のマネージャーをやってたバックグラウンドで、エンタープライズ向けのデータ系とか、システムの事業をずっとやってきたっていう方です。さっき言ってたように、ビジネスサイドは佐藤しかいないから、厚み的にも「大丈夫なのか」というところが、さっきのコメントですね。
植木
そこはやっぱりありましたね。
高橋
ありがとうございます。実際、僕の視点からいくと、いろんな担当の方とかも当時シリーズAの観点でお話させていただいてた中で、めちゃくちゃ印象に残ってるのが、植木さんの「通してくるんで」って感がすごかったところですね。
植木
そうでしたかね、あんまり覚えてないですが(笑)。
高橋
担当としてちゃんと説得し切る材料は揃えて、「これでもう通してきます」というそこの安心感がすごい良かったなっていうところと、チャレンジのマックスのとこまで取ってくるところが、植木さんのやり手感を感じたところですね。
植木
懐かしいな。
高橋
これも聞いてる方向けのコメント的なところとして、担当の人が社内をちゃんと説得して案件を通してくれることは、めちゃくちゃ大事なんですけど、結構忘れがちなんです。確かに担当の方がめっちゃいいねって言ってても結局は、投資案件として通らないと意味がない。なので担当の人が社内を説得しきれる人かどうかはめちゃくちゃ大事です。
植木さんはその点はもう間違いないなと感じたところは印象に残ってるところですね。
2022年の12月にファーストクローズでSpiral CapitalをリードでシリーズAをやって、そこから今1年強ぐらいたってきましたが、そのときの期待値に対して今どうですか。
Acompanyへ投資してから1年。期待値は?
植木
そうですね、投資時の期待値からいくと、偉そうに聞こえちゃう(笑)
高橋
いやいや、全然大丈夫ですよ(笑)。
植木
やっぱ当時はニーズと技術はマッチしているものの、ちゃんとプロダクトに落ちるのか論点として残ってたポイントでした。その中で、データクリーンルーム(DCR)という形までプロダクト化して、ビジネス側の体制も整い始めて、みたいなところは本当に大きかったのかなって思いますかね。
高橋
ありがとうございます。ぶっちゃけどうですか。投資してよかったと思いますか。
植木
本当に後悔ないですね。
高橋
ありがとうございます。僕らとしても、植木さんを「傑物」にしていくのは僕らの成果で!と思っているので。
植木
ぜひお願いしたいですね(笑)。
高橋
植木さんは本当に、隠れた傑物だと思ってるので、それを顕在化させるのも僕らの仕事かなって思っています。今後も、一緒に頑張っていけたらと思っております。
社外取締役就任にあたって
高橋
今回、Acompanyの社外取締役に就任いただいたというところで、今後のAcompanyへの期待と、社外取締役視点での抱負をぜひ聞けたらなと思います。
植木
そうですね。投資してからの1年で、本当にしっかりニーズのあるプロダクトまで落とせたというところで、ここからはいかに広げていくかの勝負に入ってきたなというのは感じています。
今までも順調にいきすぎていますけれども、改めて採用も加速させて、チームも強化していった上で、いかに今あるデータクリーンルームを広げられるのかというところが、足元の短期的な勝負どころかなと感じてます。実際やりきるだろうなと期待もしているところでもあります。
あとは中長期的な話になりますけど、Acompanyはデータクリーンルームで留まる会社ではないというのが僕らの投資仮説なので、ここからどういう風に「All-in-one personal data cloud」に向かっていけるのかというところは、中長期でのチャレンジというか、今後の期待なのかなと思っています。
どこからニーズを見つけて山を登ってくか、データクリーンルームからどこに広げていくかは、当然Acompanyに期待してることでもあるし、僕も社外取締役としてちゃんと見極めていかなきゃいけないんだろうなというふうには感じてるので、まずはそこに貢献できると良いかなと思ってますね。
そういう意味では、僕もちゃんと技術もトレンドもキャッチアップしていかないと、進化が早い業界・領域なので、しっかりとやっていきたいなと思いますかね。
あとは最終的に海外展開、ここにいけるかどうか。もちろん、国ごとに規制はある程度違うので、ニーズの濃淡はあると思うんですけれども、どこでも課題になってる話ではあるので、海外向けのネットワークもメンバーの力も借りながら、Acompanyに注いでいくところができると良いのかなと思っています。
高橋
もう全方位的で頑張っていただけるということで、心強いなという。本当にありがとうございます。
ここから植木さんの言っていただいてたようにAcompanyとしては、データクリーンルームを起点としながら個人データの活用をトータルで支援できるようなプラットフォームにプロダクトとして成熟させていくという観点と、あとはグローバルでもしっかりと戦い抜いていくところでを一緒にやっていけたらと思うので、ぜひぜひ引き続きよろしくお願いします。
植木さんに今日長々とお時間いただきながら、深掘っていろいろお話聞けて僕としては非常によかったなと思っています。最後に宣伝の時間をご用意してるので、ぜひ告知のお時間として使っていただければと思います。
植木
そうですね。我々SpiralCapitalも2016年の頭から始まったVCで、比較的新興のVCの方でもあるので、ある意味VCという名の僕らもいちスタートアップみたいな面もあるのかなと思っています。
普通のゼネラルファンドもあれば、CVCに関しても複数運営している形で、積極的に投資活動をやっており、人が追いついていないところが全社的にあるのかな。なので、こういったスタートアップ投資というか、スタートアップを支援していくことに関心がある、心から支援したいと思ってる人には、うちを受けてほしいなと思っております。
高橋
どういうバックグラウンドの方とかがSpiral Capitalさんだと多いんですか。
植木
そうですね。うちも今ざっくり15人ぐらいいる会社で、だんだん多様化はしてきてるのですが、ただ今のところは比較的コンサルとか証券会社出身者が多めかなという感じがありますかね。
ただ、別に絞ってるわけではなくて、あえて全然違うタイプとかも面白いというか、それはそれでいいんじゃないかなと思ってます。
高橋
わかりました、ありがとうございます。これ聞いていただいてるコンサルとか証券会社の方っていうのが大前提ですけども、それ以外の、つまり聞いた方全員が対象ということで、SpiralCapitalに関心ある方は、植木さんのX(旧Twitter)へ直接、ご連絡いただければと思います。
植木
あとは2点目としては、スタートアップ起業家や、大企業で働かれてる方へ向けてなんですが、我々の特徴の一つに、オープンイノベーションがあります。我々はある意味CVCからスタートして、今そこから独立系のVCになったという形できたというのもあり、かなりいろんな企業のアクセラレーションプログラムだったりとかをご支援してきたようなところもあり、オープンイノベーションが一つの軸になっています。
大企業さんから見ると、新規事業をどうやっていくのかという話ですし、スタートアップからすると、シンプルに大企業のリリースを使ってどう成長するかのところになるかと思うので、どっちにも貢献できる話なのかなとは思います。なので大企業さんと組んで伸ばしたい起業家の方もそうですし、CVCを含むオープンイノベーションに課題を感じてる大企業さんにも、ぜひ気軽に声をかけてほしいなと思っております。
高橋
両サイドってことですよね。スタートアップ側も大企業側も。
植木
VCって一種のエージェントみたいだと思うので、両面に貢献できるんじゃないかなってと思いますね。
高橋
ありがとうございます。スタートアップも大企業も、もうSpiralCapitalさんに相談いただければと。
植木
とにかく全方位来てください、ということですね。
高橋
はい、僕としても植木さんに相談しておけば間違いないと自信を持って言えるので、ぜひこれを聞いて「気になるな」と思った方は、植木さんにご連絡いただけるといいんじゃないかなと思います。
植木さん、今日は本当にありがとうございました
植木
ありがとうございました。
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