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第6次エネルギー基本計画の素案が出たのでちょっと簡単にまとめながらお勉強する(その1)

連続投稿200回の記念すべき投稿、だけどこんな難しい記事に…。

昨日(7月21日)に国のエネルギー政策を決める調査会から第6次のエネルギー基本計画の素案がでました。

※素案ってわかります?「そあん」って呼んで、原案になる前のざっくりした案ってことです。

案の案ってことですが、大きくニュースになっています。

なぜかというと、国が2050年にCO2の排出を実質ゼロにすることや2030年には46%減っていうのを宣言してから初めてのエネルギー基本計画になるので、まぁ国としてはエネルギー政策をグッと進めた案をだしてくるだろうということです。

もちろん持続的な社会を作るためには必須で、SDGsとか勉強している人は良くわかると思います。なので環境原理主義に近い立場な私も楽しみにしている部分はあります。でもメリットばかりではなく、大きく進むエネルギー施策にダメージをうける人たちもたくさん出てくるので行政の立場としてはそこをしっかり考えておかないと大変なことになるなという思いもあります。

さて、エネルギー政策課長としてはこの辺はちゃんと勉強すべきなのですが時間も体力も限られているので概要版(PPT20ページ)をさらに概要にすることで何とか理解しようと思います。

エネルギー基本計画(素案)の全体像
・2050年排出ゼロ、2030年46%削減の実現に向けた道筋を示す。
・ 技術やイノベーションで国際競争力を高める。
・日本のエネルギー需給構造が抱える課題を克服する。
・安全と安定供給を確保しつつエネルギーコストの低減を進める。

全体像としては当たり前で、CO2ゼロを目指して、日本が頑張って国際競争するぞってことですが多分無理…、なので大事なのは安全で安定なエネルギーを安く確保しながらCO2ゼロにしていくことですね。

ここで、「需給構造が抱える課題」が何かってことが気になります。

東京電力福島第一原子力発電所事故後10年の歩みのポイント
・東日本大震災と福島第一原発事故の経験と反省を肝に銘じて取り組む。
・被災者に向き合い、最後まで福島の復興・再生に全力で取り組む。
・原子力については安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する。

色々書いてましたが基本は反省文。廃炉と復興は必ずやる!ってこと。そして原子力は可能な限り依存度を低減すると記載されています。

2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応のポイント
・温室効果ガスの8割を占めるエネルギー分野の取組が重要。
・電力部門は、とにかく脱炭素電源へ。
・非電力部門は、電化する。
・電化が困難な高温熱需要等は、水素や合成メタンなどで脱炭素化。
・脱炭素イノベーションを「グリーンイノベーション基金」などで支援。
・最終的に残る炭素排出は、DACCSやBECCS、植林などにより対応。
・再エネが主力電源として最優先で最大限の導入。
・水素・CCUSは、社会実装を進める。
・原子力は、安全確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用。

ここが一番エネルギー政策の基本的な姿勢ですね。
最初にリンク貼ったNHKのサイトに分かりやすい図が出てます。

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お次は需要サイド、つまり電気を使う側について

2030年に向けた政策対応のポイント 【需要サイドの取組】
・徹底した省エネ
・産業部門は省エネ技術開発・導入支援の強化
・業務・家庭部門は、ZEH・ZEBなど建築物省エネ法の規制措置強化
・運輸部門は、EV化とAI・IoTなどの新技術の導入支援
・省エネ法改正を視野
・蓄電池等の分散型エネルギーリソースの有効活用
・アグリゲーションビジネスの推進と、マイクログリッドの構築

簡単に言えばEV(電気カー)とかバッテリーとかAIとかの最先端技術を活用しまくって徹底的に省エネします。

ちょっといったん休憩しようかな(笑)

この先は再エネ、原子力、火力、電力システム、水素・アンモニア、資源・燃料などさらにマニアックに・・・

またどっかでまとめていきます。

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秋田大介(社会課題解決コーディネーター)
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