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つれづれ弓道: 忘れたものと忘れたいもの

経験があってもすぐにできるもんじゃないんだよ


しばらくぶりに復帰したからといってすぐに弓が引けるようになるかと思ったら大間違い。筋力は落ちてるし、いろいろ忘れてるし。あと、やはり慣習というか、いろいろな決まりごとが違ったり。まぁ、これは学生と社会人というより道場ごとの違いなんだけと。
あとは所作が昔と変わってたりするものあったりする。

あと、弓道には流派みたいなものがあったりして引きかたや体配が違う。再開した道場は高校の頃と同じ流派で戸惑うことはなかった。これは幸運だった。
教えていただきながら、思い出しながら、考えながら、少しずつ。

一番戸惑ったのはとにかく弓が強すぎて引けない。最初のうちは道場の弓を借りるのだけど弱い弓でも全く引ききれない。
弓道はそんなに筋肉はいらないと言われているが、全くいらないわけではないと思う。
ただ歩くだけでも必要最低限の筋肉がいるように、弓を引く必要最低限の力は必要なわけだ。そして当時の私にはその力が全て衰えているようだった。歳をとったからじゃないと信じたい。
毎週のように引いていると筋力がつくのか、引き方を思い出したのか、何となく引けるようにはなってくるもんである。不思議だ。

慣れてくればそれはそれで高校の時の悪い癖がそこかしこに出てきたりする。出てきちゃダメなやつだ。いろいろ忘れているんだから悪いものも忘れておけば良いのにそういうのは率先して出てくる。なんででしょうね。

こんなんで本当に前のように引けるようになるのかと思ったりしたけど、そのうちなんもかなるもんです。ほら、やっぱり加齢のせいじゃない。
ただ、そうなるまでは結構時間がかかって、すぐにできるもんじゃないんだよ、これが。

まぁ、体は覚えているようで、自然な流れが体の中にあるような感覚で心も体も徐々に弓に集中していくもんです。

おわり

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