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ジョン・トンプソン(ギルド試験:第1回目の審査員としてのお話)

ジョン・トンプソン(John Thompson)は、アメリカの有名なピアノ教育者であり、作曲家、そしてピアノ教本の著者として広く知られています。

1889年3月8日、ペンシルベニア州ウィリアムスタウン生まれ。

1889年のアメリカは経済が急速に発展していた時期と言われています。当時のアメリカは鉄道網の拡大や工業化が進んでいました。

この時期、特に大都市では工場や製造業が盛んになり、アメリカの経済が工業国家としての基盤を築きつつありました。そしてこれらの出来事は、1889年のアメリカが近代化を進める中で重要な転換点となったことを示しています。この年は、西部開拓、社会改革、そして国家的なインフラ整備が進む時期であり、アメリカが大国へと成長するための基礎が築かれた年でもありました。

1929年、トンプソンが40歳の頃、アメリカのピアノ指導者団体であるアメリカ・カレッジ・オブ・ミュージシャン(ACM)が主催する米国ギルド・ピアノ検定試験に審査員として、カンザスシティから招かれました。

トンプソンはピアノ教授法(Piano Pedagogy)の教育に対してとても熱心で、ギルド試験の審査員として公正かつ建設的な批評を行い、この試みはすぐに大きな成功を収めました。

彼の誠実な評価と音楽教育に対する情熱は、生徒たちにとって貴重な経験となり、米国ギルド・ピアノ検定試験の基盤を築いたのです。

トンプソンの生徒には多くの著名な音楽家やピアニストがいます。

彼の教えを受けた生徒たちは、その後、自分の音楽を世界中で広めていきました。

そしてトンプソン自身がとても影響力のある教育者だったため、彼の教えを受けた教師たちが次世代のピアニストを指導し、その影響がどんどん広がっていき、彼が「ジョン・トンプソンのピアノ教本シリーズ」を作成。これは彼が30代後半から40代前半の頃です。

その後1940年代初めに最初の教本を発表し、これが彼の教育理念と音楽理論を反映した作品として多く、現在でも指導者に支持されている教本の一つでもあります。

あの「赤い教本」の思い出したら、この投稿も思い出していただければ幸いです。

米国ピアノ指導者団体
ACM日本支部


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