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【乙庭植物図鑑】20241106 カンナ 'クレオパトラ' Canna 'Cleopatra'


今日は、11月に入ってから今年の初開花となった(例年の比べてとても遅い開花)、とても乙庭好みで、かつ私の園芸観、植栽表現にとてもマッチするなぁ、と私の園芸家心の中で長年大切に守り続けている品種 カンナ 'クレオパトラ’ を紹介します。

様々なカラーリーフ、斑入り品種があるカンナの中でも、不規則に真緑と暗紫褐色にくっきりと色分け模様が入る、スペシャルな品種です。

2024年11月6日撮影
2024年11月6日撮影

【カンナ 'クレオパトラ'】

私の初著書、「刺激的・ガーデンプランツブック」に掲載した写真

カンナ 'クレオパトラ' は花も含めると1.5m程度に育ちます。
カンナの園芸品種の中でもまさに「中くらい」の草姿サイズ感です。

真緑地に大胆な暗紫褐色の不規則な刷毛込み模様の入り、植栽表現の中に取り入れると、技巧的で個性的な雰囲気を発揮してくれる、とてもカッコいいカンナのカラーリーフ品種です。

日向の地植えで肥料・水を多めに与えると初夏以降、勢い良く成長して株元から多くの新芽を出し、真夏には株張りが出て、夏庭植栽のフォーカルポイントになるボリューム感になります。

本種クレオパトラは、グリーン地の葉に入る、大胆な不思議な暗紫褐色の不規則刷毛込み模様がたいへんカッコいいのはもちろんのこと、その花も朱赤無地と黄色に朱赤のそばかす模様の2色で不規則に咲き分け、どれひとつとして同じ花が咲きません。派手な中にもとても不思議な美しさと驚きを感じさせてくれます。

この花色の出方には特徴があり、花の直下の花茎が緑と暗紫褐色の2色で伸びている場合は2色の咲き分け花が出やすく、花茎が緑一色であれば黄色にそばかす模様の花、花茎が暗紫褐色のみであれば朱赤色の花が咲きます。

濃色銅葉や派手縞模様の葉は一般化してきたカンナ属にあって、本種クレオパトラのような渋い色みでの大胆な不規則な葉模様はたいへん新感覚で、ひと味以上違う
技アリな夏の庭植栽を演出できます。

たいへん通好みな上級アイテムだと思います。
こういう植物を植栽の中で上手に使いこなせると本当に個性的でカッコいい庭になりますよね。

カンナ 'クレオパトラ' の葉模様はとても不規則で、根元から新しく出てくる芽は
完全に緑色に戻っていたり、完全な銅葉が出てきたりします。

単色の葉で出てきた芽は、放っておくと緑葉の原種に戻るか単なる銅葉個体になっていく危険性が高いので芽が大きくなる前に根元から折り取る管理をすることで、
最初の葉から刷毛込み模様が入った芽を残して育成していくのが、品種の変質をさける上で重要です。

実際、日本の流通市場でも、完全な緑葉で黄花に戻った個体を カンナ 'クレオパトラ' として販売しているケースもあるので、2色葉になる品種と分かって販売しているショップで購入するとよいでしょう。

単色の新芽を折り取る管理以外は、日本の温暖地の気候によく合い、とても丈夫で育てやすい植物です。

カンナ全般にいえることですが、ショウガの根のような太い塊茎が地中の浅い部分で横に張って幅を増していくので、植え付け時には隣接する他の植物から間を開けて植えることで、真夏以降の株張りで株間がちょうどよく埋まっていきます。

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学 名:Canna 'Cleopatra'
科名等:カンナ科 半耐寒性球根
花 期:夏
草 丈:1.5m程度



【今日の読書】

ファイナリストとして、現在進行中のプロジェクト「東京パークガーデンアワード@砧公園」に向けての参考書として、日本語版の方で熟読しています(洋書版は長年すり減るほど熟「見」しました😅)


あと、kindle unlimitedの月額元取りで読み始めた下記の本がとても興味深く、結構ハマりつつ読み進めています。イマ、そしてこれからの時代観をヒシヒシ感じますね。


【今日のピアノ練習】

【坂本龍一 「andata」、 「The Seed and The Sower」】

11月にレパートリーと新曲で1時間程度まとめて弾く本番があり、そのプログラムの通しで弾きました。

この曲は今日はお休み。まだ全然譜読みも進んでおりません😅

【スカルラッティ ソナタ K.466、ソナタ K.87】

お休み。


4声で結構複雑な曲なので、声部を意識しながらゆっくりと通し。


【スクリャービン エチュードop.2-1】

11月の本番プログラムの通しで弾きました。

【マルチェロ作曲 バッハ編 「オーボエ協奏曲ニ短調BWV.974 第2楽章 」】

通し練習と拍子や多声部が難しい箇所を抜き取り部分練習。

【フランク「前奏曲、フーガと変奏曲」(バウアー編)】

※↑の楽譜は私が練習しているバウアー編ではなく、ペアン編曲版です。ペアン版の方が前奏曲の譜読みは格段にしやすかったです。

今日はお休み。

【パスカル・ヒメノ 演奏会用リズムエチュード 1-2 ブレリア、1-4 サルサ】

先日オンラインレッスンで先生からさまざまなアプローチの部分練習法を教えていただいた1〜3番苦手部分ピンポイントの克服練習をしました

【ラフマニノフ 楽興の時 op.16-3、4】

11月の本番プログラムの通しで弾きました。

【ベートーヴェン 創作主題による32の変奏曲】


この曲も先週後半から練習曲に復活し、主題〜第18変奏までを各変奏ごとに分けて、以前よりも深掘り練習しています。
最後の第32変奏が、ボリューム的に5変奏分くらいあるので、今練習している第18変奏あたりがちょうど前半部分に当たる感じです。


【私の連載が掲載された Garden & Garden 発売中です!】

私の連載「創造的 NEW GREEN GARDEN」第3回 が掲載された雑誌 「Garden & Garden vol.91」が発売中です😊
今号と次号の2回にわたる記事の後編です。
前後編併せて多くの方のご高覧いただけましたら幸いです。


最後に私 太田敦雄の著作や掲載誌をいくつかご紹介します。
2024年1月16日発売(本記事執筆時点では発売前)のガーデニング雑誌「Garden&Garden vol.88 (Spring 2024)」。
巻頭特集「風景ガーデニング」にて、私 太田敦雄 / ACID NATURE 乙庭 を8ページにわたり掲載いただいています。私の設計案件の中でもこれまで一般誌で解説紹介していない2つの住宅を実例に写真豊富に、自分が思い描く植栽風景を形にしていく思考のコツなどについて解説しています。私のページ以外も人気ガーデナー、ガーデンデザイナーさんの多様な植栽事例をお楽しみいただけます。


私と、おぎはら植物園の荻原範雄さん、フローラ黒田園芸の黒田健太郎さん・和義さんご兄弟との共著作「グリーントータルプランツブック」。前半の1/3を私が執筆担当しており、実例も交えた植栽論と植物の解説をしています。



私の最初の著作本「刺激的・ガーデンプランツブック」は、出版社のご都合で現在絶版となっていますが、この本に書いた内容も含めて、今後の出版物に盛り込んで、なんらかの形で情報としてこれからも手に入るようにはしていきたいと思っています。


noteの「乙庭植物図鑑」では、これまでの著書では解説していない植物も積極的に取り上げていく予定です。
自分だけの特別なお庭造りの参考になれば幸いです😊✨




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