QIIME2で細菌叢解析したい! for mac①「Qiime2のインストール」
1.はじめに
動物・植物の共生細菌は宿主の健康維持・増進を考える上で大きく注目を集める研究テーマとなりました
近年の次世代シーケンス技術の進化は,これまでブラックボックスであった複雑な共生細菌群集(すなわち,細菌叢)やそれらの機能の解明に大きく貢献しています
中でも,宿主の免疫系,神経系,内分泌系と密に相互作用し,「第2の能」と言われるほど宿主の健康・恒常性維持に重要な腸管に形成される「腸内細菌叢」はヒトのみならず多くの生物種で大きな注目を集めています
腸内細菌叢解析にはPCを用いたバイオインフォマティクス的手法が必要になってきます(ここでは,培養法ではなく次世代シーケンサーを用いた方法を指します)
僕は,主に細菌培養法を用いていた学部学生の頃とは異なり,修士学生(M1)で初めてMiSeqを動かし,細菌叢解析に着手しました
当時は全く解析の知識もなく,周りに教えを乞う先生もいなかったため,fastaファイルをimportし,パラメーターを設定するだけでよいSILVAngs(https://www.arb-silva.de/)を使っていました
ただ,細菌叢解析を研究手法のメインとする以上,きっちり,かつ幅広く用いられている解析をしたい!と思い,QIIME2の導入~解析手法の習得に挑みました
まだまだビギナーですし,今後もっと勉強が必要ですが,同じような境遇の方の(微力でも)力になればと思いこれまでのQIIME2の使い方等を共有させていただければと思います(自分が忘れないようにするためのメモとしても使っています)
腸内細菌叢解析を自分で行えるようになれば,委託で解析オプションを付けなくていいですし,多角的に研究データを解釈できるかと思います
また,これから学位取得を目指す学生さんにも参考になれば幸いです
2.QIIME2環境の構築
QIIME2はpythonのパッケージ管理ソフトであるAnacondaを利用して導入します
今回はVersion: 2022.2をインストールします
ちなみに今後投稿する予定(気持ち)はありますが,「PICRUSt2」を利用したい方はVersion: 2021.2をインストールしてください(R4.8.12時点)
以下のコマンドを打ち込み,
1.wgetコマンドでインストール用のファイルをダウンロード
2.ダウンロードしたファイルを用いてQIIME2の環境を構築
3.インストール後にインストール用のファイルを削除(オプション)
をそれぞれ行う
wget https://data.qiime2.org/distro/core/qiime2-2022.2-py38-osx-conda.yml
conda env create -n qiime2-2022.2 --file qiime2-2022.2-py38-osx-conda.yml
# OPTIONAL CLEANUP
rm qiime2-2022.2-py38-osx-conda.yml
3.QIIME2環境をアクティベート
以下のコマンドを打ち込み,上記のQIIME2環境をアクティベートします
conda activate qiime2-2022.2
次に,以下のコマンドを打ち込み,動作確認をします
qiime --help
エラーもなく,「QIIME2 command-line interface」が表示されればok
インストールは以上です
QIIME2の環境から出る場合は以下のコマンドを入れます
conda deactivate qiime2-2022.2
4.References
インストールは以下のサイトを参考にしました
今回はmacでの動作を紹介しましたが,上記のぺージにはLinux ver.も記載されています
ちなみに,この記事と異なるQIIME2のver.をインストールしたい場合は,上記リンクの左上(画像赤矢印)で確認できます
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