いかなる形をしていようと、この一つの間違いには一つの訂正があるだけである
問題は一つ、その解決法も一つ
この世界にはたくさんの問題があるかのように見えます。
ただし、コース(奇跡のコース/奇跡講座)の観点からみるならば、問題は一つ、その解決法も一つ、です。
それが何を意味するのか?というなら、
どれもたった一つの問題(真の問題)に帰結するということです。
さらにいえば、
問題があるところと同じところに解決法(答え)もある
ということです。
ですから、コースの実践では、私たちは真の問題があるところへと戻っていくことをしていくわけです。
その真の問題があるところとは、どこなのか?
というなら、
私たちの内側の無意識に隠されているということです。
コースではそれを「心」と呼んでいます。
そう、私たちは「心」へと戻っていき、そして自分の内側を注意深く探索していくことが求められているということです。
そうしていくとき、「自分で自分にこれを行っている」(T-27.VIII.8:3-5)という真実が自覚/認識されていくことになります。
いわゆる、「心の決断の主体」の自分を自覚/認識するようになるということです。
自分は「心の決断の主体」であることを自覚/認識するとき、もはやそこに深刻さはなくなり、私たちはすべてを平安と共に見ることができます。
それが私たちにとっての真の救いであるということです。
すべてが自分で自分に行なっているだけであるならば、それが何を意味するのかと言うならば、私たちはけっしてこの世界の被害者なのではないということです。
その真実こそが私たちにとっての救いの鍵であり、私たちがコースの赦しの実践を通して思い出していくべきことなのだということです。
ただし、ここで忘れてはならないもう一つの重要なことは、その真実こそが私たちが最も思い出したくないことであるということです。
そのことを理解しておくことは、とても重要です。
そうでないならば、私たちは実践において自我である自分自身と戦うことになり、葛藤と恐れに苛まれることになるからです。
だからこそ、コース形而上学をしっかり学んでそして理解していくことは、とても大事なわけです。
言い換えるなら、コースを実践していくためにはコースの形而上学(思考体系)についてしっかりとした学びと理解が必須であるということです。
真の問題があるところへと戻ることの意味
実践において私たちは真の問題があるところへと戻っていかなければならないということです。
それがコースの赦しの実践で私たちがしていくべきことなわけです。
ちなみに、真の問題のあるところに戻らずに問題を解決しようとする試みを、コースでは「魔術」と呼んでいます。
「魔術」がいけないということではありませんが、「魔術」で解決しようとすることは真の問題を解決せずにやり過ごそうとしているだけ、ということを知っておくべきです。
なぜ、何のために真の問題のあるところに戻っていく必要があるのか?というなら、
自分は何者なのか?
自分はどこにいるのか?
自分は何をしているのか?
そういうことを自覚/認識していくことが目的なのだということを覚えておきましょう。
そして、その目的のもとに実践をしていくならば、当然、それは体験を通して思い出されていくことになるということです。
いわゆる、「心(の決断の主体)」である自分が自覚/認識されていくことになります。
コースではその場所を「戦場を超えたところ」(T-23.Ⅳ)と呼んでいるわけですが、そこから見るとき、そこから見るすべてが自分ででっち上げた虚偽だと分かります。
そう、そのように見えている視点こそが、「赦し」の視点であり、それが、イエス(聖霊)が見ている視点なのだということです。
「赦し」の視点から見るとき、この世界とは一切関係ない「平安」がそこにはあります。
その「平安」を経験していくことによって、学びと実践をしていくそのモチベーションがさらに高まっていくことになります。
もっとこの学びと訓練をしていこうとますます望むようになっていくわけです。
いわゆる、ますます幸せな学習者(T-14.Ⅱ)となっていくということです。
もはやこの世界が「教室」として知覚されるようになり、すべてが「愛の呼びかけ」として知覚されるようになっていきます。
それにともなって、様々な問題が形を変えて現れてくるかのように見えるこの外側の世界の形態を超えて(看過して)いくと共に、愛の臨在を知覚するようになります。
そのようにしてあなたの学びが深化していくにしたがって、外側の形態ではなく内側(心)の反応こそがフォーカスすべきものなのだと分かってきます。
なぜなら、すべての問題の原因は心の選択によるものだと直ちに認識されるようになるからです。
そう、私たちのフォーカスは外側の世界から心の内側の方へとシフトしていくことになるということを覚えておきましょう。
コースの学びと実践が根付いていくにつれて、私たちのフォーカスは、形態ではなく内容へとシフトしていくようになるということです。
それにともなって、自分は肉体ではなく、自分は「心」であると認識するようになっていきます。
つまり、
肉体と同一化していた自分から時空を超えた「心」の自分へと、
コースの言葉で言えば、
「self」という個の自己から「Self」という一なる心へと、
アイデンティティー(自己認識)がシフトしていくということです。
その自分とは、個を超えた自分であり、時空の外にいる自分であり、「夢を見ている者」の自分です。
そのようにして、私たちは真の自己を思い出していくのだということです。
そして、それを「目覚め」と呼んでいるのであり、コース学習者の私たちはそれをめざしているのだということを忘れずにいましょう。
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