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SympathyKiss シンパシーキス 感想 湊康平くん(全ED)

※パーフェクトエンド、LOVEエンド、JOBエンド全て見ています

続いては後輩だけど年上の康平くん。この√はなんといってもスキンシップが良かった!なんかいいところで流れる歌で「駆け引きなんて~」みたいな歌詞が出てきたけど、二人ともちゃんと駆け引きができるところがとても楽しかった。

最初にテンションが上がったのが二人で飲みに行ったシーン。
まだ帰りたくないなと思って袖を引く→「彼が驚いたように声を上げたので、なんだかそれが少し嬉しかった」でスイッチが入って、「手をぎゅっと握る」からのこのやりとり!!!

 なんとなく指先を弄んでいると、咎めるように湊さんの手が私の手を捕まえた。
 「……悪戯しないでください」
 その言葉には答えずゆるゆると顔を上げると、湊さんと視線が絡まる。

朱里、スイッチが入ると意図的な無言が使えるタイプなんだなー。このやりとりの何がいいって、今までのどの場面よりあからさまなスキンシップなのに、康平くんが赤面しないのよ!いつもの微エロでからかうようなシーンと違って、ちゃんと理解してやりとりしている。

 「据え膳のつもりですか?」
 働かない頭で(中略)確かにその通りだということに気が付いた。このまま流れに身を任せたら、どうなるのだろうか。

いやこれホント、天を仰いだ。据え膳になりたい気持ちに嘘をつかない乙女ヒロイン…!流れに身を任せるも何もその流れを作ったのは自分。朱里って好きだから付き合いたいというのとはまた別に「抱かれたい」があって、「酔ったせいにすれば、そういうポジションの女として扱いを変えられることもないだろう」という計算も明確にあるんだよね。

対する康平くんはどうかというと、無防備だとか警戒心がないとか言ってるのはなんというか戯れで、バーでマスターに言った「……多分、気を持たせてる」という認識の方がしっくりくる。
告白の後で「曖昧な関係性のまま、天沢さんと過ごすのが心地よかった」と言っている通り、正式に付き合うべきではないと思って気付かないふりをしていただけで、本当は朱里の好意も「据え膳」として美味しく食べてほしいという欲も、かなり早い段階でちゃんと伝わってるんじゃないかな。
初夜での「……全部、俺のせいにしていいから」も別に全然「俺のせい」じゃないんだけど、据え膳になりたかった朱里の気持ちを汲んだ上で欲しい言葉をあげたんだろうなー。いやわかるよ、そういう言葉攻め(?)が効く相手だもんね!

あと好きなスキンシップは雨に濡れて彼の服を借りたときのこれ。

 そのまま、撫でるようにして指を滑らせる。
 「……それともわざと?」
 できるだけ感触を意識させるように、ゆっくりと。

こんな触れ方ができる人が!!朱里の触れ方の真意に気付かないはずないだろうが!!!言葉やわかりやすい接触でからかうのが主だった康平くんが、「できるだけ感触を意識させるように」という細やかな部分で試してきたのにものすごくテンションが上がった。
あと、序盤で「次からは横着しないで、そこの踏み台を使ってください」って言っていた時には朱里の小ささに全然キュンときてなかったのが、この時には萌えるようになったという変化が感じられたのも良かったなあ。

小さい弟妹が出てくるわりに子ども扱いも疑似家族扱いもされないのは意外だったんだけど、ショッピングモールでのワンピース選びの話で腑に落ちた。

 彼が指さしたのは、形が綺麗なシンプルで少し大人っぽいワンピース。
 「朱里は派手なのより、こういうやつの方が雰囲気に合う気はする」

そうだったんだーー!!!通勤服がピンクのヒョウ柄なのに!!???
服装やデスクの雰囲気×ドジっ子エピソードで距離を縮めたから可愛い系の方がいいのかなと思ってぬいぐるみが好きって設定にしてたんだけど、彼は一貫して綺麗でシンプルな服が似合う大人の女性として見ていたんだなあ。

【EDについて】※以下、虎走部長√のネタバレを含みます

パーフェクトエンドで康平くんがやろうとしているワケアリの人への就職支援って、虎走部長がかつてエスタリオ社長にしてもらったことと同じなんだよね。
部長と康平くんの道を分けたのはたまたま手を差し伸べてくれた人が悪意ある人物であったか否かということだけで、言ってみれば全て運。だからこそ、康平くんの話を聞いた時の部長の気持ちを考えるとさあ……めちゃくちゃしんどいね、これ。

それに加えてたまたま村田妹がぬるかっただけで、例えば前科持ちの人に仕事を紹介した結果、被害者に脅迫された社員が会社に損害を与えることも十分に考えられる。そのあたりの対処とか責任とか大丈夫…?経営より社会福祉や法律を学んだ方がいいのでは…?

虎走部長がエスタリオという企業の後ろ盾の意義を理解した上で子会社設立にすら不安を覚えていたのに対して、康平くんはそこまで考えが及ばず独立の道を選んでしまったのも、信頼できる大人と出会えたかどうかの差が出ていてしんどいよなあ…

というのがどうしてもひっかかってしまい、安心できたのはLOVEエンド。朱里やエスタリオの皆に可愛がられて、父親を許しきれない自分ごと世界を肯定できるようになりますように。

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