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知らない店に入るには、とてつもない勇気が要るけれど(9/16〜20の日記)
月曜からずっと、『踊る大捜査線』の再放送を観ている。来月からシリーズの新作映画が公開されるため、それに合わせて放送が始まったらしい。何度も観たドラマだけど、何度観てもしみじみ良い。一人ひとりのキャラクターも演技も、テンポの良い展開も、映像の雰囲気も、おしゃれな劇伴も何もかも良い。
先週は外出予定が立て込んでいたけれど、今週はわりと余裕のある週だった。取材や打ち合わせはあったけど、どれもリモートだったので、ほとんどずっと家にいた。
外出をしたのは、水曜日と木曜日。
青く薄い屋根に白い壁のやたら佇まいの良いその建物は、何年か前までは歯科医院だった。歯科は2階にあり、1階はずっとシャッターが降りていて、コロナ禍でぼんやりとしている間に丸ごと空っぽになってしまった。
しばらくして、その建物に動きがあった。2階に工事が入って、少し経って、カフェが開店したようだった。それが1年ほど前のこと。
そのカフェは、なぜかいつも入口のシャッターが少しだけ降りている。少し離れた場所からそれだけ見ると、営業しているのかわからない。でも、近づくとOPENの看板が置いてあり、階段の2段目あたりにパロサントが置かれているのが見える。とはいえ店内は外からほとんど見えないので、雰囲気も混み具合も何もわからない。入店の難易度が高い。
水曜日、私はその近くの歯科で定期検診を受けていた。カフェがもともと歯科だったのでややこしいが、歯科の近くに歯科があったということである。
定期検診を受けている間、口を大きく開けたまま「今日こそは、あのカフェに行くぞ」と意気込んでいた。私は知らない店に足を踏み入れるのに相当勇気が要るタイプの人間なので、よっぽど元気な日に、何度も念じて気合を入れないといけない。
そうして意気込んで、カフェに向かった。いつも通り入口のシャッターは少しだけ降りていたけど、OPENの看板が置いてあったので、どうやら営業しているようだった。
階段を昇り、扉を押して店内に入る。天井も壁も真っ白で、床はあたたかみのあるフローリング。かわいらしいテーブルやソファがバランス良く並べられ、いくつかある大きな出窓のおかげで日当たりが良く、明るい店内だった。BGMの選曲も良い。その日は、BADBADNOTGODやArc De Soleilが流れていた。想像以上に雰囲気が良い。しかし客は私ひとりで、それ以外には店主がひとり。まさかのふたりきり。緊張が走る。
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