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【R18】監禁婚 ~選択の日々 凍時編~ 感想

「愛が重い変態」の一言では言い尽くせない、西条凍時という沼の話

MonochromeシリーズでDuskさんの作品にどハマりし、いろいろ調べてみたところ最高傑作という人も多い監禁婚シリーズ。

愛のない凌辱とエロ文脈での妊娠ネタが本当に苦手なのでストーリー説明を読んでずっと躊躇していたものの、いやそのテーマからしか描けない何かがあるはず!どうしても読みたい!という気持ちが勝り、無理だったら撤退するつもりで全編完走しました。

終わってみると(一部除いて)ちゃんと愛はあったな、と。

※自分の場合はトラウマとかがあるわけではなく、望まない妊娠を含む暴力に(萌えに繋がらない純粋な)嫌悪感があるだけなので、心身に負担が大きそうな人はどうか無理なさらないでください。

■監禁婚 ~選択の日々 凍時編~

※連動特典の「凍時が幸せになるルート」はまだ届いていないので未プレイです

話を聞かない変態、最初からアクセル全開じゃないか!!
もう「ぎゃーーやだやだ怖い怖い怖い」「ちょっと待ってこいつ面白いな!?」「うっっわ気持ち悪い!!」「えっ可愛い…?」が交互に訪れて感情がジェットコースター。

ちょっと(怒涛の展開に麻痺して)落ち着いたところで考えると、自分が愛される確率0%と信じている男が愛した相手を手に入れるために起こす行動は無理やり抱いて妻にしてしまうことだというのはわかる。愛するわけがない自分と共に生き続けてもらうためには子どもしか手段がないと考えてしまうのも、共感はしたくないけれども理解はできる。

歪んだ形ではあるけれども、確かにそこには圧倒的な愛がある。
そこははっきり見えるのに、「なぜ彼女なのか」に対する答えって最後まで明示されないんだよ!
「乙女ゲーム」が好きでたくさんプレイしてきて、主人公に向かう愛には必ず理由があると考えていた自分にとってはそこが何よりも衝撃的で。

例えば似たメンタルを持つ息子である光は、(ヒロインは忘れてしまっているけれども)本人にとってはすごく大切な思い出があったからこそあの執着愛になったのだとわかる。
なのに、凍時さんの愛情の核になっているものが徹底的にわからない。自分の人生にはなかった純粋な善性や包容力とかそういうもので言うなら、例えば千夏だってあてはまるわけで。ヒロインの父親が美形という話が出てきたので親世代で何かしらの因縁があるのかと思ったら、それすらない。

その理由をずっと知りたくて凍時さんのことをずっと考えているうちに、理由ってそんなに必要だったのかな……?と思ったところで、もう「愛しい」「幸せになってほしい」の気持ちしかなくなってるのに気付くんだよ!うわーーー!なんてことだ!どハマりじゃん!

その上、愛の理由だけでなく手段も「わからない」。

例えば、全ての始まりである冒頭の車のシーン。
BADを見ると、例えばスイートルームに着くまで眠らせておくことも、ハッピーにする薬で思考を塗り替えてしまうこともできた。もっと言えば、「彼女に好かれるような男」としての「出会い」を作るような方法だっていくらでもあった。
なのに、なんでそんな中途半端なことをしたの!!???
焦っていると言ったって、その気になればクソジジイを消せるし先輩なんて敵ですらなかろうに…。

感情だけで動いたというには周到すぎて、計画的だというにはあまりに衝動的すぎる。
いやーーーわからない!全くわからないよ!
わからないのに、愛の嵐によって開けていく道だけがあるんだよなあ…

さらに、詰んだって思ったら薬盛っちゃうのに正気のヒロインが従順なふりをするのが地雷っていうのもわからない。
ヒロインに殴られたりするのがご褒美的な思考はまだわかるんだよ、好かれることがあり得ないって前提で接するのは楽だしね。
だったら、逃げ出す隙を作るための作戦ってわかってても「まあ引っかからないけどね!」と内心舌を出しつつ楽しんであげて…も……
もしかして凍時さん、彼女からの偽りの「好き」は、一生懸命上げてきたテンションを瓦解させ我に返ってしまうほど「ありえない」の象徴みたいなものだったの?

もうこの「わからなさ」が尾を引いて、これ以降のルートも折に触れて凍時さんのことばっかり考えちゃうんだよ!何なのもう!どうしたらいいのこれ!!

光編で凍時さんなりの(おそらく無意識の)境界線について、一真編で「ひどいことをして手に入れた相手が受け入れてくれた」側の気持ちについての話を追記します。


余談:
現時点では、個人的には強○要素はそれほど辛くないです。というのも、モブ○はなく全部攻略対象からの行為なので、愛があるのを知っているのとそれが通じた幸せな未来を見ているのが大きい。
いやめっちゃ嫌がってるし抵抗して暴れて吐いてるけど、支配欲・暴力が主ではなく「暴走した愛」かなという……
どちらかというと加賀兄弟(ヒロインと初対面で愛はない、凍時への見せつけ目的)とは未遂でよかったなとか、樹さんの装置が即死させてくれるようなものでよかったなと思っていたくらい。


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