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イマゴト活動報告2023.09.01「気候市民会議の多様な開催を考える」

STiPSが共催するワークショップ「気候市民会議の多様な開催を考える」に参加してきました。

気候市民会議ってまだまだ日本では、特に西日本ではなじみがないですよね。東京では少しずつ事例が増えてますが。
こちらの東京新聞の記事はとても丁寧に書かれていてわかりやすいですね。

こちらの記事からイメージを拝借します。気候市民会議はヨーロッパで始まった仕組みですが、ざっくり言えば「地域の縮図」を作って話し合うということです。縮図の作り方は「無作為抽出」から始まります。まちの代表を無作為で決めてその方たちに専門家が情報提供を行い、熟議を重ねて提言書を出すというものです。

東京新聞の記事より

私が参加したワークショップ「気候市民会議の多様な開催を考える」では、この気候市民会議をどうやって広めていくかという意見交換をしました。無作為抽出の問題、選ばれた住民が勉強して熟議して提言する負担の問題などいろいろありますが、まずはいろんなパターンで小さくたくさん実践していくことが重要だったんだろうなと思います。

ワークショップの様子

ところで「地域の縮図って言うなら議員が代表としているのでは?」って負った方もいますか?議員に何も期待していない人はそんなことは思わないですかね…
東京新聞の記事にはこんな書き方がされていました。

◆なぜ広がっているの?
 気候市民会議は2019~20年にフランスやイギリスで国政レベルで開かれ、地方自治体にも広がっている試みです。背景には、選挙を通じて選んだ議員らにお任せするだけでは、温暖化対策に必要とされる規模の大幅な転換が進まない心配があります。
 温暖化を抑えるには数十年後の悪影響も見据えて、石炭火力発電所やガソリン車など、化石燃料に頼る社会の仕組みを今から大規模に変える必要があります。二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにするのが目標ですから、例えば、化石燃料でつくったプラスチックもなくしていく必要がありますし、遠くから新鮮な食材などさまざまな商品を運んできたりする場合もCO2が出ない方法が必要です。影響はあらゆるところに及びます。
 一方、議員が選挙での当選を目指す余り、数年間で成果が出ることばかりに力を入れたり、支持者が痛みを受けることを恐れて転換を避けたりすれば、対策は遅れます。北海道大の三上直之准教授は、選挙はCO2を大量に出している既存の産業の利害を反映しやすいとし、「変化の原動力をつくり出すのが難しい」と指摘しています。
 日本でも温暖化を抑える政策が十分に進んできたとは言えません。例えば、少ない冷暖房で快適な住環境を保つために一定の断熱性能を住宅に義務付ける政策は「市場の混乱」を避けようという判断から、導入が5年以上、遅れました。
 気候市民会議は、その弱みを補完する試みです。
 参加者は「くじ引き」と呼ばれる無作為抽出を活用して選ばれます。議員と違って次の選挙での当選を意識する必要がなく、支持者の期待を背負わない分、自由に議論を深めやすいです。
 先駆けとなったフランスでは、政府が温暖化対策として掲げた燃料税引き上げ案への反発から「黄色いベスト運動」という抗議が広がったことがきっかけで、マクロン大統領が導入を決めました。150人による9カ月間の熟議により149項目の提言が出され、熱効率の悪い住宅の賃貸禁止などが法案化されました。

東京新聞より抜粋

僕もずっと感じているのが政治家の任期による弊害。最近も選挙に勝つための解散議論、内閣改造などのニュースがたくさん出ていますが、そんなことより中身の議論をしてくれよと言いたい。
日本の政治の仕組みではなんも変わらないという感じがしますね。変えていくなら住民の行動力(民度とも言いますが)とそれをよしとするフットワークの軽い自治体の首長が合わさっているところからでしょうか。

昨年、僕が神戸市の環境創造課長の時に新たなチャレンジとして開催した「神戸ゼロカーボンチャレンジ」では、将来にわたって気候変動の影響をうける若い世代の方たちが、市民等の意見を聴きながら温暖化対策の取組を検討し、神戸市に提案していただきました。その中で優秀賞を取ったアイデアが「神戸版気候市民会議の開催」でした。

まだ神戸市で開催できているわけではないですし、開催がゴールでもないですが、まずはこういったアイデアをスモールスタートでいいので実践していきたいですね。

神戸ゼロカーボンアイデア発表資料から抜粋

神戸市に限らずこれがやれるチャンスがあれば是非とも自治体と一緒にその土地ならではのやり方を考えていきたいです。
無作為抽出でなくてもいい、テーマを絞ってもいい、地域をさらに限定してもいい。いろんなやり方があってしかるべきでそれをたくさん産んで大きなうねりにしていくことが大事です。

(20230919追記)
きんき環境館のサイトにこのイベントの報告がアップされたので、リンク貼っておきます。資料もここから見れるし。


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秋田大介(社会課題解決コーディネーター)
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