かってに海外ドラマ評 パイロット版（ネタバレなし）

Hulu × Chromecastも快調に機能しているので、調子に乗って登録以降この10日くらいで観たドラマの感想を一挙に書いてみる。
海外ドラマは複数シーズンあったりして一つひとつが長いので、まずはどれも最初の2話（放送を決定づける所謂パイロット版と、実際に放送が決まってから作った2話目）までを観てみた。以下の感想では予告編的な内容以上のネタバレはないので良ければ参考までに。

『CASTLE』

ミステリ作家キャッスルと女刑事ベケットのコンビが事件を解決していく軽妙なサスペンス。主役2人（加えてキャッスルの娘と母親）のキャラが立っていて会話だけでも飽きさせない。純粋に推理モノとしても上質でこの手のドラマが好きなら間違いない出来。基本的に1話完結スタイルなのも良い。Huluでは現在シーズン4まで配信してるようなのでゆっくり視聴を継続予定。

『Person of Interest』

テロ対策のため、天才プログラマが開発した犯罪予知マシンが発端。この開発者と元CIAエージェントの2人が、国民監視システムによって得られる断片的な情報から犯罪を未然に防ぐため奔走するストーリー。
個人的には“マシン”による予知の精度が低いように感じた。社会保障番号までわかるなら個人を特定してるのと同義だし、そこに申し訳程度のクッションを置く意味もわからない。中盤以降は大事件に繋がっていったりするのかもしれないが、2話までの時点では扱う事件も地味だしキャラの造形もイマイチ。視聴中止。

『SUITS』

一匹狼の敏腕弁護士ハーヴィーが完璧な記憶力を持つ青年マイクとコンビを組み、法律にまつわるトラブルを解決していくドラマ。悪友のために道を踏み外しかけていたマイクは、ひょんなことからハーヴィーと出会いその頭脳を見込まれ、経歴詐称して法律事務所で働くことになる。
1話完結型の軽快なストーリーと、会話の掛け合いが衣装の高級スーツ以上にお洒落な作品。ハーヴィーを鍛えた女所長ジェシカや、意地悪な新人教育係ルイスなどクセのある登場人物がドラマにさらなる深みを与えている。番組説明にもあるように“弁護士もの”のわりに法廷シーンは少なめ。文句なく面白いので視聴継続。

『GAME OF THRONES』

長編ファンタジー小説を原作としたドラマシリーズ。小説からのアレンジはあるようだが、原作者も脚本に関与しているという点は既読者も安心か。架空の世界が舞台である上に人物の関係性や地理などが複雑かつ難解で、物語に入り込むには少し敷居が高め。しかしその点を物ともしない圧倒的なロケーション、セットや小物といった美術、大量のエキストラを含む出演者と、金に糸目をつけない映像美が最大の特徴。筆者のような原作未読者には多少不親切かなと思えなくもないが、見続けていたいと思わせる映像の迫力は下手な映画を軽く超えていくクオリティ。Huluでは2月に配信が始まったばかりらしく、せっかくなので少しずつ観ていきたい。

『HOMELAND』

戦地にて捕虜となっていたアメリカ兵が軍に保護されて帰国。祖国では英雄として扱われる彼だが、実はテロリスト側に寝返ったのではと疑う捜査官がひとり…。英雄が裏切り者だった、というありふれた設定を正面から描いている感じ。ハワードゴードンら『24』のスタッフが参加している。主人公の女性捜査官は情緒不安定すぎてあまり好きになれないが、先が気にはなるので視聴を継続予定。

『THE EVENT』

合衆国大統領にすら極秘にされていた“ある事象”と、その断片を（おそらく）知ってしまった一人の男にまつわるストーリー。序盤の段階ではもちろん全ては明かされないものの、想定以上に突飛な設定だったこともあり今ひとつ入り込めず。ちなみにこちらも『24』のエヴァンカッツによるプロデュース作品だが本国では1シーズンで終了。個人的にも視聴中止。

『House of Cards』

新大統領の当選のため尽くしてきたベテラン議員が、約束されていた閣僚のポストを反故にされ、あらゆる手段を講じて政治的に追い詰め復讐していく、という物語。アメリカのドラマにはよくあるようだが、原作は90年代の英ドラマシリーズで、本作はリメイクである。オバマ大統領をはじめ本職の政治家に人気のドラマとしても話題になった。主演のケヴィンスペイシーと映画監督のデヴィッドフィンチャーが製作総指揮を務める。脚本・演出とも丁寧に作り込まれており、政治家同士…というか人間同士の駆け引きが時に滑稽さを交えつつとてもリアルに描かれている。本国ではNetflix発のドラマ作品で、日本では3月までHuluでも配信されていた。とりあえずシーズン1のBlu-rayを購入して視聴中。

『24』『WHITE COLLAR』『SHERLOCK』はHulu登録前から既に全シーズン視聴しているので今回のドラマ評からは除外した。これらについてはまた別に取り上げたい。