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チャリダーアキの自転車世界旅行 オーストラリア一周編(29)


歩く


 朝8時にフミさんと一緒に出発。この日は1日フミさんと一緒に歩くことに決めていた。彼は大きなリヤカーを押しながら、かなりのスピードで歩き続ける。その間、僕のサイクリングコンピューターは時速6kmを示している。   荷物を積んだ自転車を押す僕は、ちょっと小走りになって彼の後ろを必死になって付いて行かなければならなかった。
 お互いによく喋る性格で、歩きながらひたすら話続ける。話のネタは旅の話が殆どだが、いつまでもネタが尽きることは無かった。
 
 途中、彼のリヤカーが植物のトゲでパンクしたが、2人でテキパキと修理する。南オーストラリアには、硬いトゲの付いた植物が多く生息しており、お互いにパンク修理も慣れたものだ。この頃から雲行きが怪しくなってきていて、今にも雨が降りそうで目的のキャンプ場に辿り着けるかどうか心配になってきた。
 僕達は先を急ぎ、どうにか本降りになる前に目的のキャンプ場に到着することが出来たのだが、到着するやいなや大雨になってしまった。オーナーに勧められて、ありがたいことに屋根のある場所にテントを張らせていただけた。さらにオーナーはビールを2本我々に下さった。自転車で旅をしていてビールをもらうことなんて殆ど経験無い。やっぱり巨大なリヤカーで歩き旅をしていると、周囲の人も親切にしてくれるのかな?
 
 夕食後、フミさんにラジオと洗剤を頂いた。
 フミさんのオーストラリア縦断(ダーウィン~アデレード)は、そろそろ終わりを迎えようとしている。彼は一度日本へ帰国するとのことだったが、僕はまだまだ旅を続ける予定だった。リヤカーを日本へ持って帰る気のない彼は、荷物の整理も兼ねてのことだったと思う。

(フミさん、ありがとうございます。大切に使わせてもらいます。)

 
 


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